河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注 中卷(八)乾貝並貝柱の說(その24) 図版7~(八)乾貝並貝柱の說~了
[やぶちゃん注:底本・凡例その他は、第一始動の記事、及び、「(一)鰑の說(その2)」の前注の太字部分を参照されたい。今回はここの左ページ。
なお、一部に、明らかな、印刷時に生じた縦・横方向の白いスレがあるので、黒で、不自然にならぬよう、潰しておいた。
これを以って、「(八)乾貝並貝柱の說」を終了する。また、ここで「中卷」は終わっている。]
【図版7】
■「たいらきかい」「三分の一。」
■「ほしたいらきはしら」
「自然形。」
「一」
「二」
「三」
「四」
[やぶちゃん注:既に解説ページの「(その17) 玉珧介柱」で示した通り、学名に変更が求められているので、再度、私の注を部分的に引用する。これは、
斧足綱翼形亜綱イガイ(貽貝)目ハボウキガイ(羽箒貝)科クロタイラギ属タイラギ
であるが、同種については、長く
タイラギ Atrina pectinata Linnaeus, 1758
を原種とし、本邦に棲息する
殻表面に細かい鱗片状突起のある有鱗型
と、
鱗片状突起がなく殻表面の平滑な無鱗型
を、
生息環境の違いによる単なる形態の個体変異
としたり、二種ともに、
Atrina pectinata の亜種
として扱ったりしてきたのであるが、一九九六年、アイソザイム分析(isozyme:イソチーム・アイソエンザイム isoenzyme・イソ酵素とも呼ぶ。同位酵素のこと。従来は均一の成分と考えられていた酵素は、蛋白分画技術の進歩によって,いくつかの成分に分離されることが判ってきた。そこで、酵素としての働きは同じであっても、電気泳動法などの分離方法によって分類すると、分子構造や物理的・化学的性質などの異なる一群の酵素を「アイソザイム」と名付けたものである。以上は「ブリタニカ国際大百科事典」の解説を元にした)の結果、
◎有鱗型と無鱗型は全くの別種である
ことが明らかとなった。現在、前者の有鱗型は一応、
Atrina lischkeana Clessin,1891
に同定されているが、確定的ではない。
さらに加えて、これら二種間の★雑種が、
自然界には一〇%以上は存在する
ことも明らかとなっている状態である。種同定に十数年以上も専門家の間で決着が着いていない。この最初の図だけでは、判断が出来ないが、
★殻表の描き方から見るに、つるりとした照(て)カリが、全く、見えないことから、有鱗型である可能性が極めて高い
と私は判断するものである。]
■「いたやかい」
「二分≪の≫一。」
■「いたやかいはしら」
「自然形。」
「一」
「二」
「三」
「四」
■「いたやかい」
「二分ノ一。」
■「いたやかいはしら」
「一」
「自然形。」
「二」
「三」
「四」
「五」
[やぶちゃん注:これら十二図は、
翼形亜綱イタヤガイ(板屋貝)目イタヤガイ上科イタヤガイ科イタヤガイ属イタヤガイ Pecten albicans
である。解説ページは「(その14) 板屋貝柱」である。]
■「ばかかい」
「三分≪の≫二。」
■「ばかがひはしら」
「一」
「二」
[やぶちゃん注:これは、専ら、「アオヤギ(青柳)」の呼称で知られる、
異歯亜綱バカガイ科バカガイ属バカガイ Mactra chinensis
である。但し、本説では、当該ページが存在しないのである。その代りに、「(その9) 乾潮吹」(=斧足綱異歯亜綱バカガイ科バカガイ属シオフキ Mactra veneriformis )があり、そこで、バカガイについての問題に関わる私の注を附してあるので、そちらを見られたい。]
« 河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注 中卷(八)乾貝並貝柱の說(その23) 図版6 | トップページ | 河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注 下卷(九)乾魚並に䀋魚の說(その1) »


