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2026/02/26

立原道造草稿詩篇 (もつとたのしくて……)

[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここから視認出来る。それに拠れば、これは、「(床屋は……)」に始まった詩群の最終詩で、『原記は表題代りに☆印を置く。』とし、『なお本詩群は前項詩群と同面にあって、下から上への逆方向に書かれているので独立の詩群とした。また、最終詩句「お祭りはをはつた」は本詩群に対して丁字型に書かれている。』とある。而して、終わりに、『この「包装紙」詩群は書体から見るに、時間を置いて制作されたものではなく、即興的に一気に書かれたと思われる。』と後記してある。この最後の意見は、この詩群全体を読んでも、納得出来る見解と言える。

 なお、実は、本底本は、基本を、詩篇本文を印刷一字下げで活字化しており、二行になる場合、編者が、はっきりと二行書きにして、一行目から続く場合には、前後の開始位置から一字上に記す体裁を採用している。しかし、例えば、この詩群のように、あらゆる方向からランダムに書かれている詩稿の場合、そうした厳密な書式が、容易に判然と出来るとは、私は、全く思っていない。また、そうした全集編集の中で、そうした規定を持たせることが、道造の意志とは全く以って無関係であると私は判断し、今まで、そうした規定を無視して電子化している。しかし、ここでは、途中で、一箇所だけ、そうした特異的操作が行われている関係上、そこを除き、他の部分を一字下げで示すこととした。

 

  (もつとたのしくて……)

 

 もつとたのしくてよいでせう

 明るい色に塗りませう

 わるい筆だがかまはずに

 もつとたのしく描きませう

 

 これはお前の似顏です

 似てない姿がとりえです

 

       ☆

 

 二十一歲の下手な繪描きは

 木曜日每に水彩畫をこしらへ

 そのあとですつかり困つた あまり下手であつたであつたから 彼は何かを諦めてしまつたやうなかなしみであつた 雨が降つえも繪を描いて

 木曜日の晩每くらい町を步いてゐた

 

       ☆

 

  お祭がをはつた

 

 

[やぶちゃん注:……道造よ……最後の台詞……いいね……僕のブログの合言葉……君の好きなフランス語……“ La fête est finie. ”…………

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