昨日夕刻に俳優の佐野史郎さまから小泉八雲関連のメールを頂戴した件について
ナマコの清拭を行なって、一段落着き、夕食の手伝いをするためにネットを切ろうとした際、なんと!
かの俳優の佐野史郎さまからのメールが届いており、吃驚仰天した。
ざっと読むと、佐野さんが、『小泉セツ著「思ひ出の記」や、小泉八雲作品で構成した
「小泉八雲朗読のしらべ〜セツが語ったへルンの怪談〜」
を、十一月十六日に、島根県松江市のプラバホールにて、十二月十二日に東京都北区の「北とぴあ つつじホール」で上演するに当たって、
解説文を観客の方々に配布予定されておられ、その中で、
『「やぶられた約束」の解説に、ぜひ、そちらのブログの記載の引用をお願いできればと、ご連絡させていただきました。』
という内容が記されてあり、解説の原稿を添付なさり、『ご検討のほど、何卒、よろしくお願い申し上げます。』と記されてあったのである。
私は夕食で酒を飲んでいたので、今朝、未明、佐野さまに、許諾のよしを含め、佐野さまが主人公を演じられた、私の好きなラヴ・クラフトの「インスマスの影」をインスパイアした、小中千昭(この方も私の好きな脚本家である)作の「蔭洲升を覆う影」をテレビ・ドラマにした、その主人公を演じられたのを、非常に面白く観たこと、また、私と同じ世代(佐野さまは私より二年年上)で、『ウルトラ第一世代』であり、私が尊敬して止まない、円谷プロで脚本を執筆した、沖縄出身の金城哲夫氏のドキュメント番組でエスコート役をされて、素晴らしかったこと等を書いて、申し入れを快諾したのであった。
先ほど、丁寧な返信を頂戴した。と、言うより、甚だ、恐縮したのであった。
その解説原稿では、まさに、先月末、「やぶられた約束」の原拠を指示されたメールを下った、怪談・妖怪の学術研究をされておられる文化人類学者・民俗学者で、国際日本文化研究センター名誉教授の小松和彦先生のお名前があり、そこに続けて、私が以前に電子化注していた、「諸國百物語卷之二 九 豐後の國何がしの女ばう死骸を漆にて塗りたる事」を、私のブログ名と、私の姓名を附してあったのである。
私の、先般、正字不全を補正した、
を見られたいが、正直言うと、私が暴虎馮河で小泉八雲の英文を訳した、
サイト版「破られし約束」 小泉八雲原作 藪野直史現代語訳(別に、英文原文と、拙訳の縦書版も作製してある)
を、憚り乍ら、お薦めしたいのである。特に冒頭の私の注で、作品中に出る亡くなった女性の戒名の、諸翻訳家の訳に対する不信は、私が秘かに自負している物言いなのである。
最後に、佐野史郎さまの、ますますのご活躍を、心より、願って、終わりとする。
« 河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注上卷(三)煎海鼠の說(その9) | トップページ | 河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注上卷(三)煎海鼠の說の図版電子化注に就いて »

