河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注中卷(六)寒天の說(その11) / 図版4~図版~了 / 上卷(六)寒天の說~完遂
[やぶちゃん注:底本・凡例その他は、第一始動の記事、及び、「(一)鰑の說(その2)」の前注の太字部分を参照されたい。今回はここの右ページ。画像は、今まで通り、国立国会図書館デジタルコレクションの高解像度でダウンロードし、トリミング・清拭した。今回の画像は、かなり状態が良いので、そう手間は掛からなかった。但し、袋部分の曲がった罫線は、奇妙な立体性を感じさせてしまうことから、一部を抹消してある。
この図は、上の図は、左右に別種を配置し、左の図ではキャプションを左端に配している。それを、まず、置いておいた。
やや時間がかかったが、これを以って、『河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注上卷(六)寒天の說』パートを終わる。]
【図版4】
「石花菜(ところてんぐさ)」
「うばくさ」 「房州産」
[やぶちゃん注:前の(右図)のみ、今までと違ってルビが「ところてんくさ」ではなく、「ところてんぐさ」と濁音になっている。
「うばくさ」「寒天の說(その3)」の注で、『「『大《おほ》ふさ』・『ながまるすぢ』を上品とし、『あらつち』、之に次き、『姥草(うばくさ)』ハ、扁平にて、下品とす。」これはテングサ類の素材の上等物から下等物の呼称のようである。』と注した。従って、広義には、「テングサ類」となるが、図を見るに、これは、テングサ属マクサ(真草) Gelidium elegans の未熟な若い個体と同定比定してよいと判断する。]
*
仝《どう》
「ひらくさ」
「ひらくさ」
[やぶちゃん注:「仝」は「同」の異体字。
「ひらくさ」これは、「說(その3)」の注で、国立国会図書館デジタルコレクションの下島勇馬著「冬期副業寒天製造法」(『通俗工藝叢書』第三編/大正六(一九一七)年有隣堂書店刊)の「第二章 原料」から引用した、
テングサ科ヒラクサ(平草)属ヒラクサ Ptilophora subcostata
である。以下、そこで私が注したものを転載すると、『私が最も重宝させて戴いている田中次郎先生の著になる「日本の海藻 基本284」(二〇〇四年平凡社刊)に拠れば、種名の『学名の由来』は『準(ある程度)+中肋のある』とあり、キャプションには『マクサに似るが、触るとかなりかたい。もっとも大きくなるテングサ類』とあり、『分布』は『日本沿岸中部・南部』とし、『生育場所』は『潮下帯の深所』、『高さ20~30㎝、枝の幅5㎜』で、『ヒラクサ属Ptilophoraは「やわらかい+持つ」の意。日本には2種が知られる。本種は、深い場所にしばしば生育し、潜水するともっともよく目につく海藻である。平たいからだをもつ。枝の中央部が少し膨らむ場合があることが学名の由来となっている。しかし中肋と判断できるはっきりした構造はない。テングサ類のなかでは。もっとも大型になる種。藻体の質はかたい。付着根はとても太い繊維からなる。』とある。但し、鈴木雅大氏の「生きもの好きの語る自然誌」の「ヒラクサ Ptilophora subcostata」の押し葉標本(三種)と比較して見るに、小さめの最後の藻体と比べても、極めてショボい。分岐した枝部分が殆んど発達していないので、この図のヒラクサは、ごくごく小さな幼体個体を描いたと言わざるを得ない。一応、グーグル画像検索「ヒラクサ Ptilophora subcostata」をリンクさせておく(同種でない画像も含まれるので注意されたい)。]
*
「ゑごくさ」 「越前產。」
[やぶちゃん注:これは、何度も注した、
イギス目イギス科イギス連エゴノリ属エゴノリ(恵胡海苔)Campylaephora hypnaeoides
である。「說(その3)」の私の注が最も詳しいので、見られたい。]
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