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2024/10/20

「神威怪異竒談」(「南路志」の「巻三十六」及び「巻三十七」)正規表現電子化注「巻三十七」 (元祿年中吾川郡中嶋村の郷士二淀川原にて……)

[やぶちゃん注:原書の解説や凡例・その他は初回を見られたい。当該部はここから。既に述べた通り、以下の「巻三十七」の最後の十一篇は「目録」に標題が掲げられていないので、冒頭の一部を丸括弧で示すこととする。

 

 元祿年中[やぶちゃん注:一六八八年から一七〇四年まで。]、吾川郡(あがはのこほり)中嶋村(なかじまむら)の郷士(がうし)、二淀川原(によどがはら)にて、丸き五寸斗(ばかり)の川原石(かはらいし)の、色、黃を帶(おび)て、甚(はなはだ)、見事なるものを拾ひ來りて、愛翫せり。

 然(しかる)に、此石、夜〻(よよ)、薄き烟(けむり)の如き、氣(き)、出(いで)て、空へ登る程、廣く成(なり)、天を覆(おほ)ふが如し。一在所(ひとざいしよ)の人〻(ひとびと)、奇異のおもひをなしけるに、六、七日以後(いご)、此石、鳴動して二ツに裂(さけ)て、其內(そのうち)より、小(ちさ)き守宮(やもり/ゐもり)の如くなるもの、出(いで)て、庭前の土用竹(どようだけ)に上(のぼ)ると見へ[やぶちゃん注:ママ。]けるが、忽(たちまち)、風、吹來(ふききた)り、小雨(こさめ)、降(ふり)て、行所(ゆくところ)を不知(しらず)。

 古老、いふ、

「是(これ)は、龍(りゆう)の、こもれる石也(なり)。」[やぶちゃん注:「と。」が欲しい。]

 

[やぶちゃん注:「吾川郡中嶋村」現在の土佐市中島(グーグル・マップ・データ)。

「郷士」何度も既出既注だが、再掲しておくと、土佐藩では、藩の武士階級として「上士」・「郷士」という身分制度があり、「郷士」は下級武士で、暮らし向きもひどく貧しいものだった。但し、後の幕末の、土佐勤王党の武市半平太や坂本龍馬などの志士が現れている。

「守宮(やもり/ゐもり)」「近世民間異聞怪談集成」では、編者によって『いもり』(ママ)とルビが振られている。歴史的仮名遣の誤りは目を瞑るとして、納得は出来る。実際に、「守宮」を「ゐもり」と読むケースは近代以前の作品で頻繁に出るからである。私の怪奇談の電子化にも頻繁に見られるからである。例えば、ウィキの「守宮(妖怪)」の脚注の「3」で、『イモリ』(両生綱有尾目イモリ上科イモリ科 Salamandridae のイモリ類)『とヤモリ』(爬虫綱有鱗目トカゲ亜目ヤモリ下目ヤモリ科 Gekkonidae のヤモリ類)『は形や大きさが似ているため、かつての日本ではこれらの区別が曖昧であり、本来ヤモリを指す「守宮」を「いもり」と読む例が多々見受けられた』と、「イモリと山椒魚の博物誌」(動物学者碓井益雄著・一九九三年工作舎刊)から引いている。本篇も川原で拾った石であるから、作者が「いもり」として書いた可能性は、確かに、あり得る可能性はあり、その可能性は寧ろ、高いとも言えるかも知れない。しかし、私は、やはり、個人的には、従えない。そこで並置しておいた。なお、そのウィキで紹介されている、私の電子化注「伽婢子卷之十 守宮の妖」(「ゐもり」と読んでいる)を参照されたい。

「土用竹」単子葉植物綱イネ目イネ科タケ亜科ホウライチク(蓬莱竹)属ホウライチク Bambusa multiplex の異名。当該ウィキによれば、『多年生常緑竹で』、『地下茎を伸ばさず』、『株立状となるため』、『バンブー類』(bamboo【英語の「竹」とは異なる植物学的種群を指す語であるので注意】:タケ類の内、分蘖(ぶんけつ:イネ科 Poaceae などの植物の内、根元付近から、新芽が伸びて、株分かれする性質を指す)で増えるもの)『に分類される。東南アジアから中国南部にかけての熱帯地域を原産とし、桿』(かん:大型のイネ科植物の内、メダケ・ネザサ・アイアシなどの茎を指し、しばしば木化する)『の繊維を火縄銃の火縄の材料とするため』、『日本へ渡来し、中部地方以西に植栽されている』。『桿の高さは』三~八『メートル程、直径は』二~三センチメートル、『節間は』二十~五十センチメートル『と長く、節からは多くの小枝が束状に出る。葉は枝先に』三~九『ずつで』、『やや密に束生し、長さ』六~十五センチメートル『の狭披針形で』、『先は鋭く尖り、葉脈は平行脈のみで、横脈を欠く。タケノコは初夏から秋にかけて出る』。『桿が肉厚で重く』、『水に沈むことからチンチク(沈竹)、タケノコが夏に生えるので土用竹、高知ではシンニョウダケとも呼ばれる』。以下、「変種・品種」の項で十種が挙げられてあるが、省略する。]

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