阿部正信編揖「駿國雜志」(内/怪奇談)正規表現版・オリジナル注附 「卷之二十四下」「白蛇」
[やぶちゃん注:底本はここから。句読点・記号を附加・変更し、段落を成形した。]
「白蛇《はくじや》」 志駄郡《しだのこほり》花倉村《はなぐらむら》にあり。里人《さとびと》云《いふ》、
「當村の巨巖中《きよがんちゆう》に白蛇あり。常に岩の中虛《なかうつろ》を匍匐《ほふく》す。近隣の民《たみ》、來《きた》る每《ごと》に、岩の破《やぶれ》より、米を穴中《あななか》に投ず。蛇、是を喰《くひ》て、冬月といへども、他に、去らず。其全身、銀の如く、光、あり。岩中《いはなか》に穀《こく》を食《しよく》して、他《ほか》に去らざる、一奇《いつき》と云《いふ》べし。」≪と≫。
[やぶちゃん注:「白蛇」大きさや形状が示されていないので、種は全く判らないが、天然記念物指定されている「岩国のシロヘビ」で知られるそれは、有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科ナミヘビ亜科ナメラ属アオダイショウ Elaphe climacophora の白化個体(albino:アルビノ)であり、他にも本邦で「神のお遣い」とされて信仰されているものも同種である。私の家の斜面にも、長年、アオダイショウが棲んでいる。体長は昨年見た時は、二メートル近くあったので、老個体である。
「志駄郡花倉村」現在の藤枝市花倉(はなぐら:グーグル・マップ航空写真)。大半は山林である。]
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