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2024/11/20

和漢三才圖會卷第八十五 寓木類 附 苞木類 棘竹

 

Sitiku

 

いばらたけ  ※竹

 

棘竹    【※字未詳疑

        竻乎竻卽筋

        本字也】

 

ラツ チヨツ

 

[やぶちゃん字注:「※」=(たけかんむり)+「刀」。良安は割注で疑義を述べているが、少なくとも、「漢籍リポジトリ」版の「本草綱目」の「卷三十七」の「木之五」の「苞木類」の「竹」の「集解」の[090-21a]の二行目に出るそれは、「※」ではなく、「竻」となっている。東洋文庫訳もこの字体である。但し、この割注があるからには、訓読文で「竻」にするわけにはいかないので、ママとする。]

 

本草棘竹是乃竹別種芒棘森然大者圍二尺可以禦盗

賊

[やぶちゃん字注:「芒」は原本では、「亡」の中央に「メ」の二画が入っているものだが、そのような異体字は存在しない。東洋文庫でも、国立国会図書館デジタルコレクションの中近堂版でも、「芒」とする。ところが、同前の「本草綱目」を見ると(「漢籍リポジトリ」版の[090-21a]以下の二行目に画像の嵌め込みで)、「𦬆」となっており、この漢字は音「バウ(ボウ)」で、訓で「のぎ」「けさき」「くらい」「つかれる」「すすき」といった訓があり、意味には「イネ科の植物の先端にあるとげ」の意があって、躓かずに読めるので、これで示した。]


人面竹

五雜組云其竹紋一覆一仰如畫人面然

[やぶちゃん注:「畫」は、原本では、下部の四角の中が「メ」になっている「グリフウィキ」のこの「畫」の異体字だが、表示出来ないので、「畫」とした。]

△按人面竹未曽見之棘竹希有之然小竹而未見大者

 

   *

 

いばらたけ  ※竹

 

棘竹    【「※」の字、未だ、詳かならず、

        疑ふらくは、「竻」か。「竻」は、

        卽ち、「筋」の本字なり。】

 

ラツ チヨツ

 

[やぶちゃん字注:「芒」は原本では、「亡」の中央に「メ」の二画が入っているものだが、そのような異体字は存在しない。東洋文庫でも、国立国会図書館デジタルコレクションの中近堂版でも、「芒」とする。ところが、同然の「本草綱目」を見ると([090-21a]以下の二行目に画像の嵌め込みで)、「𦬆」となっており、この漢字は「のぎ」「けさき」「くらい」「つかれる」「すすき」といった訓があり、意味には「イネ科の植物の先端にあるとげ」の意があって、躓かずに読めるので、これで示した。]

「本草綱目」に曰はく、『棘竹は、是《これ》、乃《すなは》ち、竹の別種≪なり≫。芒-棘《のぎのとがり[やぶちゃん注:東洋文庫訳のルビをそのまま採用した。]》、森然《しんぜん》として[やぶちゃん注:樹木が、こんもりと茂ったさま。]、大なる者、圍《まはり》二尺。以《もつて》、盗賊を禦(ふせ)ぐ。』≪と≫。


人面竹(にんめんちく)

「五雜組」に云はく、『其≪の≫竹の紋、一つは、覆(うつふ)き、一つは、仰(あをむ)き、人面を畫《ゑがく》がごとく、然《しか》り。』≪と≫。

△按ずるに、人面竹、未だ、曽《かつ》て、之れを見ず。棘竹《いらたけ》、希れに、之れ、有り。然れども、小竹《こたけ》にて、未だ、大なる者を見ず。

 

[やぶちゃん注:これは、

ホウライチク属シチク(刺竹)Bambusa spinosa(シノニム:Bambusa blumeana f.・Bambusa stenostachya )

と思われる。邦文の解説的記載は殆んどないので、英文の同種のウィキを見るしかない。それによれば、『「棘のある竹」とも呼ばれ、この点ではBambusa bambos』(南アジア(インド・バングラデシュ・スリランカ・インドシナ半島)原産の群生竹の一種)『と混同されることもあるが、熱帯アジアに植生する群生竹の一種である』。『稈は、長さが、最大で二十五メートルに達し、『僅かに弓状になっている。茎の基部は最大十五センチメートルの太さで、稈の筒の厚さは二~三センチメートルだが、中実の場合もある。茎は、節で区切られた幾つかの短い部分から構成される。主枝は茎の上部半分に生じ、下部の枝は細く、棘がある。葉は互生し、披針形で長さは最大二十センチメートルで、節ごとに一枚ずつ生え、葉の下部は茎を包んでいる』。『本種の原産地は不明だが、インドネシアとボルネオが原産地だった可能性がある。現在の分布域はフィリピン・タイ・ベトナム・中国南部』(☜・☞)『日本にまで及ぶ。また、マダガスカル・グアムや、その他のインド太平洋諸島にも導入されている。自然の生息地は、標高約三百メートルまでの丘陵・谷底・川岸で、絡み合った茂みを形成する。酸性土壌・粘土質土壌や、時折り発生する洪水には耐えるが、塩分を多く含む土壌には耐えられない』。『筍は、地面から最初に出てくる際に収穫され、茹でて野菜として食べられ』、また、『畑の間の生垣、農家の周りの防風林、川岸の浸食を防止に植栽される』。材は『棒』と成し、『軽量の足場としては役立つが、建物の仕様材としては耐久性が足りない。他の用途には、バスケット作り・家具製造・寄木細工・玩具・箸・台所用品などがある。この竹は』竹類の別種『 Dendrocalamus asperの茎とともに、紙を作るのに使用される竹パルプの主な供給源である』。『本種は観賞用植物として栽培されることもある。種子から繁殖することも可能だが、この植物は数年に一度しか、花を咲かないため、種子が入手出来ないことが多い。新芽が伸び始めたら、株分けしたり、茎を切って、挿し木として利用したりすることが可能である』といったことが記されてある。

「人面竹(じんめんちく)」『「五雜組」に云はく、『其≪の≫竹の紋、一つは、覆(うつふ)き、一つは、仰(あをむ)き、人面を畫《ゑがく》がごとく、然《しか》り。』』「五雜組」は既出既注。以下は「卷十」の「物部二」の一節。「維基文庫」の電子化されたここにあるものを参考に示しておく(表記に手を加えた)。

   *

「竹譜」曰、「竹之類六十有一。」。余在江南、目之所見者、已不下三十種矣。毛竹最鉅。支提、武夷中有大如斗者。太姥玉壺庵、竹生深坑中、乃與崖上松栝齊稍、計高二十餘丈。其最奇者、有人面竹、其節紋一覆一仰、如畫人面然。又有黃金間碧玉竹,其節一黃一碧、正直如界然。有奯竹、見「雪峰語錄」。今雪峰有之、其它不可殫紀也。

   *

「竹譜」は東洋文庫の書名注に、『一巻。晋の戴凱之(たいがいし)撰。七〇余の竹類をとりあげ、四言の韻語をもって叙述してある。』とある。作者は南北朝劉宋の植物学者である。「漢籍リポジトリ」のここで、「欽定四庫全書」の「子部九」から、一巻総てが視認出来る。私は、これ、反射的に、竹の稈の枝下部分の節間が、交互に膨れており、節が斜めとなっている、特徴的なマダケ属モウソウチク品種(突然変異)キッコウチク(亀甲竹)Phyllostachys heterocycla f. heterocycla であろうと思った。当該ウィキのここと、ここの画像を見られよ。子どもの頃の僕なら、ゼッタイ! 顔を書き入れるゼ! 因みに、そこには、『キッコウチクの別名にブツメンチク(仏面竹)』(☜!)『があるが、これを隆起が大きい別品種として区別する場合がある(そのときの学名はPhyllostachys heterocycla f. subcombexa Miatsum )』ともあった。

「棘竹《いらたけ》、希れに、之れ、有り。然れども、小竹《こたけ》にて、未だ、大なる者を見ず」Bambusa spinosa が、和名がないから、江戸時代に移入されてあった可能性はないから、これはそれではない。中国原産であるが、私の考える候補種は、タケ亜科カンチク(寒竹)属シホウチク Chimonobambusa quadrangularis か、その品種である。当該ウィキを引く。漢字名『四方竹』。『中国原産の多年生常緑竹。四角形の稈が特徴的な植物で、和風庭園や建物周り、生垣に利用される。また、タケノコは珍味として食される。別名シカクダケ、イボダケ』。『一般のタケ類は円柱形の茎をもっているが、シホウチクは鈍四稜形の茎を有する。 高さ』二~七メートル『で』、(☞)『竹稈下部の節のすぐ上には』、『触ると痛いいぼ状の突起(気根)があり』(☜)、『伸びると』、『根となる。葉が』、『細く下に垂れる。タケノコは秋から冬に生えてくるので、日本においては』、『枝を出さずに越年し、春』、『暖くなったときに枝を広げる。鉢植えでも栽培でき、移植が容易。寒さにやや弱く、東北地方以北での植え付けには適さない』とある。丈けも竹としては、低く、肬状突起は、画像を見るに(サイト「庭木図鑑植木ペディア」の「シホウチク」の見よ)、まさしく「トゲ」である。]

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