立原道造草稿詩篇 (少年が⋯⋯)
[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここで、底本の注記はここで視認出来る。なお、この詩篇は、前回、述べた通り、昭和七年八月二十八日付の堀辰雄宛書簡のここで、全文を紹介しているが、それは、明らかに後半に異同があることから(これは底本の注記の中で『「少年が」(異文)』とし、独立注の箇所でも、『*前項の堀辰雄宛書簡に無題異文を紹介している。作品の完成度から異文の改作詩であろう。』とある。この見解は肯んじられるので、後に書簡版異文を後に置いた。但し、書簡版の頭の一字下げは、書簡内記載のために生じたルーティンと判断して、再現せず、引き上げた。]
(少年が⋯⋯)
少年がきれいな空氣と風景を磨いてゐる。忘却。忘却のなかを海がある。少年が樹木のやうに倒れる。そのとき、古い空間のにほひが、僕を不幸にする。
【書簡版異文】
少年がきれいな空氣と風景を磨いてゐる。忘却。忘却のなかに海がある。少年が樹木のやうに倒れる。そのとき、古い空間のにほひが、ざわめきながら、僕を不幸にする。
[やぶちゃん注:この詩篇を以って、このパートの〔A・IIIグループ〕は終わっている。なお、この続く後でも、編者は注記で、別原稿であるのに、『〔A・○グループ〕』という同一の表記を用いているが、これは、読者には、甚だ、混乱を招く。そこで、このグループ名は以下では使用せず、そこから必要と判断した場合(詩篇の内容に関わるもののみ)は「以下のパートは」という形で注記することとするので、必ず、注記リンクを確認されるようにされたい。]

