「和漢三才圖會」植物部 卷第八十五 目録(寓木類・苞木(竹之類)・樹竹之用)・茯苓
[やぶちゃん注:底本・凡例その他は、初回を参照されたい。「目録」の読みはママである。本文同様、濁点落ち・歴史的仮名遣の誤りが多いが、ここでは指摘しない。]
和漢三才圖會卷第八十五目録
卷之 八十五
寓木類
茯苓(ぶくりやう)
琥珀(こはく)
猪苓(ちよれい)
雷丸(らいぐはん)
桑寄生(さうきせい)
占斯(くすのきのやとりき)
紫稍花(ししやうくは)
苞木 竹之類
竹(たけ)
竹瀝(ちくれき)
[やぶちゃん注:本文では、ここに「竹葉(たけのは)」の附属項がある。]
竹筎(ちくじよ) 【あまはた】
[やぶちゃん注:本文では、ここに「竹實(たけのみ)」の附属項がある。]
[やぶちゃん注:本文では、その「竹實」の後に「仙人杖(たけのこのとまり)」の附属項がある。]
[やぶちゃん注:本文では、その「仙人杖」の後に「筍(たけのこ)」の附属項がある。]
籜(たけのかは)
竹黃(ちくわう)
䇞竹(くれたけ)
紫竹(しちく)
暴節竹(こさんちく)
百葉竹(ひやくえふちく)
銀明竹(きんめいちく)
雙岐竹(ふたまたたけ)
筱竹(しのたけ)
虎彪竹(とらふたけ)
鳳尾竹(ほうびちく)
箆竹(やのたけ)
篠(さゝ)
棘竹(いばらたけ)
人面竹(にんめんちく)
椶竹(しゆろうちく)
樹竹之用
樹(うへき) 【枝 葉】
節
和漢三才圖會卷第八十五
寓木類 【附苞木類
卽竹之類也】
[やぶちゃん注:割注はここで訓読しておく。「附《つけ》たり 苞木類。卽ち、竹の類《るゐ》なり。」。]
ぶくりやう 伏靈 伏兎
不死麪 松腴
茯苓 抱根者
名伏神
唐音
ホツリン
本綱茯苓出大松下附根而生無苗葉花實作塊如拳在
土底大者至數斤有赤白二種或云松脂變成或云假松
氣而生今見之古松久爲人斬伐其枯折槎枿枝葉不復
[やぶちゃん注:「枿」は「切り株」の意。「株」とは別字。]
上生者謂之茯苓撥卽于四靣𠀋餘地內以鐵頭錐刺地
如自作塊不附着根其抱根靣輕虛者爲伏神則假氣生
者外皮黒而細皺內堅白形如鳥獸龜鱉者良性無朽蛀
埋地中三十年猶色理無異也下有茯苓則上有靈氣如
𮈔之形
茯苓【淡甘温】 浮而升陽也 赤者瀉也入氣分 白者補
也入血分其用有五利小便也【一ツ】開腠理【二ツ】生津液
【三ツ】除虛熱也【四ツ】止潟也【五ツ】伹陰虛者可斟酌
雖利小便不走氣淡滲之藥俱皆上行而下降非直
下行也【惡白斂畏地楡雄黃秦芃龜甲】忌米醋及酸物
茯苓皮 治水腫膚脹開水道開腠理
茯神【抱根者也】 治風眩驚悸多恚怒善忘開心益智安魂魄
△按倭之茯苓𠙚𠙚皆多防州土州讃州豫州及和州吉
野紀州熊野皆佳最松下有而草山亦有掘葛蕨者時
得之有茯苓中抱蕨根者謂之蕨茯苓
赤茯苓真者難多得也多外白內赤此未乾者收櫃故
變色然耳皆輕虛者不宜今藥肆去皮切片以販之
*
ぶくりやう 伏靈《ぶくりやう》 伏兎《ぶくと》
不死麪《ふしめん》 松腴《しようゆ》
茯苓 根を抱《いだ》く者、「伏神」と名づく。
唐音
ホツリン
「本綱」に曰はく、『茯苓は、大松の下に出づ。根に附《つき》て、生ず。苗・葉・花・實、無く、塊(かたまり)を作《なし》、拳(こぶし)のごとく、土の底に在《あり》。大なる者、數斤《すきん》[やぶちゃん注:明代の一斤は五百九十二・八二グラムであるが、一般に私は「数~」の場合、六掛けするが、それでは、ちょっと重過ぎる。生薬サイトでは、二百グラムから二キログラムとあるので、三掛けで一・八キログラム強ととっておく。]に至る。赤・白の二種、有り。或いは、云はく、「松脂《まつやに》≪の≫、變成す。」、或いは、云はく、「松の氣《き》を假《かり》て生ず。」と。今、之れを見るに、古松、久《ひさしく》して、人の爲めに、斬-伐(き)られて、其《それ》、枯折《かれをれ》、槎-枿(きりかぶ)・枝葉、復《ふた》たび、上《のぼ》り生ぜざる者を、之れ、「茯苓の撥(いかだ)」[やぶちゃん注:「撥」には「棹さす・舟をやる」の意があるので、良安が当て訓したものか。しかし、私は「松の根の変成したもの」としての動詞としての「醸した(もの)」の意、或いは、形状から、楽器の「撥(ばち)」の意のように思われるが、如何?]と謂ふ。卽ち、四靣、𠀋餘《あまり》の地內に于《おい》て、以つて、鐵≪の≫頭《かしら》≪の≫錐(きり)を、地に刺《さし》、如《も》し、自《おのづか》ら塊《かたまり》を作《なし》、根に附-着(つ)かずして、其の根を抱《いだ》く、靣《つら》の輕虛なる者、「伏神」と爲す。則ち、氣を假《かり》て、生ず。者なり。外皮、黒《くろく》して、細《こまか》なる皺(しわ[やぶちゃん注:ママ。])あり。內、堅≪く≫、白《しろく》して、形、鳥獸《てうじう》・龜鱉《きべつ》[やぶちゃん注:カメ・スッポン。]のごときなる者、良し。性、朽-蛀(むしい)ること、無し。地中に埋《うづ》むこと、三十年、猶を[やぶちゃん注:ママ。]、色・理《すぢ》、異なること、無きなり。下に、茯苓、有れば、則ち、上に、靈氣《れいき》、有りて、𮈔の形のごとし。』≪と≫。
『茯苓【淡甘、温。】』『浮≪きて≫升《のぼ》る、「陽」なり。赤き者は、「瀉《しや》」なり。氣分に入《い》り』、『白き者は、「補《ほ》」なり。血分に入る。其の用、五つ、有り。小便を利するなり。』【一ツ。】。『腠理《そうり》[やぶちゃん注:皮膚の肌理(きめ)。]を開く。』【二ツ。】。『津液《しんえき》を生《しやう》ず。』【三ツ。】。『虛熱を除くなり。』【四ツ。】。『瀉を止≪むる≫なり。』【五ツ。】。『伹《ただし》、陰虛の者には、斟酌すべし。』≪と≫。
『小便を利すると雖も、氣に走らず。淡《あは》≪き≫滲《しん》の[やぶちゃん注:かすかに有効成分が滲出するところの。]藥にして、俱に、皆、上行《じやうかう》して、而≪して≫、下降す。直(《ちよ》く)に≪は≫下行するに非ざるなり【「白斂《びやくれん》」を惡《い》み、「地楡《ぢゆ》」・「雄黃《ゆうわう》」・「秦芃《じんぎやう》」・「龜甲」を畏《おそ》る。】。米の醋《す》、及び酸≪の≫物を、忌む。』≪と≫。
『茯苓皮』 『水腫膚脹を治す。水道を開き、腠理を開く。』≪と≫。
『茯神【根を抱≪く≫者なり。】』は、『風眩《めまい》・驚悸《きやうき》[やぶちゃん注:心臓機能が不安定で、驚くと、動悸が昂(たかぶ)る症状を指す。]、多く、恚怒《いど》[やぶちゃん注:病的な怒り方。]、善《よ》く忘≪れするを≫治す。心を開《ひらき》、智を益し、魂魄を安んず。』≪と≫。
△按ずるに、倭の「茯苓」、𠙚𠙚、皆、多し。防州・土州・讃州・豫州、及び、和州・吉野・紀州・熊野、皆、佳し。最も[やぶちゃん注:多くのものは。]松の下に有りて《✕→るも》、草山《くさやま》にも、亦、有り。葛(くづ)・蕨(わらび)を掘る者、時に、之れを得。茯苓の中に蕨の根を抱く者、有り、之れを「蕨茯苓」と謂ふ。
「赤茯苓」の真なる者、多≪くは≫得難し。多《おほく》は、外、白、內、赤し。此れは、未だ乾かざる者≪なれば≫、櫃《ひつ》に收むる。故《ゆゑ》に、色を變じて、然《しか》るのみ。皆、輕虛なる者、宜しからず。今、藥肆《やくし》に、皮を去《さり》、切片(《きり》へ)ぎて、以つて、之れを、販《うる》。
[やぶちゃん注:茯苓は、「寓木」(グウボク:この場合は、「木に宿る」の意で、寄生する生物群を総称する謂いであり、木本植物の名称ではない。しかし、外形から分類する古典的博物学の在り方として、次項の「琥珀」を含めて興味深い。但し、「寓木」を「やどりぎ」と訓じた場合は、双子葉植物綱ビャクダン目ビャクダン科ヤドリギ属ヤドリギ Viscum album を指すが、ここでは、無関係である。ヤドリギの中文名は「槲寄生」であり、本巻の後で、「桑寄生」及び「占斯」という名で立項されてある)は、
菌界担子菌門真正担子菌綱ヒダナシタケ目サルノコシカケ科ウォルフィポリア属マツホド(松塊) Wolfiporia extensa
である。アカマツ(球果植物門マツ綱マツ目マツ科マツ属アカマツ Pinus densiflora )・クロマツ(マツ属クロマツ Pinus thunbergii )等のマツ属 Pinus の植物の根に寄生する。詳しくは、私の「三州奇談卷之二 切通の茯苓」の冒頭注で当該ウィキを引いてあるので、そちらを見られたい。因みに、「苓」の字は、「リヤウ(リョウ)」が呉音で、「レイ」が漢音である。
「本草綱目」の引用は、「漢籍リポジトリ」の「卷三十七」の「木之四」「寓木類」の筆頭にある非常に長い「茯苓」のパッチワークである。
「白斂《びやくれん》」「白蘞」のことであろう。ブドウ目ブドウ科アンペロシッサス属Ampelocissusカガミグサ Ampelopsis japonica 。「熊本大学薬学部薬用植物園」公式サイト内の「植物データベース」の「ブドウ科Vitaceae」「カガミグサ」に(ピリオド・コンマを句読点に代えた)、『中国原産で、日本には享保年間に渡来した』。『落葉蔓性木本。根は塊状に肥厚し、紡錘形になり』、『数個束生する。葉は互生し、掌状に』三~五『全裂して長さ約』十センチメートル、『裂片は楔形で通常粗鋸歯縁。葉と対生する巻きひげがあり、他の物に絡みつく。淡黄色の小型の両性花を多数、葉と対生する集散花序に付ける』。『解熱、解毒、鎮痛、消炎作用があり、発熱、各種のできもの、打撲傷、熱湯による火傷などに服用するか、粉末を水で練って患部に塗布する』。『江戸時代は花屋に出回るほど』、『栽培が普及していた』とある(画像有り)。同一種ではないものの、白っぽい蔓植物を意味する語として、「日本書紀」に、少彦名命(すくなびこなのみこと)が乗る舟が、「白蘞皮(かがみのかは)」で造ってあったと出る。私の『「續南方隨筆」正規表現版オリジナル注附 「話俗隨筆」パート 母衣』を見られたい。
「地楡《ぢゆ》」バラ目バラ科バラ亜科ワレモコウ(吾亦紅)Sanguisorba officinalis。ウィキの「ワレモコウ」によれば、『草地に生える多年生草本。地下茎は太くて短い。根出葉は長い柄があり、羽状複葉、小葉は細長い楕円形、細かい鋸歯がある。秋に茎を伸ばし、その先に穂状の可憐な花をつける。穂は短く楕円形につまり、暗紅色に色づく』。『「ワレモコウ」の漢字表記には吾亦紅の他に我吾紅、吾木香、我毛紅などがある。このようになったのは諸説があるが、一説によると、「われもこうありたい」とはかない思いをこめて名づけられたという。また、命名するときに、赤黒いこの花はなに色だろうか、と論議があり、その時みなそれぞれに茶色、こげ茶、紫などと言い張った。そのとき、選者に、どこからか「いや、私は断じて紅ですよ」と言うのが聞こえた。選者は「花が自分で言っているのだから間違いない、われも紅とする」で「我亦紅」となったという説もある』。当否は別としてこれ、命名説としては素敵に神がかっていて面白い。『別名に酸赭、山棗参、黄瓜香、豬人參、血箭草、馬軟棗、山紅棗根などがある』。また、根は地楡(ちゆ:中国語。ディーユー dìyú)『という生薬でタンニンやサポニン多くを含み、天日乾燥すれば収斂薬になり止血や火傷、湿疹の治療に用いられる。漢方では清肺湯(せいはいとう)、槐角丸(かいかくがん)などに配合されている』ともある。
「雄黃《ゆうわう》」「牛黃圓」に同じ。牛の胆嚢に生ずるとされる黄褐色の胆石である牛黄を主剤としたを丸薬。
「秦芃《じんぎやう》」「株式会社 ウチダ和漢薬」公式サイト内の「生薬の玉手箱 」の「ジンギョウ(秦艽)」によれば(ピリオド・コンマの一部を句読点に代えた)、基原植物をリンドウ目『リンドウ科(Gentianaceae)』リドウ連Gentianeaeリンドウ属『の Gentiana macrophylla Pall., G. straminea Maxim., G. crassicaulis Duthie ex Burkill, G. dafurica Fisch. などの根を乾燥したもの』とし、『秦艽は』、「中華人民共和国薬典」(二〇一〇年版)『では Gentiana 属植物』四『種類の根を規定しています。秦艽は外部形態の違いにより大きく』三『種類、すなわち秦艽、麻花艽、小秦艽に分けられています。秦艽および麻花艽はG. macrophylla、G. straminea、G.crassicaulisに由来し、小秦艽はG. dafuricaに由来します。秦艽は長さ』十~三十『センチ、直径』一~三『センチで円柱形の主根、小秦艽は長さ』八~十五『センチ、直径』〇・二~一『センチで』、『円錐または円柱形の主根からなる生薬です。麻花艽は数本の小さい根が』「麻花」『(中国の油で揚げたねじれたお菓子)』『のようにまとまってねじれています。 これら原植物は日本に分布していませんが、日本では中国からの輸入品を使用しています』。『秦艽という名称について』、「新修本草」には『秦艽は俗に秦膠と書く。もとは秦糺といったもので、糺は糾と同字である』『とあり、関連して』、「本草綱目」では、『秦艽は秦地方から出るもので、その根は羅紋の交糾したものを良品とするところから秦艽、秦糾と名付けた』『とあります』。『原植物について』、「圖經本草」に、『今は河陝(山西省および陝西省)の州郡に多くい。その根は土黄色で相交糾し、長さは一尺くらいで、太いもの細いもの一定しない。草高は五、六寸で、葉は婆娑(バサ;根出葉の多い)として茎梗に連なり、皆青くて萵苣(ワキョ;チシャのこと)の葉のようだ。六月中に葛の花のような紫の花を開き、その月の内に子を結ぶ。毎春、秋に根を採って陰乾する』『とあります。これらの記載から Gentiana 属植物であることがわかります』。『産地について、G. macrophyllaに由来するものは甘粛省産が多く、品質も良いとされています。その他、四川省、陝西省、新疆ウイグル自治区などに産します。G. dafuricaに由来するものは山西省、河北省を中心に、その他甘粛省、青海省、四川省、新疆ウイグル自治区に産します』。「中華人民共和国薬典」『に規定されている原植物以外に由来する生薬もあります。四川省産は G, dendrologi 、山西省産は G. fetisowi 、陝西省、甘粛省、寧夏回族自治区産は G. wutaiensis 、チベット自治区産は G. tibetica などです。内モンゴル自治区産の「大艽」、「黒大艽」と称する生薬は』、キンポウゲ目『キンポウゲ科のAconitum umbrosum、A. sibiricum などで、韓国産の秦艽もレイジンソウ』(伶人草)『A. loczyanumです。いずれも根がねじれている、という点でリンドウ科由来のものと共通しています』。『かつて日本市場でもAconitum属に由来するものが流通していました』。「本草綱目啓蒙」『には』、『漢渡あり、根肥大にして黃白色左ねじ右ねじあり、又枝分れてねじれ其末合して一本となりねじれたるものあり、本根內は空しくして外のみ網の如くなりて末ねじれたるもあり、これを羅紋交糾と云』『とあり、続けて』、『享保年中朝鮮の秦艽の苗來る』。『其後』、『種を傳て』、『今』、『多くあり』。『葉は毛莨』(キンポウゲ科キンポウゲ属ウマノアシガタ変種ウマノアシガタ Ranunculus grandis var. grandis )『の葉に似て』、『毛』、『なし』。『一根に叢生す、方莖直立して』、『葉』、『互生し、淡黃花を開く』。『形』、『烏頭花に似て小し、根黄色にして形ねじれたり、此草は城州の北山及野州・信州に多し、花淡紫色なり、又』、黃『白花もあり、種樹家にて伶人草と云』、……『朝鮮種のもの』、『眞の秦艽に非ず』『とあります。すなわちGentiana属およびAconitum属に由来するもの共に存在したことが記載され、さらに前者が正品であることを認識していました』。『薬効について』「本草綱目」には』、『秦艽は手、足の陽明経の薬で、兼ねて肝、胆に入る。故に手、足不遂、黄疸、煩渇の病に用いるのは、陽明の湿熱を去るのが主たる目的である。陽明に湿があれば身体が酸疼し煩熱し、熱があれば日哺に潮熱し骨蒸するものだ』『とあります。漢方では、祛風湿・清虚熱・退黄の効能があり、リウマチなどによる関節痛や筋肉の痛み、痙攣、結核などによる虚熱、黄疸、小便不利などに用いられます』。『秦艽は日本では使用頻度があまり多くありません。冒頭で記載したように、異物同名生薬が存在することも大きな理由だと思われます。今後研究が進み、品質の差異が明確になれば、より使い易い生薬になることと思います』とあった。
「蕨茯苓」不詳。
「赤茯苓」「株式会社 栃本天海堂」の金沢大学薬学部教授御影雅幸氏の「茯苓の産地を訪ねて~ 1 ~」に(コンマを読点に代えた)、『中国では茯苓の栽培が行なわれていることは周知の事実である』。『日本でも試みられてきたが、中国産の菌糸を使えば可能であるが、日本産の菌糸では満足に菌核が生じてくれないことが判っている』。『最近ではDNA塩基配列も調査したが、現時点では中国産と日本産に決定的な違いが見つかっていない。しかし、ご存知のように、中国産と日本産では明らかに断面の色が異なる。中国産は白く、日本産や北朝鮮産は』、『やや赤みがある。筆者は』、『この色が』、『いわゆる白茯苓と赤茯苓』(☜)『の相違であると考えている。本来』、『使い分けられるべき両者であれば』、『赤茯苓の栽培も必要であろう』とあったので、現時点では、同一種の個体変異ということであろう。]
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