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2026/05/16

和漢三才圖會卷第九十二之本 草類 山草類 上卷・躍草

 

Odorikosou

 

をどりぐさ 俗稱

 

躍草

 

△按本草時珍所謂沙參之形狀與此能合焉此草高尺

 許莖微赤色葉似小葵而兩兩對生三四月葉本開小

 花白色帶微赤狀似人著笠躍故俗爲躍草其根絹長

 

   *

 

をどりぐさ 俗稱

 

躍草

 

△按ずるに、「本草≪綱目≫」に、時珍、謂所《いふところ》の『沙參《ササン》』の形狀、此《これ》≪と≫能《よく》合《がつ》す。此《この》草、高さ、尺許《ばかり》、莖、微赤色、葉、小葵《こあふひ》に似て、兩兩《ふたつながら》、對生し、三、四月、葉の本《もと》に小≪さき≫花を開く。白色≪に≫微赤を帶ぶ。狀《かたち》、人、笠を著《つけ》て躍るに似たり。故《ゆゑ》、俗、「躍草」と爲《なす》。其根、細長《ほそなが》し。

  

[やぶちゃん注:これは、

シソ目シソ科オドリコソウ亜科オドリコソウ属 Lamium album 変種オドリコソウ Lamium album var. barbatum

である。この種には、幾つかの疑問(特に種同定)があるが、まずは、当該ウィキを引く(注記号はカットした)。『オドリコソウ(踊子草、続断』『)は』『多年草』で、『基本種は、タイリクオドリコソウ( Lamium album var. album )』。『北海道、本州、四国、九州(および朝鮮半島、中国)に分布し、野山や野原、半日陰になるような道路法面に群生する』。『高さは30-50cmくらいになる。葉は対生し、その形は卵状3角形から広卵形で』、『上部の葉は卵形で』、『先がとがり、縁は粗い鋸歯状になり、基部は浅心形で葉柄がある』。『花期は46月、唇形で上唇は兜型、下唇は突き出して先端は2つに分かれた、白色またはピンク色の花で、数個輪生状態になって茎の上部の葉腋に数段につける。花のつき方が、笠をかぶった踊り子達が並んだ姿に似る』。『花の基部に蜜があり、観察実験の材料ともなる』。『近縁種』として、

ヒメオドリコソウ(姫踊子草)Lamium purpureum

ホトケノザ(仏の座)Lamium amplexicaule (葉の裏の気孔が大きく、顕微鏡観察の格好の素材として高校時代に本種を知った。連れ合いでさえ知らなかったので注意喚起しておくと、「春の七草」の「ほとけのざ」は本種ではない。現行では、この真正の現在のホトケノザを七草粥としても代用使用しているが、古来の「ほとけのざ」は、現在のキク目キク科ヤブタビラコ属コオニタビラコ Lapsanastrum apogonoides で、古くより、アクが強いため、茹で、三十分程度、水に晒して食用に供する

が挙げられてある。以下、『和名オドリコソウは、「踊子草」の意で、花が輪生した』様子『が、笠をかぶって踊る踊子に似ていることによる』。『種小名 album は、「白色の」の、変種名 barbatum は、「芒のある」「ひげの生えた」の意味』とあった。

 さて、私が同定に疑問があると考えたのは、何時もお世話になっている鈴木雅大氏の「生きもの好きの語る自然誌」の「オドリコソウ Lamium album var. barbatumのページを読んでのことである。そこでは、鈴木氏の経験が語られており、『日本各地に分布する種類ですが,近縁種のヒメオドリコソウ( Lamium purpureum )やホトケノザ( L. amplexicaule )と比べると少ないような気がします。和名の「踊子草」は,花の形が傘を被った踊り子のように見えることから付けられました。都市部が生活圏であるせいか,著者は2017年までオドリコソウを見たことが無く,漠然と「ヒメオドリコソウの花が大きいもの」と思っていました。しかし,初めて見たオドリコソウは,ヒメオドリコソウとはかなり様子が異なるもので,自分が見たものがオドリコソウだと知ったときは大変驚きました。』とあったからである。海藻の分類学者として知られる鈴木氏が、かく、謂われるからには、

本邦では、本当にオドリコソウを筆頭代表種として挙げてよいのだろか?

という素朴な疑問が起こってきたからである。

『「本草≪綱目≫」に、時珍、謂所《いふところ》の『沙參《ササン》』』「漢籍リポジトリ」の「本草綱目」の「漢籍リポジトリ」の「卷十二下」の「草之一【山草類上一十八種】」の、ガイド・ナンバー[036-25b]以下の「沙參」を見られたい。しかし、

★良安が、「この草の形状とよく合致する。」と言っているのは――誤り

である。「維基百科」で「沙參」で調べると、ここにあり、そこでは、

「沙參」はキキョウ目キキョウ科ツリガネニンジン属キキョウ科のシャジンAdenophora stricta である

からである。先行する「和漢三才圖會卷第九十二之本 草類 山草類 上卷・沙參」も参照されたい。

「小葵《こあふひ》」これは、

アオイ目アオイ科アオイ亜科ゼニアオイ(銭葵)属ゼニアオイ Malva mauritiana

の古名である。]

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