河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注 中卷(七)乾鰕の說(その14) 図版8 / (七)乾鰕の說~了
[やぶちゃん注:底本・凡例その他は、第一始動の記事、及び、「(一)鰑の說(その2)」の前注の太字部分を参照されたい。今回はここの左ページから。この図版類は、特に思いがあって、清拭に渾身の努力をかけた。それに就いては、「その7」の図版初回の冒頭注を、必ず見られたい。
なお、これを以って「(七)乾鰕の說」を完遂した。]
【図版8】
■「ちゑび」
「肥前國《ひぜんにくに》長﨑産。」
[やぶちゃん注:「ちゑび」は「稚鰕」であるが、食用にする若年個体のエビでは、通常、クルマエビやイセエビのそれを指すことが多い。しかし、相当小さな体長十センチメートルであっても、立派な触角が伸びるから、これは全体の細部の形状から、クルマエビの稚エビであると判断出来る。前回、述べた額角の鋸歯の数も丁度、九個を確認出来る。と言うより、イセエビには額角がなく、眼の上方に一対の額棘が出るのである。されば、これは、
根鰓(クルマエビ)亜目クルマエビ上科クルマエビ科クルマエビ属クルマエビ Marsupenaeus japonicusの、ある程度まで成長した食用製品として供し得る若い個体
と断じてよい。長崎は昔からクルマエビの産地として知られているが、全国的に天然のクルマエビは減少の一途を辿ってきている。長崎魚市株式会社公式サイト内の「車海老:クルマエビ」のページに、『種苗生産が可能になったため、海に放流されたり、各地で養殖が行われています。長崎魚市では、橘湾で小型底曳網によって漁獲されたクルマエビが、沿岸の漁港で水揚げされ』、『毎日、長崎魚市に入荷されています。夏が旬です。』とある。「ひなたGIS」で橘湾をポイントした。]
■「干鰕(ほしゑび)」
「出雲産。」
[やぶちゃん注:図の形状と産地から、
十脚目タラバエビ科タラバエビ属ホッコクアカエビ Pandalus eous
である。]
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