[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここで視認出来る。]
窓
しづかな夜、窓をのぞくと世界地圖だけが壁であかるい電氣にかゞやかしかつた。机の上は片づいてゐて、何も見えない。ことによつたらと思つて見るのだが、朱の紐があるやうで、小さな鍵があるやうで、やつぱり何もないらしかつた。それともいつもせかせかその窓のぞいてゆくせいかしら。別の窓では人が椅子を運んでゐるのが見えたりするのだが⋯⋯。
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