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2025/02/07

茅野蕭々譯「リルケ詩抄」正規表現版 「新詩集」「前のアポロ」

 

 

   新 詩 集

 

 

   第 一 卷

 

 

 前のアポロ

 

をりをり末だ葉のない枝を透いて、

もう全く春になつた朝が

覗くやうに、彼の頭には

あらゆる詩の輝が死ぬばかり我々にあたるのを

 

妨げうるものが全くない。

實際彼の視(し)には未だ一つの蔭もなく

顳顬(こめかみ)はまだ桂で飾るには冷た過ぎるから。

さうして薔薇の園が眉から幹高く聳え、

 

それから花片が、一つ一つ、離れて

口の戰慄へ散りかかるのは、

やつと後になつてのことだらう。

 

その口は今は未だ沈默し、用ひられず、

輝いて、微笑みながら或物を飮むでゐる。

恰も彼の歌が流しこまれでもするやうに。

 

[やぶちゃん注:底本では、ここ

「視(し)」古代ギリシア神話の太陽神アポロン(ラテン転写:Apóllōn:音写は「アポローン」)の全神話世界の総てを照らし出し、彼が見渡すところの全視界を指す。

「顳顬(こめかみ)」「蟀谷」に同じ。

「桂」アポロンの桂冠は、月桂樹(被子植物門双子葉植物綱(*その古型類群)クスノキ目クスノキ科ゲッケイジュ属ゲッケイジュ Laurus nobilis )であるから、ここは「けい」と音読みすべきであろう。]

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