立原道造草稿詩篇 季節
[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここ、底本の注記はここから視認出来る。]
季節
⋯⋯いつのま間にか、秋がそつと卓子の上にのつかつてゐる。そのまはりにのみ夕燒がしてゐる。瘠せた樹木がゆつくり煙草を吸つてゐる。仔犬がミルクを嘗めてゐる。
僕は外へ出たがらない。けれど、
田舍の町へ、森の中の村へ葉書する。
僕には、秋が九月にはじまる、と。
さうして夜は六時にはじまる、と。
だが――。
この黃昏は、曆と時計のいたづらぢやないかしら。
[やぶちゃん注:「卓子」「テーブル」と読んでいよう。但し、私がブログ・カテゴリ「立原道造」で電子化注したものには、「卓子」の漢字も、「テーブル」も使用されていないので、正確な表記は判らない。作家によっては、「テエブル」と表記する場合があるからである。]
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