[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここから視認出来る。]
風
――僕は……
果物屋なんかと
花屋なんかの
ある町を通つたら
なんでいつもはこんな不幸なんだか
あかりがつく時分は
もう次の町に行つてるんだ
赤ん坊が泣いてるんだ……
早すぎる足 見えない足 風がガラスにきかせて行つた 窓がうたつた
町では誰も風や星の言葉に氣がつかないが
一人がいつでもかなしい氣持で聞いてやつてゐた
[やぶちゃん注:このイメージを軽井沢に比定しては、いけない。これらの詩群の創作時は、彼の軽井沢経験は、この年の夏であるからである。]
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