河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注 中卷(七)乾鰕の說(その11) 図版5
[やぶちゃん注:底本・凡例その他は、第一始動の記事、及び、「(一)鰑の說(その2)」の前注の太字部分を参照されたい。今回はここの左ページから。この図版類は、特に思いがあって、清拭に渾身の努力をかけた。それに就いては、「その7」の図版初回の冒頭注を、必ず見られたい。]
【図版5】
■「干赤蝦(ほしあかゑび)」
「鹿兒島縣大隅國《おほすみのくに》
囎於郡《そおのこほり》濵之市《はまのいち》。」
[やぶちゃん注:この場合の「赤蝦」は、取り敢えず、名にし負う、
クルマエビ科アカエビ(赤海老)属アカエビ Metapenaeopsis barbata
を挙げておくが、いろいろ調べてみると、「赤蝦」と呼称するものの、同属の別種、及び、別科或いは別属の種が、複数、有意に含まれている可能性が大であること、明治時代から隔てて、現代では、産地とする当該地でクルマエビ養殖が現に行われていること等が、多数、確認出来たため、以下で混淆する種、及び、その可能性が極めて高い種を割注で入れ込み、理由を示した(太字・下線は私が附した)。
まず、今までの私の注ではアカエビを示していないので、当該ウィキを引く。(注記記号はカットした)。『西日本から東南アジアまでの温暖な内湾に生息するエビで、食用にもなる』。『但し、日本では「アカエビ」の呼称は本種以外の「赤い体色のエビ」にも地方名として広く用いられる。例えば』、『同じクルマエビ科ではトラエビ』(虎海老:クルマエビ科アカエビ属 Metapenaeopsis acclivis :東京湾・三河湾・瀬戸内海・有明海・鹿児島湾に多く棲息)『やサルエビ』(猿海老:クルマエビ科サルエビ属サルエビ Trachysalambria curvirostris :錦江湾では底曳網で少量混獲され、浅海にも棲息する)、『クルマエビ科以外のナミクダヒゲエビ』(並管髭海老:クダヒゲエビ科クダヒゲエビ属ナミクダヒゲエビ Solenocera melantho :鹿児島県錦江湾が主な漁場)『やホッコクアカエビ』(北国赤海老:十脚目タラバエビ科タラバエビ属ホッコクアカエビ Pandalus eous :島根県以北の日本海沿岸から宮城県沖以北の太平洋・オホーツク海・ベーリング海・カナダ西岸までの北太平洋に広く分布。日本海は南限)『等も地方によって「アカエビ」と呼ばれる』。『成体は体長12cmに達するが、流通するのは5-10cm程度の個体が多い。メスの方がオスより大きい。クルマエビよりも小さく、体型も細長い。体表全てに短毛が生えていて光沢はなく、手触りはザラザラしている。体色は赤褐色で、紫褐色の不規則な斑紋がある。標準和名は体色が赤褐色であることに由来するが、同属のトラエビ M. acclivis の方が赤みが強い。額角上縁に6-7個の鋸歯があるが、下縁には無い。眼の周りの頭胸甲上には触角上棘、胃上棘、肝上棘がある。頭胸甲後側縁の「発音器」(鉄道の枕木のように等間隔に並ぶ僅かな突出)は18-25個で、同属のミナミアカエビ M. palmensis 』(同種は、本邦では西日本沿岸から南西諸島に分布し、学術論文で土佐湾に棲息していることが記載されているから、錦江湾にも棲息すると考えてよい)『(発音器6-12)、トラエビ(発音器13-18)等と区別できる』。『鰓腔内に』(等脚(ワラジムシ:草鞋虫)目ウオノエ(魚の餌)亜目エビヤドリムシ(蝦宿り虫)科)『エビヤドリムシ Parapenaeon consolidata が寄生することがあり、寄生された個体は頭胸甲側面の一部が円く膨らむ』。アカエビは『相模湾以南の西日本からマレーシアまで、北西太平洋の温暖な海域に分布する。内湾の砂泥底に生息し、日本では三河湾・伊勢湾・瀬戸内海・有明海・八代海に多い』。『トラエビ、キシエビ』(クルマエビ科アカエビ属キシエビ Metapenaeopsis dalei :漢字表記不詳。土佐湾に棲息するので、錦江湾に棲息すると考えてよい)、『サルエビ等の類似種とともに、底引き網等の沿岸漁業で漁獲される。高級ではないが』、『手頃な食材として流通し、むきえび、干物、唐揚げ、煮つけ、佃煮等に幅広く利用される。食用以外にはマダイ等の釣り餌に使われることもある』とある。
以上が私の注出来る限界であり、凡そ、この図から、種を限定することは私には出来ない。悪しからず。限定出来る方は、御教授下さい。
「鹿兒島縣大隅國囎於郡濵之市」正確には、「濵之市村」(はまのいちむら)である。現在の鹿児島県霧島市隼人町(はやとまち)真孝(しんこう)。ここ(グーグル・マップ・データ)。]
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