立原道造草稿詩篇 曆
[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここ、底本の注記はここから視認出来る。そこには、『詩集『日曜日』中の初稿。』とある。而して、最終決定稿は、私の「日曜日 (全) 立原道造」から部分を引いた。]
【草稿】
曆
貧乏な天使が 小鳥に變装する
枝に來て それはうたふ
わざとたのしい唄を
すると庭がだまされて小さい薔薇の花をつける
☆
感冒(かぜ)をひいて 「春」が咳をする
その名のかげで曆は時々ずるをする
けれど人はそれを信用する
【決定稿「日曜日」の当該部】
曆
貧乏な天使が 小鳥に變裝する
枝に來て それはうたふ
わざとたのしい唄を
すると庭がだまされて小さい薔薇の花をつける
名前のかげで曆は時々ずるをする
けれど 人はそれを信用する

