[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここで視認出来る。]
(終ることのない生涯を⋯⋯)
終ることのない生涯を、一人の男が空想した。平野はそのはてに乳色にしめつた靄を包んでゐた。その上に靑くなつてゐるのは空の晝間の明るさだつた。やがてはそのなかに空想が消えて行くだらう。
風がそよいで一面に草の葉の音をかがやかせる。もう一度、もう一度⋯⋯
いつまでもそのやうに、平野は天と靜かな交はりを營んでゐた。
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