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2025/03/30

和漢三才圖會卷第八十八 夷果類 五歛子

 

Gorensi

 

ごかんし  五稜子 陽桃

 

五歛子

      南人呼稜爲

      歛【音酣】此物有

      五稜故名之

 

本綱五歛子出嶺南及閩中其大如拳其色青黃潤綠形

甚詭異狀如田家碌碡上有五稜如刻起作劍脊形皮肉

脆軟其味初酸久甘其核如柰五月熟一樹可得數石十

月再熟以𮔉漬之甘酸而美味【碌碡田器也本朝田家未見之】

 

   *

 

ごかんし  五稜子 陽桃

 

五歛子

      南人、稜(かど)あるを呼《よん》で、

      「歛」と爲す【音「酣《カン》」。】。此の

      物、五稜、有る故、之れに名づく。

 

「本綱」に曰はく、『五歛子は嶺南[やぶちゃん注:現在の広東省・広西省。]及び閩中《びんちゆう》[やぶちゃん注:福建省。]に出づ。其の大いさ、拳《こぶし》のごとし。其の色、青黃、潤《うるほへる》綠にして、形、甚だ詭異《きい》なり。狀《かたち》、田家の碌碡(りくとく)[やぶちゃん注:中国で脱穀場の「地馴らし」や穀類を挽くのに用いる石製のローラー状の農具。グーグル画像検索「碌碡」をリンクさせておく。]のごとく、上に五稜、有《あり》て、刻起《きざみおこ》すごとく、劍脊《けんせき》[やぶちゃん注:東洋文庫訳の割注に『(葉裏に通っている太い茎軸)』とある。]の形を作(な)し、皮・肉、脆(もろ)く、軟かに、其の味、初《はじめ》、酸《すつぱ》く、久《ひさしく》して、甘し。其の核《さね》、「柰《だい》」のごとし。五月、熟す。一樹、數石《すこく》を得べし。十月、再び、熟す。𮔉《みつ》を以《もつて》、之れを漬(つ)ける。甘酸にして、美味≪なり≫』≪と≫。【「碌碡」は田の器《き》なり。本朝の田家に、未だ、之れを見ず。】

 

[やぶちゃん注:これは、「ごかんし」と読んでおり、国立国会図書館デジタルコレクションの中近堂版でもそうなっているが、「歛」に「カン」の音はなく、「レン」である(「廣漢和辭典」で確認)。従って、「ごけんし」と読むのが正しく、これは、「ゴケンシ」、則ち、

双子葉植物綱カタバミ(片喰み)目カタバミ科ゴレンシ属ゴレンシ Averrhoa carambola

である。個人的には、字起こしの際に、私自身、二字目の崩し字に疑問を持った。「れ」(「礼」)の甚だ杜撰な崩しではないか? と疑問を持っていたものである。この「ゴレンシ」は、現在では、果実として「スター・フルーツ」の名で知られている、それである。以下、当該ウィキを引く(注記号はカットした)。『スターフルーツ(英: star fruit』『)は、カタバミ科ゴレンシ属の常緑の木本、またはその果実。和名は五斂子(ごれんし)』(☜)。『独特の形をした果実を食用にする』。『原産は南インドなどの熱帯アジアで、東南アジア全域のほか、中国南部や台湾、ブラジル、ガイアナやトリニダード・トバゴなどカリブ海周辺、アメリカ合衆国のフロリダ、ハワイなど、熱帯から亜熱帯にかけて広く栽培されている。日本では、沖縄県や宮崎県などで栽培が行われている』。『和名も英名も、由来は果実の横断面が五稜星型をしているところからきている。中国語でも「五斂子」(ウーリエンズー、wǔliǎnzǐ)というが、現在は「楊桃(羊桃)」(ヤンタオ、yángtáo)が一般的。横断面が三角形に近い品種もあり、中国語で「三斂子」(サンリエンズー、sānliǎnzǐ)という。酸味の強いものは「三稔」(サンレン、sānrĕn)とも呼ぶ。インドネシア語では「ベリンビン」(Belimbing) と』呼ぶ。『果実を食用にし、生食やサラダ・ピクルス・砂糖漬けなどに用いる。未熟なものは黄緑色で、熟すと全体がきれいな黄色になる。味は薄く、あっさりした甘味とほのかな酸味がある。生食に向いている甘味種と、小ぶりで酸味が強くピクルスやジャムなどの加工品に向いている酸味種がある。水分が豊富な果物で、果肉は和ナシに似たサクサクした食感とクセのない味がある。栄養面ではカリウムや食物繊維を多く含むのも特徴』である。『食材としての旬は』九月から『 翌年』二『月ごろで、果皮に斑点やシワがなく、全体的に均一に色づいているものが良品とされる。緑色のものは常温で追熟させ、熟したものを生で食べる』。『熟するに従って』、『果実の色が緑色から黄色に変わるが、熟しすぎる前の少しだけ青みが残っている時期が、果物としての食べ頃。サラダに入れて食する場合は、完熟していない青い状態のものを用いることが多い。果実の色が緑色の場合、熟させるため』、摂氏二十『度前後の室温で保存しておく。熟した後は冷蔵庫内で保管する。熟してくると、果肉が柔らかくなるため、表面に皺ができやすくなる』。『食べる際は、まず果実をよく水洗いする。縁の部分(三角の尖っている部分)には渋みがあるので、まず』、『その部分だけ面取りするようにナイフで細く切り落とす。皮は薄く、この部分もそのまま食べられるので、皮をむく必要はない。野菜スティックのようにスティック状に切って食べる場合もあるが、輪切りにした方が星形が楽しめる。砂糖漬けやジャムにも加工する』。『東南アジア地区などで、塩をかけて食べることがある。台湾では、塩、砂糖、レモン汁、甘草などを使って漬け、熱湯を加えて作る楊桃湯という飲料がある。中国広東省などで、炒め物、スープなどの料理に使う場合がある。また、糯米に水を加えてすった汁をかけて生食することがあり、甘味が増して感じられる。広東省中山市には、酸味が強く生食に適さない「三稔」を切り、砂糖と生姜で煮て干した「三稔包(サンレンバオ)」という菓子がある。乾燥時に胡麻をふることもある』。『カタバミの葉と同様に、微量なシュウ酸塩を含む。一般状況で健康な人体に摂食された場合は腎臓にて濾過され、体外に排出するため』、『問題にはならないが、何らかの原因で腎臓の機能不全を有する場合は、体内に残されたシュウ酸が体内血液中のカルシウムイオンと強く結合するため、シュウ酸カルシウム結石症になる可能性がある』。また、『神経毒であるカランボキシン (Caramboxin) を含んでおり、人工透析患者など腎臓機能障害を持つものが摂取すると神経症状を発症する』とある。

 引用は、「漢籍リポジトリ」の「本草綱目」の「漢籍リポジトリ」の「卷三十一」の「果之三」「夷果類」の「五斂子」([077-11a]以下)のパッチワークである。]

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