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2026/05/23

河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注 中卷(七)乾鰕の說(その13) 図版7

[やぶちゃん注:底本・凡例その他は、第一始動の記事、及び、「(一)鰑の說(その2)」の前注の太字部分を参照されたい。今回はここの左ページから。この図版類は、特に思いがあって、清拭に渾身の努力をかけた。それに就いては、「その7」の図版初回の冒頭注を、必ず見られたい。

 

【図版7】

 

Hosiebi7

 

■「大《おほ》ゑび」

   「一名「たらばゑび」。」

   「越後國《えちごのくに》

    西濵《にしはま》産。」

 

[やぶちゃん注:これは、産地から、

十脚目タラバエビ(鱈場海老)科タラバエビ属トヤマエビ(富山海老) Pandalus hypsinotus

である。当該ウィキに拠れば(注記記号はカットした)、『日本海の全域からベーリング海にかけて生息する、寒海深海性のもので、水深100mー200m程度のところに棲む。水深350mまでとしている書物もある。 富山湾で最初に漁獲されたことから「トヤマエビ」と名付けられ、漁獲高も多い』。『標準和名としては「トヤマエビ」で、標準和名「ボタンエビ」』(牡丹海老)『の』同属であるタラバエビ属『 Pandalus nipponensis 』(そもそも、同種は日本海には棲息しないのである当該ウィキに拠れば、『日本海には分布せず、北海道南部から四国までの太平洋側に分布する日本固有種で、大陸斜面の水深300-500mに生息する』。『かつては福島県の小名浜沖、東京湾、高知県の土佐湾などでも獲れたが』、『沖合底曳網漁の衰退により、現在では千葉県の銚子沖や静岡県の駿河湾、三重県の尾鷲沖などで少し獲れるだけになってしまった。市場には「牡丹海老」の名で複数種の赤いエビが出回っている。 10月から5月にかけて、底引き網漁で捕獲される。ボタンエビは傷みやすいので、生きたまま持ち帰るためには鮮度を保ついろいろな工夫が必要となる』とある。なお、和名であるが、『第1 - 5腹節の側面に各2個の赤い不定形の斑紋(はんもん)があ』り、『この斑紋が』、『牡丹の花びらを散らしたように見えることが名前の由来であるという説と、体色が全体に赤く』、『牡丹色が連想されたことが由来であるという説が見られる』とある)『とは別だが、一般にはボタンエビとも呼ばれることがある。ほか、「タラバエビ」、「キジエビ」と呼ぶ所もある』。『体長は17cmほどで、大きい物では25cm以上になるものもある。額角は前部が』、『上にそり、頭胸甲長の1.5倍ある。武田正倫の記述によれば、生きている時は淡紅色で、頭胸甲側面には不規則な斑紋、腹側に赤褐色の横じまがある。ボタンエビにはこの横じまがなく、また頭胸甲の背の部分の曲線は、トヤマエビが急であるのに比べ、ボタンエビは緩やかである』。『2年目は体長10cm程度でオスとして成熟するが、他のタラバエビ科のエビと同様に性転換する』。『4歳頃までは雄で、4歳半で性転換をして雌に変わり、5歳で1回目の産卵をする。1年間抱卵を続けた後、卵を孵化させて幼生を放つ。その後1年は抱卵せず、満7歳で2回目の産卵をし、1年間の抱卵後、孵化させ、8歳で寿命が尽きる』。『10月から翌年5月まで、底引き網、えびかご網により捕獲される』。『旬は冬季』(以下にある『「独島エビ」問題』はカットする)。以下、「地方名」の項には、十のそれが以下のように示されてある(一部に附言した)。

ボタン・ボタンエビ(北海道後志・檜山・小樽、青森県鯵ヶ沢・小泊、秋田県、山形県、石川県金沢、福井県、京都府)

オオエビ(北海道後志・檜山、石川県金石、福井県越前)

キズエビ(富山県滑川)

コエビ(青森県深浦、大型抱卵個体)

サルエビ(石川県宇出津)

シマエビ(山形県)

シロエビ(北海道・兵庫県香住町(かみちょう)

タラバエビ(山形県・石川県西岸)

トラエビ(北海道)

マタエビ(石川県西海)

「越後國西濵」現在の新潟県糸魚川市能生(のう)西浜エリア(グーグル・マップ・データの「西浜児童遊園」をポイントした)を指す。]

 

■「まゑび」

  「土佐國《とさのくに》幡多郡《はたのこほり》

      宿毛村《すくもむら》産。」

 

[やぶちゃん注:「まゑび」「マエビ」は、業務用食材仕入れ・卸売を扱う八面六臂株式会社の公式サイト「八面六臂」の「クルマエビ」のページの「名前の由来」の項に、『身体を曲げると』、『縞模様が車輪のように見えることに由来する。5cm以上のものをクルマエビ、10~15cmのものをマキ、それ以下のものをサイマキ(細巻)、特に大きい20cm以上のものはオオグルマ(大車)と呼ぶ。別名にアエビ、ハルエビ、ホンエビ、マエビ』(☜)『、マダラエビなどがある。』とあった。クルマエビと似ており、産地の宿毛附近でも混淆して漁獲される、クルマエビ科ウシエビ属クマエビ Penaeus semisulcatusがあるが、図を見ると、額角の鋸歯の数が、八個視認出来る。クマエビのそれは、六個で、多過ぎる。ただ、似ているクルマエビは、九~十個を持つ。絵師が一個を描き損ねたか、最も先頭にある一個を視認出来ないほどに、薄く、小さかったことから、描いていない可能性、或いは、生体時に何らかの理由(漁獲時に折れた可能性も考えられる)で、それを欠いてしまった個体であったと考え、

根鰓(クルマエビ)亜目クルマエビ上科クルマエビ科クルマエビ属クルマエビ Marsupenaeus japonicus

に同定する。

「土佐國幡多郡宿毛村」現在の高知県宿毛市。宿毛湾に面する。グーグル・マップでは湾名が出ないので、「ひなたGIS」で示した。]

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