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« 茅野蕭々譯「リルケ詩抄」正規表現版「舊詩集」 (我々の夢は大理石の兜、……:序詩)・(高臺にはなほ日ざしがある。……)・(これは私が自分を見出す時間だ。……)・(夕ぐれは私の書物。花緞子の、……)・(屢〻臆病に身震ひして、私は……)・(そして我々の最初の沈默はかうだ。……)・(しかし夕ぐれは重くなる。……)・(私は人間の言葉を恐れる。……)・(誰が私に言ひ得る。……) / 「舊詩集」~了 | トップページ | 茅野蕭々譯「リルケ詩抄」正規表現版「形象篇」「第一卷」 「少女の憂鬱」 »

2025/01/20

茅野蕭々譯「リルケ詩抄」正規表現版「形象篇」「第一卷」 「四月から」

 

 

   形 象 篇

 

 

   第 一 卷

 

 

 四月から

 

再び森はにほふ。

浮き漂ふ雲雀の群は、

我々の肩に重かつた空を持上げ、

木の枝を透かして人はなほ空虛だつた日を見たが、――

長い雨の午後の後に

 黃金に日の照らした

 新らしい時間が來る。

それを避けて逃げながら、遠い家並の前面の傷いた總べての窗は、

臆病に翼扉をはためかす。

 

やがてそれも靜まり、雨さヘ一層靜に

鋪石の穩かに暮れてゆく輝きの上を步き、

すべての騷音は、小枝にひかる

莟の中へすつかりもぐり込む。

 

[やぶちゃん注:「雲雀」ドイツ語の同種のウィキを見る限り、タイプ種であるスズメ目スズメ亜目ヒバリ科ヒバリ属ヒバリ Alauda arvensis で、よい。博物誌、及び、本邦の分布種は、私の「和漢三才圖會第四十二 原禽類 鷚(ひばり) (ヒバリ)」を見られたい。

「窗」は「窓」の異体字。

「翼扉」見かけない熟語だが、「よくひ」でよかろう。ここは、窓の外に両開きになる扉を指している。]

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