[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここで視認出来る。]
(ピアノの町に⋯⋯)
ピアノの町にホテルがあつた
その部屋で僕は退屈な午後を持つた
窓をひらくと 白と黑とはいりまじり
つめたい位の眺めには歌もないのだ
僕は紅茶をすすり昔の詩人の眺めたピアノの町とのちがひやうを思ひ
しばらくしてそれが何んともいへず癪にさはつたのだ
眠ると たそがれがあつた
靄のかげで一群の音がなかを逃げて行つた
[やぶちゃん注:「ピアノの町」そうそうないから、すぐ判ると思ったが、底本の全集を「ピアノ」で検索して見ても、この「ピアノの町」が判らない。識者の御教授を乞う。]
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