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2026/01/19

立原道造草稿詩篇 午後

[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここで、底本の注記はここから視認出来る。なお、これ以降は、前の「(少年が⋯⋯)」の最後に附した注を、必ず、読まれたい。]

 

  午 後

 

 陽は淡く雲を通して、その雲には風が絕え間なく鳴つてゐた。かげは乾いた土に衰へた僕を作る。

 ふと――どこかで海草のにほひがする!

 立ちどまつて、その奇妙な新鮮さに、注意深く嗅がうと、試みた。再び僕は知ることが出來ない。

 街道を、物憂い牛車が近づて來た。

 ――步きはじめねばならない。

 

 もうたそがれは近いだらう。

 

[やぶちゃん注:以下、概ね、ネイティヴでない読者のために注した。

「陽」「ひ」。

「海草」「かいさう」だが、厳密には「海草」は海産種子植物の被子植物門単子葉植物綱 Monocotyledoneae の種のみ示す(代表的な種はオモダカ(沢瀉・澤瀉・面高)目アマモ(甘藻)科アマモ属アマモ Zostera marina :別名リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(龍宮の乙姫の元結の切り外し))から、「海藻」とする方がよい。

「牛車」「ぎうしや」。凡そ古語の「ぎつしや(ぎっしゃ)」と物知り顔に読んだら、風流どころか、噴飯物である。]

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