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[やぶちゃん注:底本は初回を見られたい。本篇はここから、底本の注記はここで視認出来る。それに拠れば、昭和九(一九三四)年十月の『制作時付記を持つ』とある。]
天の誘ひ
それは哀しみに似てゐたが
人は知らぬ顏をして
日の暮れるのを待つてみた
――万事休矣
あたふたと旅仕度をした
かがやく雲と月は歸らず
[やぶちゃん注:「矣」は漢文の助字で置き字で読まない。全体は「ばんじきゆうす」(ばんじきゅうす)と読む。]