阿部正信編揖「駿國雜志」(内/怪奇談)正規表現版・オリジナル注附 「卷之二十四下」「隣村禁婚」
[やぶちゃん注:底本はここから。句読点・記号を附加・変更し、段落を成形した。]
「隣村禁婚《となりむら こんを きんず》」 止駄郡[やぶちゃん注:ママ。「志駄郡」の誤り。]上藪田村にあり。傳云《つたへいふ》、
「當村と、時か谷村の兩村、婚姻を、なさず。もし、遺風を背《そむき》て嫁娶《かしゆ》する者あれば、果して、早世す。
[やぶちゃん注:「上藪田村」現在の藤枝市上藪田(かみやぶた:グーグル・マップ)。
「時か谷村」ママ。「時が谷村《ときがやむら》」の誤記。「近世民間異聞怪談集成」(写本底本)では、正しく「時が谷村」となっている。現在の藤枝市時ケ谷(ときがや:同前)。上藪田とは、現在でも、北東で、直接に繋がっている。
「嫁娶」小学館「日本国語大辞典」に拠れば、『(「かじゅ」とも。「嫁」はよめいり、「娶」はよめとり )結婚すること。かしゅう。かすう。』とある。従って、「早世す」というのは、文脈上では、嫁になった女性、ということになる。
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以上の婚姻禁忌はネット、国立国会図書館デジタルコレクションの検索でも、全く見出せない。従って、その由来は全く判らない。しかし、本邦の民俗社会では、調べた限りでは、寧ろ、土地空間が接地している隣り村から婿・嫁を迎えることが、有意に多かった。過去に、この村の婚姻があり、何らかの事件が起こったからであろうが、何らの由来が判らない。郷土研究家の御教授を乞うものである。]
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