立原道造草稿詩篇 (とほく とほく⋯⋯)
[やぶちゃん注:底本・凡例その他は、本パートの初回のこちらを見られたい。本篇は、変則的で、実は、前の「徑の曲りで」の注記の最後の、ここの左のコマの上段四行以降に、原稿の裏に「徑の曲りで」が記され、その表面(おもてめん)の方に、詩篇が書かれてあり、それを編者である堀內氏が『棄てられた不明詩の断片である』とするものが、紹介されている。それを、独立草稿と断じて、以下に示すこととした。恐らく、今まで殆んど知られていない草稿である。但し、これを以って全く「徑の曲りで」の制作時期と一致するとは言い難い。表に書いているからには、「徑の曲りで」よりも以前に詠まれたもの考えるのが、自然であろうと思う。]
(とほく とほく⋯⋯)
とほく とほく ひろがつてゆく
花は もう しほれることなく
あたらしく生き 時は ながれてながら
もう朽ちゆくものもない⋯⋯すべては解けて 色だ!

