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2026/01/27

立原道造草稿詩篇 唄

[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここ、底本の注記はここから視認出来る。而して、決定稿である詩集『日曜日』は、既にブログで2016年6月13日に「日曜日 (全)   立原道造」として電子化注してあるので、そこから、冒頭の箇所を転写して示しておいた。但し、決定稿では、単に「洋燈」に「ランプ」のルビが打たれている以外は同じである。

 

  唄

 

裸の小鳥と月あかり

郵便切手とうろこ雲

引出しの中にかたつむり

草の上にはふうりんさう

 

太陽と彼の黑ん坊

帆前船と彼の洋燈

昔の繪の中に薔薇の花

 

僕は ひとりで

夜が ひろがる

 

【決定稿】

 

  唄

 

裸の小鳥と月あかり

郵便切手とうろこ雲

引出しの中にかたつむり

影の上にはふうりんさう

 

太陽と彼の帆前船

黑ん坊と彼の洋燈(ランプ)

昔の繪の中に薔薇の花

 

僕は ひとりで

夜が ひろがる

 

[やぶちゃん注:「ふうりんさう」私は、「風鈴草」と言うと、うっかり、偏愛する

双子葉植物綱キキョウ目キキョウ科ホタルブクロ(蛍袋/火垂る袋)属ホタルブクロ Campanula punctata var. punctata

を想起してしまう植物に弱い人種であるが、辞書では、本邦では、

キク亜綱マツムシソウ目オミナエシ科カノコソウ(鹿の子草・纈草)属カノコソウ Valeriana fauriei

とする。しかし、この植物は、私には、それを連想するべくもない。而して、現行では、「風鈴草」は、植物学上は、地中海沿岸地方に原産する植物から改良された観賞用植物であるカンパニュラ属 Campanula の名で呼ぶ、

ホタルブクロ属フウリンソウ(風鈴草)Campanula  medium

を指示する。ウィキの「カンパニュラ」の「栽培種」によれば、『この仲間では最もポピュラーな植物。草丈2mくらいになる二年草だが、秋まきで翌春開花する一年草に改良された品種もある。花色には青紫・藤色・ピンク・白などがあり、上手に育てると、花径10cm近い花が数十輪咲く。標準和名は「フウリンソウ」だが、園芸上は「ツリガネソウ(釣鐘草)」と呼ぶことが多い。』とある。

「太陽と彼の黑ん坊」言わずもがなであるが、まず、後に並置されるフレーズから考えて、「黑ん坊」は「太陽」に対する光らない「月」の換喩であろう。]

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