[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここから視認出来る。]
(眼をつむり……)
眼をつむり それでも
葉の重なりが見えるのだ
暗いギザギザが消えないのだ。
人は己を 疲れたといひ 瘠せたといひ
それが己をイライラとさせ
己れの顏は汚れてしまふのだ。
闇のなかでおろおろとしてゐる顏
ギザギザの葉つぱに嚙みつかれ
どうすることもならない顏、
それでも己はしつこく眼をつむり
己の顏を瞶めてしまふのだ。
[やぶちゃん注:「己」(「己れ」も含む)は「おれ」と読んでいよう。
「瞶めて」「みつめて」。]
« 立原道造草稿詩篇 晩夏 |
トップページ
| 立原道造草稿詩篇 (かなしいまでに……) »