立原道造草稿詩篇 (風が⋯⋯)
[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここから視認出来る。初期形と注記に従い、修正前の原型も示した。しかし、この注記を見るに、【修正形】の内容は、全く同じであるから、取り敢えず、「1」のパートが存在しないものとして起こした。ただ、だったら、「1」がなく、「2」の本文だけが、記されてあるという注記を附すのが普通であるのにそれがないのは、或いは、「1」「2」が存在し、編集者が「2」パートの部分をうっかり、修正形と同じものを誤って記した可能性を排除出来ない(既に先行するもの中に注の誤りを私は発見している)。而して、決定稿である詩集『日曜日』は、既にブログで2016年6月13日に「日曜日 (全) 立原道造」として電子化注してあるので、そこから、冒頭の箇所を転写して示しておいた。]
【初期形】
≪小鳥屋の店で 日が暮れる
≪果物屋の店で 夜になる
≪郵便局で あかりがともる
風が時間を知らせて步く 方々に
【修正形】
(風が⋯⋯)
1
風が お客に買ひに來る
けれどもみんなどこかへ行つたので
花が 店番をしてゐます
2
≪小鳥屋の店で 日が暮れる
≪果物屋の店で 夜になる
≪郵便局で あかりがともる
風が時間を知らせて步く 方々に
【決定稿】
風が‥‥
《郵便局で 日が暮れる
《果物屋の店で 燈がともる
風が時間を知らせて步く 方々に
[やぶちゃん注:修正形の「1」の冒頭のフレーズ「風が お客に買ひに來る」は、如何にも、意味が採れず、誰もが躓くであろう。不審である。]

