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2024/11/15

和漢三才圖會卷第八十五 寓木類 附 苞木類 暴節竹

 

Hoteitiku

 

こさんちく  虎攅竹【俗】

暴節竹

 

 

[やぶちゃん注:項目標題部の以上の「暴」は「グリフウィキ」のこれだが、表示出来ないので、通常の「暴」とした。本文では「暴」である。]

 

本綱暴節竹出蜀中【今之四川】高節𥗼砢卽筇竹也

△按出於日向佐渡原有名虎攅竹者高五六尺其葉小

 自根上一尺許閒有節七八數𥗬砢甚奇也卽筇竹良

[やぶちゃん字注:後で良安が言っているが、「𥗼」と「𥗬」は別字である。]

 恨稍瘦細性不勁是所謂暴節竹乎【𥗬本作磊𥗬砢衆石貌也𥗼當作𥗬】

 

   *

 

こさんちく  虎攅竹【俗。】。

暴節竹

 

 

「本綱」に曰はく、『暴節竹は蜀中』【今の四川。】『に出づ。高≪き≫節≪にして≫、𥗼砢《くれぐれ》[やぶちゃん注:ゴツゴツとして曲がっていること。]なり。卽ち、「筇竹(つえ《だけ》)」なり。』≪と≫。

△按ずるに、日向≪の≫佐渡原《さどわら》より出《いづ》る「虎攅竹(こさん《ちく》)」と名づくる者、有り。高さ、五、六尺。其の葉、小《ちいさく》、根より上、一尺許《ばかり》の閒《あひだ》、節、有り、七、八數《しち、やかず》、𥗬砢《くれぐれ》≪として≫甚だ奇なり。卽ち筇竹(つへ《たけ》[やぶちゃん注:ママ。「杖(つゑ)竹」。])に良し。恨《うらむ》らくは、稍《やや》、瘦細《さうさい》して、性、勁《つよ》からざることを。是れ、所-謂《いはゆ》る、「暴節竹」か【「𥗬《ライ》」は、本《もと》、「磊《ライ》」に作る。「𥗬砢」は衆石《しゆせき》の貌《ばう》なり[やぶちゃん注:東洋文庫訳では、『一般的な石の貌(さま)である』とある。]「𥗼」は、當に「𥗬」に作るべし。】。

 

[やぶちゃん注:先行する「竹」で、私は、これに、『マダケ属ホテイチク Phyllostachys aurea を挙げたい』とし、当該ウィキ『にある「ホテイチクの根元付近の稈」の画像は「暴節」「𥗼阿」と言うに相応しくはなかろうか?』と述べた。而して、この挿絵を見るに、やはり、ホテイチク(布袋竹)であると断定するものである。そこで、複数の引用をしたので、ここでは繰り返さないから、そちらを見られたい。

 「本草綱目」の引用は、基本、「漢籍リポジトリ」の「卷三十七」の中で続く「木之五」の「苞木類」の「竹」の「集解」の[090-20b]の部分引用である。

「筇竹(つえ《だけ》)」この「筇」(音「キヨウ(キョウ)」は中国語で、古書に「つえに用いられる竹」の意である。

「日向≪の≫佐渡原」現在の宮崎県宮崎市佐土原町(さどわらちょう:旧宮崎郡佐渡原町。グーグル・マップ・データ)。

「虎攅竹(こさん《ちく》)」良安先生、大正解です! これは、植物「ホテイチク」の異名です。学名は、Phyllostachys aurea で、原産は、中国の長江流域、又は、浙江省・福建省の山地とされ、黄河以南の山野に分布する。また、ベトナムでは、バックカン省などの北部にも分布する。本邦や台湾などにも移入されて自生化しています。個人ブログ「宮崎の食を楽しむ」の「布袋竹(ホテイチク)(通称:コサンダケ)をいただきました」に、『もともとは長江流域が原産の外来種というのが意外なほど、日本の風土や景観にマッチしていますね』。『コサンダケ(小桟竹・虎山竹・五三竹)の名前は、主に南九州での通称だそうで』すとされ、『短く詰まった節の間がぽっこり膨らんでいる特徴が「布袋様のお腹を彷彿とさせる」ところからホテイチクという名称がついたとのこと』。『アク抜きの必要がないほど手間いらずの食材で、ありがたい限りです。』とあった。

『「𥗬《ライ》」は、本《もと》、「磊《ライ》」に作る。「𥗬砢」は衆石《しゆせき》の貌《ばう》なり。「𥗼」は、當に「𥗬」に作るべし』良安先生、これは鬼の首を獲ったようにおっしゃっておられますが、残念ですねぇ、違います。「𥗬」は「石がごろごろしているさま」で、「磊」と同義であり(別に「大きな石がごろごろと折り重なっているさま」の意もある)、「𥗼」も、「石がごろごろと折り重なっているさま」であって、「𥗬」と同義ですよ。

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