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[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここで視認出来る。]
脫殼
これは何だらうと手にとると、靑い海の形をしてゐた。しばらくじつと眺めたが、どうしてもわからなかつた。そばにゐた友だちにたづねれば、友だちはやはり手にとつて、しばらく考へてゐた。
あくる日、砂濱に寢ころんで、昨日のことを思ひだした。突然にわかつたことは、海の脫殼を拾つたことだつた。あのとき捨ててしまつたのが急に殘念でたまらなかつた。
[やぶちゃん注:「脫殼」「ぬけがら」。]