立原道造草稿詩篇 (くらい想念を⋯⋯)
立原道造草稿詩篇 (くらい想念を⋯⋯)
[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここで視認出来る。それに拠れば、『モチーフは『ノート 昭和十年――十三年』の10年4月7日(第四巻P134)の「僕は暗い想念を輕蔑しながら僕の平和はぢきに暗くなる。」に対応するものと思われる。従って制作時は昭和10年4月と想定する。』とある。指示する箇所はここである。]
(くらい想念を⋯⋯)
くらい想念を輕蔑しながら、私の幸福と平和は、いつもくらい。くらい平和のなかで、私の笑ひはいつも瘠せてゐる。くらい幸福のなかで、私の歌はいつも折れてゐる。私は、それを信じない。私は、別なものにまで、あせつて行く。くらい想念を輕蔑しながら。
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