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2026/06/04

阿部正信編揖「駿國雜志」(内/怪奇談)正規表現版・オリジナル注附 「卷之二十四下」「木葉天狗」

[やぶちゃん注:底本はここから。句読点・記号を附加・変更し、段落を成形した。]

 

 「木葉天狗《このはてんぐ》」 志太郡《しだのこほり》大井河の邊《あた》りに有り。「諸國里人談《しよこくりじんだん》」云《いはく》、

『駿《すん》・遠《ゑん》の境《さかひ》、大井川に、「天狗」を見る事、あり。闇《やみ》なる夜《よ》、深更に及《および》て、潜《ひそか》に土手堤《どてつづみ》の陰《かげ》に忍びて窺《うかがふ》に、鳶《とび》の如くなるに、翅《つばさ》の徑《わた》り、六尺計《ばか》りある大鳥《おほとり》のやうなるもの、川面《かはも》に、餘多《あまた》、飛來《とびきた》り、上《のぼ》り下《くだ》りして、魚《さかな》を捕るのけしき也。人音《ひとおと》すれば、忽《たちまち》、迯去《にげさ》れり。是は、俗に云《いふ》、術《じゆつ》なき「木の葉天狗」などいふ類《たぐ》ひならん。云云《うんぬん》。』。

 

[やぶちゃん注:私は、既に、ブログ・カテゴリ「怪奇談集」1,000記事で満杯)で菊岡沾凉(きくをかせんりやう(きくおかせんりょう))の「諸國里人談」の全篇電子化注を2018年に終えている(但し、Unicode導入以前で正字化不全がある)。作者については、『菊岡沾凉「諸國里人談」始動 / 諸國里人談卷之一 和布刈』(今回、正字その他の補正をした)で解説してある。本該当記事は「諸國里人談卷之二 木葉天狗」(今回、正字その他の補正をした)であるので、注も、そちらを見られたい。本文表記には、部分的な異同があるが、同書自体の版の違いもあるから、特に本引用に問題は認められない。なお、最後に「云云」があるが、この場合は――以下を省略したり、ぼかしたりするときに、その末尾に添えることば。――の意ではなく、今一つの用法である――省略でなく、普通の文末を間接話法の形で結ぶことば。――としての用法である。

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