立原道造草稿詩篇 黃昏
[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここ、底本の注記はここから視認出来る。「黃昏」の読みであるが、私が、私のブログ・カテゴリ「立原道造」で電子化した作品の中で(現在二百二十五件)、「黃昏」を詩篇内で用いたものを総て確認したが、ルビがないものが殆んどで、而して、二篇で「たそがれ」をルビしている。音の「くわうこん(こうこん)」を用いているものは一つもない。ひらがなの「たそがれ」は多く用いている。されば、これは「たそがれ」と読むべきである。]
黃昏
一日の最後の光線が庭にさよならする
灯りがはいる 窓を閉める
僕の生活が見つからなくなる 僕のなかで動いて
ゐる幾人もの微小な僕 ひとりの僕は僕の脊中を 僕
の掌を僕の脣を 彼等は互に彼等を知らない
僕は眼をとぢる
まだ暮れない地平に靑い旗がある
[やぶちゃん注:この第二連は、底本では二行で書かれてあり、二行目は一字下げになっている。この一字空けは、フレーズ中の一字空欄ではあり得ない(それをそのまま字空けとすると、その部分は「ひとりの 僕は僕の脊中を」となって、リズムが崩れるから、絶対に違うのである)。しかし、私のブログ・ブラウザでは、下手をすると、読者が判読を誤る形で勝手に改行されてしまうので、ブラウザで字のポイントをやや上げた表示にしても、おかしくならないように、三行に変えておいた。]

