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2026/04/02

立原道造草稿詩篇  (この闇のなかで⋯⋯)

[やぶちゃん注:底本・凡例その他は、本パートの初回のこちらを見られたい。本篇はここから、底本の注記はここから視認出来る。そこには、『草稿無題。』とある。

 この草稿は、以前に電子化したが、私の注もしていないので、削除し、仕切り直しとした。]

 

  (この闇のなかで⋯⋯)

 

この闇のなかで 私に

うたへ と呼びかけるもの

この闇のなかで だれが

うたへ と呼びかけるのか

 

時はしづかだ 私らの

ちひさいささやきに耐へぬほど

時はみちてゐる 私らの

ひとつの聲で 溢れ出るほど

 

とほい涯のやうに闇が

私らを拒んでゐる つめたく

身體は 彫像のやうだ

 

しかし すでに この闇の底に

信じられない光が 信じられる

私らの聲を それは 待つてゐる!

 

 

[やぶちゃん注:「拒んで」老婆心乍ら、「こばんで」と読む。

「身體」今更に言うこともないが、道造は詩の中では、まず、「からだ」と読んでいる。]

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