阿部正信編揖「駿國雜志」(内/怪奇談)正規表現版・オリジナル注附 「卷之二十四上」「子安神奇」
[やぶちゃん注:底本・凡例その他は、初回の冒頭注を見られたい。底本の本項はここ。]
「子安神奇」 有渡郡三保村、松原の内にあり。「駿州古蹟畧」云。子安神、三保にあり。此神に祈〔いのり〕て安產すれば、底なき柄杓を奉納す。云云。無用の器物を愛し玉ふ神慮、はかり難し。
[やぶちゃん注:「有渡郡三保村、松原の内にあり」前項で示した御穂神社(グーグル・マップ・データ航空写真)内に「子安神社」として現存する(同神社の北側の鳥居を入った横にあるらしい)。個人サイト「【静岡県観光&名所】わが街だいすき.com」の「御穂神社【静岡市】」の中に(子安神社記載へ飛ぶ)、『(現地説明板より)』として、
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子安神社
御祭神 須佐之男命(すさのおのみこと)
稲田姫命(いなだひめのみこと)
御穂神社ご祭神である大国主命の父母にあたる神々であり古来より子宝・安産・子育ての神として信仰される。
また、昔から安産の祈願やお礼参りとして、底を抜いた柄杓を奉納する風習があり、水がつかえず軽く抜ける如くに楽なお産が出来ますようにとの願いが託されている。
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とある。グーグル・マップ・データ「御穂神社」のサイド・パネルの「子安神社」の画像を拡大すると、奉納された真鍮製の柄杓が視認出来るが、総ての底の中央に孔が開けられてあるのを確認出来る。
「駿州古蹟畧」国立国会図書館デジタルコレクションで検索を掛けると、本「駿國雜志」、及び、静岡の地誌書等に三十四件ヒットするが、当該書自体はネット検索でも見当たらない。]
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