立原道造草稿詩篇 少年の日
[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここで視認出来る。それによれば、第二聯の初稿が示されてある。確認するに、そこには右傍線が引かれているが、そこが、決定稿と異なっているから、この傍線は編者である堀內達夫氏が違っている箇所に打ったものと判断出来るので、傍線は示さない。それを【初稿】として復元した。]
【初稿】
少年の日
望みのそばで 僕は不確かに
明日の來るのを待つてゐる
もうそれは僕に手をのばす かぞへきれないよろこびと
僕は聞く 風が頰を吹いて行く 風は季節のやうに美しい
旅に立つだらう 山を越えるだらう
僕はひとりでとほく行くだらう
もうそれは僕に花を散らす 花びらを手にとると
僕は明日を感じる 夕暮の木のやうに 僕は笑ひながらやさしくなる
【決定稿】
少年の日
望みのそばで 僕は不確かに
明日の來るのを待つてゐる
もうそれは僕に手をのばす かぞへきれないよろこびと
僕は聞く 風が頰を吹いて行く 風は季節のやうに美しい
もう行くだらう 山を越えるだらう
僕はひとりでとほく行くだらう
もうそれは僕に花を散らす 花びらを手にとると
僕は明日を感じる 夕暮の木のやうに やさしく笑ひながら

