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2026/02/26

立原道造草稿詩篇 (昨夜は おそく……)

[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここから視認出来る。それに拠れば、『原記は表題代りに☆印を置く。』とし、『第一詩は後出「鉛筆のマドリガル」の第四詩の初稿。』とある。この「鉛筆のマドリガル」は、五コマ後のここから、視認出来る。]

 

   (昨夜は おそく……)

 

昨夜は おそく

步いて町を步いて歸つたが

あかりは僕のそばにゐた

あかりは僕からとほかつた

 

ひとつの窓はとぢられて

あまりおそいこの時刻には

誰も顏を出してゐなかつた

誰にも歌をうたはせないために

 

だけれど僕はすこしうたつてみた

それはたいへんまずかつた

僕はあはてて歸つて行つた

 

昨夜は おそく步いたが

あれはたしかにわるかつた

僕の脊中はだいぶくらかつた

 

      ☆

 

窓には雲が 次から次へと

僕には歌が……

 

それから今日は日がくれた

それから夜はでかけよう

 

もし中世の城であるならば

葡萄の葉かげで月かげで

 

僕はもつとうたふにちがひないが

僕はひとり步くきりだ

 

[やぶちゃん注:「まずい」はママ。歴史的仮名遣は「まづい」。

個人的には第一聯の二行目「步いて町を步いて歸つたが」の一行が躓く。私なら、「步いて 町を步いて歸つたが」とする。「步いて」のリフレインを自然なスラーとするには、それしかない、と、私は感ずるのである。いや、或いは、『道造は、そのように字空けをしているのではないか?』という編者の判読の誤りが、強く感じられるのである。

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