立原道造草稿詩篇 蚊が鳴いてゐる
[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここで、底本の注記はここで視認出来る。なお、前掲の〔A・IIグループ〕は、ここで終っている。]
蚊が鳴いてゐる
蚊が鳴いてゐる
夜更けの
靑いインキ
白いチクタク
[やぶちゃん注:「チクタク」は「チックタック」で、恐らくは、英語の擬音語の、“ticktack”、或いは、 “tick tack”が元で、時計等の一定間隔で刻む短く規則的な音のオノマトペイア(語源は古代ギリシア語の「オノマトペイア」(ラテン文字転写:onomatopoiia)とされ、「言葉を創ること」・「名づけること」を意味する。フランス語の“onomatopée”(オノマトペ)を経由して、日本語の外来語となったもの)であろう。複数の辞書、及び、ネット記載を見ると、“tick”で名詞・動詞として、「カチカチという音」・「心臓」(俗語)・「時計の針がカチカチと音を立てる・時を刻む」があるが、これは、擬音から格上げされた用法ではないか、と私には思われた。英語辞書サイトの“ticktack”のページには、一五四〇年から一九五〇年頃が起原とされるが、私には、時計以前の、広く、「カチカチ・コチコチ」というリズムを持ったぶつかる自然界の音の擬音としてあったのではないか、と感じられてならないのである。]
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