立原道造草稿詩篇 新月のメモ
[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここ、底本の注記はここから視認出来る。そこに、『第一行は』昭和八(一九三三)年の『ノートの中の1、2月制作の「〈夕方〉」(異文)を、第二、三行は同じく「新月のメモ」』(実際には『☽月のメモ』の表記である。不親切である)『(異文)を原型に持つ。』として指示する。これは、同全集の「第六卷 雜纂」のここ(83ページ)と、少し後のここ(88ページ)に当該する。そこで、この二つに分離された原型を仮に前者を「原型α」(題名を含めて五行詩)、後者を「原型β」としてカップリングして【原型α+β】として示し(内部で別々であることが判るようにした)、草稿の一篇を【改稿草稿】として示した。]
【原型α+β】
【*原型α】
<夕方>
夕方の空は
空にひろげた
佛蘭西の旗
色褪せる
【*原型β】
☽月のメモ
1、夕燒の空で書き損じた積分記號
2、月の一片を薄く切る
3、…………
【改稿草稿】
(☆夕方の空は……)
☆夕方の空は空にひろげた佛蘭西の國旗
☆月の一片を薄く切る
☆夕方の空で書き損じた積分記號
☆月が僕よりも瘠せてゐる

