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2026/02/21

立原道造草稿詩篇 峽の歌

[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここから視認出来る。「峽」はネイティヴでない読者のために言っておくと、道造は、諸作品を鑑みるに、訓で「かい」と読んでいよう。「山と山とに挟まれた所」を指す。音では「ケフ(キョウ)」、訓では、別に「はざま」(挾間)とも読めるが、音は道造の詩語としてはあり得ず、「はざま」では、印象がダルになり、リズムも良くない。]

 

  峽の歌

 

光りながら消える水は

小さな渦卷きだ あれは白だ

空は靑く透いてその流れに

葉の姿を映してゐた

 

水を見てゐたのは誰だらう

お前だつたか 僕だつたか

 

消えながら光る水は

小さな淀みだ あれは靑だ

雲は白く透いてその飛沫(しぶき)に

鳥の形を映してゐた

 

水を見てゐたのは誰だらう

お前だつたか 僕だつたか

 

 

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