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2024/11/01

「和漢三才圖會」植物部 卷第八十四 灌木類 白丁花

 

Hakutyouge

 

はくちやうけ 俗稱

 

白丁花

      【花白而微有

       丁香之氣故

       俗名之】

 

 

△按白丁花小樹高二三尺枝莖勁葉似狗黃楊葉四月

 開小白花大三分許一種有千葉者折枝莖寸寸揷之

 能活叢生爲墻籬際限人家檐滴下植之

[やぶちゃん字注:「墻」は、原本では、「グリフウィキ」のこれに最も近い(但し、下方の「面」が「靣」の字体)であるが、表示出来ないので、一般的な「墻」とした。]

 

   *

 

はくちやうげ 俗稱。

 

白丁花

      【花、白≪くして≫、微《やや》、

       「丁香《ちやうかう》」の氣《かざ》、

       有り。故、俗、之れを名づく。】

 

 

△按ずるに、白丁花、小樹≪にして≫、高さ、二、三尺。枝・莖、勁《つよく》、葉、「狗黃楊《いぬつげ》」の葉に似《にる》。四月、小白花《しやうはくくわ》を開く。大いさ、三分[やぶちゃん注:六・一~九・一ミリメートル。]許《ばかり》。一種、千葉《やへ》の者、有り。枝・莖を折《をり》て、寸寸《すんずん》にして[やぶちゃん注:一寸(三センチメートル)ぐらいに断って。]、之れを揷(さ)し《✕→せば》、能《よく》、活《かつ》へ[やぶちゃん注:ママ。]、叢生《さうせい》して、墻-籬《かきね》≪の≫際限を爲《な》し、人家の檐-滴(あまだれ)の下に、之れを植《うう》。

 

[やぶちゃん注:「白丁花」は、

双子葉植物綱リンドウ目アカネ(茜)科アカネ亜科ヤイトバナ(灸花)連ハクチョウゲ属ハクチョウゲ Serissa japonica

である。当該ウィキを引く(注記号はカットした)。漢字表記は別に『六月雪』がある。『ハクチョウゲという和名の由来は、その花が丁字型の白い花を付けるところから、白い丁字花という意味で名付けられている。「白鳥花」と書かれる場合もあるが、この場合は』、鳥の種群の『白鳥』類『とは関係がなく』、『単なる当て字である。中国名は「六月雪」』。『原産地は東南アジア。日本の沖縄、中国、台湾、インドシナ半島、タイに分布する』。『常緑広葉樹の小低木。樹高は』〇・五~一『メートルほどで、よく枝分かれする。葉は揉むと悪臭を放つ。花期は』五~七『月頃であるが、西日本の暖地では秋の気候の良い時期にも開花することがある。日本では、ふつう果実は出来ない』。『緑葉の基本種で薄い藤色の一重花、緑葉で純白色の一重花、一般的な覆輪斑入りの物も、白花と藤色花の個体が散見される。また、白花個体の中から選抜されたポンポン咲きもあり、この品種はカスミソウのように沢山花をつける。英国では 'Flore Pleno''Kyoto''Mount Fuji''Variegata''Variegata Pink' などといった園芸品種名の付けられた選抜個体がある。なお、日本国内の個体との相関関係は不明。紫色の花をつけるシチョウゲ』(紫丁花:アカネ亜科ヘクソカズラ連シチョウゲ属シチョウゲ Leptodermis pulchella )『は、ハクチョウゲの近縁種である』。『強い刈り込みにもよく耐え、細かい枝が容易に分岐し、病虫害にも耐性があり、生垣や庭木として利用されている。また、造園での修景用緑化灌木・盆栽・園芸などで扱われる。挿し木で繁殖させることが容易な部類に入る。刈り込み仕立てが普通だが、自然樹形仕立てにすることもある』。『ハクチョウゲ属( Serissa )はキュー植物園』(Kew Gardens:イギリスのロンドン南西部のキューにある王立植物園)『が携わるデータベースである Govaerts 2019)によれば』、『ハクチョウゲただ』一『種のみが認められているが、Govaerts がハクチョウゲのシノニムの一つとしているシナハクチョウゲ Serissa serissoides (DC.) Druce を独立した種と認める場合がある』。『庭木や盆栽としてよく栽培されるので色々な品種が存在する』として、以下に四品種が紹介されてある(学名は独自に調べたが、フタエザキハクチョウゲは学名を見出せなった)。

○フイリハクチョウゲ Serissa japonica 'Variegata'(『葉に模様が入る』)

○ヤエハクチョウ Serissa japonica 'Flore Pleno'(『八重咲き種』)

○フタエザキハクチョウゲ(『花が二重』)

○ダンチョウゲSerissa japonica cv. Dancyouge(変種としてSerissa japonica var. crassiramea ともする)(『節が詰まり、葉が密に重なり合う』)]

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