立原道造草稿詩篇 休暇
[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここで、底本の注記はここで視認出来る。]
休 暇
僕が靑空の地圖を讀んでゐると⋯⋯⋯母が不意にやつて來て白い雲を指さす。それはひとつの小さな魚の形の天使だつた。⦅僕はアラスカへでも行つちまひたい⦆母は僕の傍で海のやうな息をしてる。
[やぶちゃん注:「傍」私は「かたはら」と読みたい。
なお、注記には、『『昭和八年ノート』五月下旬の頁に「休暇(改作)」を持つ。』とあり、さらに原題は「ヴアカンス」とある。前記は、底本全集の「第六巻 雜纂」のここにある。起こしておく。
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休暇(改作)
母が不意にやつて來て、立つてゐる僕に空の雲を指さす。雲は空をゆつくり流れてゐる、母は僕のそばで海のやうな息をしてゐる。
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