立原道造草稿詩篇 ハンカチ
[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここ、底本の注記はここから視認出来る。]
ハンカチ
星のある夜の空を壁紙にした人があるさうだが僕の友だちは靑い晝間の空を手巾にこしらへてポケツトに持つてゐる。丸い形に切り取つたのだが、ちようど太陽のあるあたりだつたらうつて。
[やぶちゃん注:「ちようど」はママ。
「手巾」は言うまでもなく「ハンカチ」と読んでいる。
注記に従うと、この詩篇と、次の「夜道」は同一の紙に書かれているのだが、この紙には『下部に』
多すぎる童話的要素
キリコの繪のやうになれ!
『の鉛筆書きのメモを下部に持つ。』(本詩文の筆記の色は、ここの注記でブルー・ブラックとある)とある。まず、この二篇への自己批判と採ってよいだろう。老婆心乍ら、「キリコ」は「切子」ではないよ、「形而上絵画派」を興し、後の「シュールレアリスム」に大きな影響を与えたイタリアの画家ジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico)だ。個人的には、ダリと比べると、接近して実物の作品を見ると、遙かに筆が雑で、見られない代物であり、私は全く評価しない。]

