河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注中卷(六)寒天の說(その10) / 図版2
[やぶちゃん注:底本・凡例その他は、第一始動の記事、及び、「(一)鰑の說(その2)」の前注の太字部分を参照されたい。今回はここの右ページ。画像は、今まで通り、国立国会図書館デジタルコレクションの高解像度でダウンロードし、トリミング・清拭した。今回の画像は、かなり状態が良いので、そう手間は掛からなかった。但し、袋部分の曲がった罫線は、奇妙な立体性を感じさせてしまうことから、一部を抹消してある。]
【図版2】
「石花菜(てんくさ)」
「あらつち」
「志摩產。」
[やぶちゃん注:「石花菜」は「せつかさい(現代仮名遣:せっかさい)」で、広義では、「天草」(テングサ)のこと。アーケプラスチダ界 Archaeplastida 紅色植物門紅藻綱テングサ目テングサ科 Gelidiaceaeの多くの複数の種を含む。「寒天の說(その1)」でリンクした、私の古い「大和本草卷之八 草之四 海藻類 心太 (ココロフト=トコロテン)」を参照されたい。但し、この図を見る限りでは、形状から、テングサ属マクサ(真草) Gelidium elegans に同定比定してよいと思われる。以下の私の注も、必ず、見られたい。]
※
「石花菜(てんくさ)」
「なかまるすぢ」
「伊豆產。」
[やぶちゃん注:これは、産地が違うだけで、前者とは、有意な細部の違いを見出すことは出来ないから、やはり、テングサ属マクサ(真草) Gelidium elegans と同定比定する。但し、「寒天の說(その3)」の本文で、『石花菜は、海中の巖石に生ずる藻類(さうるい)にして、一根(いつこん)より、數十本を出(だ)して、多くの枝を分(わか)ち、紅白(こうはく/うすあかいろ)、黃・紫綠(しりよく/むらさきみどり)の數色あれども、槪(おほむ)ね、紫色(ししよく)にして、其(その)長さ、三、四寸より、七、八寸に至る。其品(そのひん)、位數(いすう)等(とう)あり。『大《おほ》ふさ』・『ながまるすぢ』を上品とし、『あらつち』、之に次』ぎ、『『姥草(うばくさ)』ハ、扁平にて、下品とす。紀伊にて『鬼草』、一《いつ》に『おにもくさ』、又、『ひらもくさ』と唱(となふ)るものは、形、平たくして、堅く、煮て溶(とけ)ること、遲し。故に、最も下等とす。』と述べているので、同種ではあるが、前の志摩産の「あらつち」は第二等の製品原料のマクサであり、こちらの「なかまるすぢ]の方は、最上品製品原料のマクサと区別することは出来ると言える。実際、上下を比較すると、全体の均整が、この下の図の方が遙かに整っていることが判る。]
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