阿部正信編揖「駿國雜志」(内/怪奇談)正規表現版・オリジナル注附 「卷之二十四下」「逆柱爲怪」
[やぶちゃん注:底本はここ。段落を成形した。句読点・記号を追加した。]
「逆柱爲怪《さかさばしら くわいを なす》」 安倍郡府中御城內にあり。傳云、
「橫內東『四間《よんげん》小屋』、三間目《さんげんめ》の柱、逆《さかさ》に建《たて》り。是を後《うしろ》にして臥《ふす》時は、必《かならず》、『枕がへし』せらる。云云。」。
逆柱の怪をなす、往々、あり。奇と云べし。
[やぶちゃん注:「逆柱」当該ウィキによれば、『逆柱(さかばしら)または逆さ柱(さかさばしら)は、日本の木造建築における俗信の一つで、木材を建物の柱にする際、木が本来生えていた方向と上下逆にして柱を立てることを言う』。『古来より逆柱にされた木は、夜中になると家鳴り等を起こすとも言われていた』。『また、家運を衰微させるほか、火災などの災いや不吉な出来事を引き起こすと言われており、忌み嫌われていた』とある。但し、意図的に魔除けのためにわざと逆柱をしたものも存在する。『日光東照宮の陽明門はこの逆柱があることで知られている。柱の中の』一『本だけ、彫刻の模様が逆向きになっているため、逆柱であることがわかる。しかしこれは誤って逆向きにしたわけではなく、「建物は完成と同時に崩壊が始まる」という伝承を逆手にとり、わざと柱を未完成の状態にすることで災いを避けるという、言わば魔除けのために逆柱にしたとされている。また、妖怪伝承の逆柱とは全く異なるものである』。また、『鎌倉時代の「徒然草」には、完全なものは決して良くはない、それで内裏を造る時も、必ず』一『か所は造り残しをする、とある。江戸時代には、家を建てる時「瓦三枚残す」と言ったという』ともある。
「枕がへし」一般には妖怪の名として知られる。当該ウィキ「枕返し」に詳しい。私の「怪奇談集」では、メインにしてあるオーソドックスなものは、「佐渡怪談藻鹽草 枕返しの事」と、『「神威怪異竒談」(「南路志」の「巻三十六」及び「巻三十七」)正規表現電子化注「巻三十七」 小高坂森屋舖枕反』が参考になろう。
なお、延々と続いた、概ね「安倍郡府中御城內にあり」で始まった怪奇談パレードは、取り敢えず、ここで落ち着く。]
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