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2026/08/30

河原田盛美著「淸國輸出日本水產圖說」正規表現版・オリジナル電子化注 下卷(九)乾魚並に䀋魚の說(その14) 鰺乾物

[やぶちゃん注:底本・凡例その他は、第一始動の記事、及び、「(一)鰑の說(その2)」の前注の太字部分を参照されたい。今回はここから。]

   鰺乾物《あぢのひもの》

 鰺(あぢ)は「倭名鈔」・「新撰字鏡」ともに『阿遲(あぢ)』と訓す。而して、漢名は『小竹筴魚(しようちくきようぎよ[やぶちゃん注:ママ。正しくは「せうちくけふぎよ」。])』と書(しよ)し、全國の海に產す。鰺の乾物(ひもの)を製するも、往古(わうこ)よりのことにして、「延喜式」に『內膳司食料(ないぜんししよくりやう[やぶちゃん注:ママ。「りやう」は「れう」が正しい。])』『干鰺《ほしあぢ》三十隻《せき》』とあり。「本朝食鑑」曰く、『駿(するが)・豆(いづ)・房(あは)・總(かづさ)の海濵采者(かいひんにとるもの)、最(もつとも)美(び)なり。』と。夏月(かげつ)、圓肥(まるくこへ[やぶちゃん注:ママ。「こえ」でよい。])たるもの、味、甚(はなはだ)、香美(かうび)にして、炙食(あぶりぐひ)に、最(もつとも)宜(よ)し。鮓(すし)となし、煑魚(にぐひ[やぶちゃん注:意訓。])、又は、膾(なます)となして、佳(か)なり。『中脹(ちうてう[やぶちゃん注:ママ。厳密には「ちゆうちやう」が正しい。])』と號《がう》す。腊鮝(さくしやう)となすも、味、亦、佳良なり。冬(とう)・春(しゆん)の際(さい)、魚(うを)、瘠(やせ)、味なき故(ゆへ[やぶちゃん注:ママ。])に、之れを、乾曝(ほしかわか[やぶちゃん注:ママ。])して民間の用(よう)とす。一種、『室鰺(むろあぢ)』といふもの、あり。狹小肉薄(きょうしようにくはく)故(ゆへ[やぶちゃん注:ママ。])に、乾燥(かんそう[やぶちゃん注:ママ。])す。又、『島鰺(しまあぢ)』といふもの、あり。伊豆七島の鹹乾(しほほし)のものを『くさやの乾物(ひもの)』といふ。近時(きんじ)、淸國輸出乾魚中(ひしうをちう)の一(いち)とす。

[やぶちゃん注:「(その2)」で、『代表種は条鰭綱アジ目アジ科アジ亜科マアジ(真鯵)属マアジ Trachurus japonicus であるが、広義のアジは、マアジを含むムロアジ(室鯵)群・ヨロイアジ(鎧鰺)群・ギンガメアジ(銀紙鯵・銀亀鯵・銀河目鯵)群に分類され、非常に種が多い。各個解説に譲る。』と注したが、以上の各個解説は、結果して、マアジを語っていると考えてよく(正直、貧弱である)、終りの部分は、先にバラシてしまうと、実は河原田氏は恰(あたか)も自分が言っているように書いているように見えるが、後で見る通り、実は、そこも、概ね、「本朝食鑑」の本文を、ほぼ元にしているので、その後の注で、ムロアジとシマアジは示すこととする。『何で、マアジをメインにして、それで、いいのか?』と疑問を持たれる方のために、小学館「日本大百科全書」の「マアジ」の項の冒頭を引用しておく(太字は私が附した)。『北海道南部以南の日本各地の沿岸、東シナ海、朝鮮半島の沿岸に分布する。マアジ属は背びれと臀(しり)びれの後ろに小離鰭(しょうりき)がないこと、稜鱗(りょうりん)(鋭い突起を備えた肥大した鱗(うろこ)。一般には「ぜんご」「ぜいご」ともいう)が側線の全体にわたって発達することなどで特徴づけられ、日本には本種しかいない。』(☜★☞)『日本産アジ類のなかでもっとも普通の種類である』とあるからである。以下、ウィキの「マアジ」を引いておく(注記記号はカットした。一部、私が太字にした。)。『北西太平洋の沿岸域に分布する海水魚である。日本では重要な食用魚の一つで、単に「アジ」といえば』、『通常は本種を指す』。『成魚の全長は50cmに達するが、よく漁獲されるのは30cm程度までである。体は紡錘形で』、『やや側扁し、頭長は体高より長い。側線は体の中ほどで下方に湾曲し、背鰭第8軟条下から尾まで直走する。この側線上には全体にわたって稜鱗(りょうりん:俗称「ぜんご」「ぜいご」)と呼ばれる棘状の鱗が69-73個並ぶ。臀鰭の前端部には2本の棘条がある。鰓蓋(さいがい、えらぶた)上縁には1つの黒色斑がある。口内では両顎・口蓋骨・鋤骨(じょこつ)・舌に細歯がある。背側は緑黒色で腹側は銀白色、中間域は金色である』。『体色と体型は、浅海の岩礁域に定着する「居つき型(瀬付き群)」と、外洋を回遊する「回遊型(沖合回遊群)」で異なる。居つき型は全体的に黄色みが強く、体高が高い。一方、「回遊型」は体色が黒っぽく、前後に細長い体型をしている。例えば、東京湾沿岸では居つき型を「キンアジ」「キアジ」、回遊型を「ノドグロ」「クロアジ」などと呼んで区別する』。『ムロアジ属 Decapterus 諸種、メアジ Selar crumenophthalmus などの類似種がいるが、本種は第二背鰭・臀鰭の後ろに小離鰭が無いこと、側線のすべてが稜鱗で覆われること、側線が体の中ほどで大きく下方に湾曲することにより、区別できる。関西ではマアジを赤アジ、ムロアジを青アジとも呼ぶ』。『北西太平洋の固有種で、北海道から九州までの日本各地、朝鮮半島周辺から東シナ海などに分布する。特に日本海や東シナ海で個体数が多い。地方毎に独立した地方系群もあると考えられ、これらは』、『遺伝子プール・形態・生態・産卵地も』、『わずかずつ』、『異なる』、『とされる。主なものは九州北部群、東シナ海中部群、東シナ海南部群、小さい群として九州南方域、高知沖、関東伊豆付近、瀬戸内海、富山湾がある』。『回遊型は』、『沿岸から沖合の中層・底層を群れで遊泳する。季節に応じた長距離の回遊を行い、春に北上・秋に南下する。一方、居つき型は』、『浅海の岩礁付近に定着し、季節的な回遊をしない。食性は肉食で、動物プランクトン、甲殻類、多毛類、イカ、他の小魚などを捕食する』。『産卵期は地域の気候によって異なり、東シナ海では1月だが』、『北海道では8月となる。早春の東シナ海で仔魚・稚魚が多数見られることから、回遊型は東シナ海で産卵し、これらが黒潮に乗って東アジア沿岸域に分散すると考えられている。産卵数は全長20cm台のメスが約10万-30万、全長34cm以上で36万-56万に達する。卵は直径0.8-0.9mmの分離浮性卵で、40時間ほどで全長2.5mmの仔魚が孵化する。幼魚は流れ藻に付くことがあり、内湾の浅い海でも見られる。2-3年で成熟し、寿命は最長12年という記録がある』。『主として薄明薄暮性(crepuscular)』(クリスパキュラー:生物学では「薄明や薄暮の時間帯に活動する性質」を指す)『の行動様式を示す沿岸性回遊魚であるが、その日周リズムは環境条件に応じて柔軟に変化し、弱いカテメラリティ(cathemerality)』(:昼夜の区別なく、二十四時間の周期を通じて、不規則、且つ、断続的に活動する行動パターン指す語。)『を併せ持つとされる。日中は中層から深場に散開して回遊するが、潮流の変化やベイトの集中が生じた場合には積極的に採餌活動を行う。夕暮れから夜間にかけては警戒性が低下し、岸近くや常夜灯周辺に接岸して活発な摂餌行動を示す。朝夕の薄明薄暮時が最も高い捕食活動を示す一方、昼夜を問わず条件が整えば高活性を示す点から、生態学的には厳密な夜行性には分類されず、薄明薄暮性を基調としつつ』、『カテメラル的な柔軟性を備えた種として位置づけられる』。『マアジは薄明薄暮性を主体とするが、捕食圧・潮流・ベイトの分布など環境条件に応じて日中および夜間にも活動を行う弱カテメラル性を示す。この柔軟な行動リズムは、捕食者から行動時間を予測されにくくする時間的不可視性(temporal crypticity)』(=テンポラル・クライプティシティ=時間的隠蔽性)『の一形態とも解釈され、捕食回避戦略として機能している可能性が指摘されている』。マアジの『寿命は』五~六『年』である。以下、「名称」の項。『本種は日本産アジ類の中でも』、『特に漁獲量が多く代表種となっていることから、「真」が付く。新井白石は「アジとは味也、その味の美をいふなりといへり」と記している。食用に利用する際は大きさによって「小アジ」「中アジ」「大アジ」などとも呼ばれる』(ウィキの「アジ」=アジ亜科 Caranginaeの「語源」に拠れば、『諸説はあるが、日本語の「アジ」は味が良いことに由来するといわれる。「魚」に「参」と書く漢字が当てられるが、この由来は諸説あり』、「」(音「ソウ」。意味は「魚が生臭い」」の意の漢語)。の字の写し間違いであるとする説、「おいしくて参ってしまう」の意であるとする説、最も美味の季節が旧暦の』三『月に当たるので』、『旁』(つくり)『に数字の「参」が使われたとする説などがある。』とある。)『地方名も多く、アヅ(富山・秋田)、メダマ(東京)、ノドクロ、クロアジ(東京:回遊型を指す)キアジ、キンアジ(東京:居つき型を指す)、アカアジ(関西:稚魚を指す)、ヒラアジ(和歌山・大阪・広島)、ホンアジ(和歌山)、トツカアジ、トツカワ(和歌山)、オオアジ(神戸・松江)、オニアジ(兵庫明石)、メックリアジ(神戸・明石・淡路島北部周辺)、ゼンゴ(中国・四国地方)、アジゴ(中国・四国地方:小型のもの)、キンベアジ(鹿児島)、ジンタン(鹿児島:稚魚を指す)などがある。関アジは豊予海峡で漁獲し、大分県大分市佐賀関で水揚げしたアジの』ブランド名『である』。『日本では重要な食用魚として、定置網、巻き網、引き網、刺し網、釣りなど各種の漁法で大量に漁獲される。ほぼ季節を問わず漁獲されるが、旬は夏とされている』。『身はピンク色で、ある程度の脂肪を含む。白身魚と赤身魚の中間の身質をもち、青魚の一種に数えられる。回遊型は漁獲量が多く、身の脂が少ない。居つき型は漁獲量が少なく、身の脂が多い』。『用途は唐揚げ・南蛮漬け・フライ(アジフライ)・ムニエル・塩焼き・煮付け・刺身・たたき・寿司種・干物・つみれなど極めて幅広い。大きさによって調理法も異なり、小さなものは唐揚げにされることが多い。薬味にはネギやショウガを用いる。房総半島周辺のなめろうなど、郷土料理も各地にある』。以下、「釣り」の項であるが、前置きのみで、以下はカットした。『大型個体は一本釣りなどで狙うこともあるが、中型・小型のものはアミ類などをまき餌(コマセ)として使い、サビキで釣り上げる方法が一般的である。中には』、『茨城や千葉などコマセなしで行う地域もある。夜には船舶や漁港などの集魚灯によく集まるので、夜釣りの対象ともなっている。陸からの釣りはサビキ釣り、カゴ釣り、ウキフカセ釣り、延べ竿のウキ釣り (float fishing) 、ルアー釣り』(Fishing lure)『などもある』とある。

『「延喜式」に『內膳司食料(ないぜんししよくりやう)』『干鰺《ほしあぢ》三十隻《せき》』とあり。』国立歴史民俗博物館の「デジタル延喜式 Engi shiki Database」(底本は「凡例」を見られたい)で当該部を見ることが出来る。画像は「内膳 1 春日春祭条 項1」の「6」コマ目(そのコマを手動で動かす必要がある)の右丁の二行目である。リンク先に同箇所の校訂文と現代語訳が載るので、以下、引用する(現代語訳の読みはルビであるが、そのままコピー・ペーストしたので、前後は半角空けとなっている)。【 】内は同データベースの「引用の記載例」をそのまま用いた。

   *

校訂文

六月神今食料〈十二月准此、〉

淡路 塩二升、東鰒七斤五両、薄鰒六斤十両、堅魚五斤、干鯛六隻、干鯵卅隻、鮨鰒・煮塩年魚・ 醤鮒 各二升、甘塩鯛四隻、海松・海藻各六斤十両、干棗子・生栗子・搗栗子・菱子各二升、〈十二月以橘子代菱子、〉瓫四口、堝十口、〈大四、小六、〉松明八束、供奉官人二人、膳部六人、各給暴布襅一条、〈長八尺、〉【『デジタル延喜式(国立歴史民俗博物館 khirin t)』校訂文(内膳 6 神今食条 項1)、https://khirin-t.rekihaku.ac.jp/engishiki/item/39200601/、2026年8月30日閲覧】

現代語訳

六月の 神今食 かんいまけ に供給する品〈十二月もこれに準じる〉

淡路 あわじ の塩二升、 東 あずま アワビ七斤五両、 薄 うす アワビ六斤一〇両、カツオ五斤、干し 鯛 だい 六尾、干し 鰺 あじ 三〇尾、アワビのなれ 鮨 ずし ・ 煮塩 にしお のアユ・ 醤漬 ひしおづ けの 鮒 ふな それぞれ二升、 甘塩 あまじお の鯛四尾、 海松 みる ・ワカメそれぞれ六斤一〇両、干しナツメ・生栗・干してむき身にした 搗 か ち栗・ 菱 ひし の実それぞれ二升〈十二月は菱の実の代わりに 橘 たちばな の実を用いる〉、 瓫 ほとぎ 四 口 く 、 堝 なべ 一〇口〈大四、小六〉、たいまつ八束。奉仕する 内膳司 ないぜんし の官人二人・調理担当の 膳部 かしわで 六人にそれぞれ麻のさらしの 襅 ちはや 一条〈長さ八尺〉を支給せよ。【『デジタル延喜式(国立歴史民俗博物館 khirin t)』現代語訳(内膳 6 神今食条 項1)、https://khirin-t.rekihaku.ac.jp/engishiki/item/39200601/、2026年8月30日閲覧】

   *

『「本朝食鑑」曰く、『駿(するが)・豆(いづ)・房(あは)・總(かづさ)の海濵采者(かいひんにとるもの)、最(もつとも)美(び)なり。』と。夏月(かげつ)、圓肥(まるくこへ)たるもの、味、甚(はなはだ)、香美(かうび)にして、炙食(あぶりぐひ)に、最(もつとも)宜(よ)し。鮓(すし)となし、煑魚(にぐひ)、又は、膾(なます)となして、佳(か)なり。『中脹(ちうてう)』と號《がう》す。腊鮝(さくしやう)となすも、味、亦、佳良なり。冬(とう)・春(しゆん)の際(さい)、魚(うを)、瘠(やせ)、味なき故(ゆへ)に、之れを、乾曝(ほしかわか)して民間の用(よう)とす。一種、『室鰺(むろあぢ)』といふもの、あり。狹小肉薄(きょうしようにくはく)故に、乾燥(かんそう)す。又、『島鰺(しまあぢ)』といふもの、あり。』国立国会図書館デジタルコレクションの「本朝食鑑」(元禄一〇(一六九七)年板)の当該部を見られたい。訓点附きで、はっきり言って、江戸時代の本草書(=博物学書)としては、非常に読み易いものであるので、訓読はしない。先に前触れした通り、河原田は最後の二文のみが、彼の実際のオリジナル部分なのである。簡単に語注をしておく。

・「鮓(すし)」この場合の以上は、古(いにし)えからあった御飯と魚を発酵させた「熟(な)れ鮓(ずし)・馴(な)れ鮓)とは違って(変態好きの私の『カテゴリ「今昔物語集」を読む 始動 / 卷第三十一 人見酒販婦所行語第三十二』を参照されたい)、発酵をさせずに、酢をさっと加えて調理した「早鮓(はやずし)」を指す。この処理は、一六〇〇年代=慶長五年から元禄十二年の間に生じて、急速にポピュラーになっていったものとされる。

・「中脹(ちうてう)」「なかふくらみ」とは、腹部が、腐れているのではなく、豊かに膨れ上がっているさまを言っている。

・「腊鮝(さくしやう)」干し魚。

「室鰺(むろあぢ)」狭義には、

アジ亜科ムロアジ属タイプ種ムロアジ Decapterus muroadsi  

ムロアジ Caranx kurra

であるが、本邦に分布する種として、BISMaLでは、ムロアジの他に以下の六種が、挙げられてある。

アカアジ(赤鯵)Decapterus akaadsi

クサヤモロ(臭屋鰘) Decapterus macarellus

モロ(鰘) Decapterus macrosoma

マルアジ(丸鯵) Decapterus maruadsi

インドマルアジ(インド丸鯵)Species Decapterus

オアカムロ(尾赤室) Decapterus tabl

以下、ウィキの「ムロアジ」(但し、実質は「ムロアジ属」の内容である)に拠れば(注記記号はカットした)、『ムロアジ(室鯵、鰘)は、狭義にはアジ目アジ科の海水魚の一種 Decapterus muroadsi を指すが、広義にはムロアジ属 Decapterus に属する魚の総称として使われる』。『全世界の熱帯・温帯海域に約10種が知られる。ただしマルアジ D. maruadsi はマアジ Trachurus japonicus によく似ていて、ムロアジ類とは』、『また』、『別に扱うことも多い』。『アジ亜科の分類でムロアジ属に特徴的なのは、小離鰭(しょうりき)と呼ばれる、背鰭と臀鰭の後ろに分離した小さな鰭である。他にも側線上の稜鱗(ぜんご・ぜいご)が体の後半の直線部にしかないこと、体型が前後に細長い円筒形であることなども特徴となる。また、本種には生時に黄色の縦線がある』。『外洋に面した沿岸部や島嶼周辺に生息する。海の表層-中層で群れを作り、活発に遊泳する。食性は肉食性で、小魚や甲殻類、頭足類、動物プランクトンなどを捕食する。産卵期は5-6月で、この時期には沿岸の浅場に接近する』。『分布域の沿岸各地で定置網・巻き網・釣りなどで漁獲される。旬は夏とされている』。『用途としては、マアジより血合肉が多いことと、脂肪分や旨みが少ないことから干物にされることが多い。ムロアジ類の干物として日本で有名なのが』、『伊豆諸島で作られる』「くさや」『である』。「くさや」『に使う』「くさや液」『のことを』「魚室(むろ)」『と呼んだことからムロアジの名が付いたともいわれる』(以上の「くさや」についての記載は、正確さを欠く。これでは、「くさや」がムロアジしか使用しないように読め、それは誤りだからである。「くさや」に用いられるのは、ムロアジの他に、トビウオ類(「(その12) 乾飛魚」の私の注を見よ)・シイラ(アジ目シイラ科シイラ属シイラ Coryphaena hippurus )などの複数に魚が用いられいている。因みに、私は「くさや」で最も旨いのは「トビウオ」に限る、と信じている。若き日に行った神津島で「くさや」の製造元を訪ね、若いご主人と意気投合、「くさや液」の原液も、直接、嘗めさせて呉れた。臭くなく、実に清(すが)しいのであった。その時、ご主人が「一番旨いのは飛び魚だよ。」と教えてくれ、その場で買い、民宿で焼いて貰ったのが、最初の素敵な経験であった。同宿だった女子大生二人が、あまりの臭さに大騒ぎになったが⋯⋯。『また、鰹節のように燻製にして硬く干したもの(鯵節/むろ節)は、ダシ取り用に鰹節同様に用いられ、特に中部地方で好まれる。新鮮なものは』、『刺身・たたき、焼き魚などで食べられる』。『食用以外の利用法として、ブリ類・マグロ類・ハタ類など大型肉食魚の釣り餌に使われることもある』。『本属のうち、オアカムロ種群(The red-fin Decapterus group)と呼ばれるアカアジ・オアカムロ・サクラアジ・キツネアカアジの4種は尾鰭が赤色を呈することで区別される』。以下、「種類」の項であるが、原拠が違うので、学名の一部が違っているから、省略し、本邦に棲息しない種、不審な種等もカットした。

ムロアジ(『日本での地方名にアカゼ(東京)、モロ(東京・長崎)、アジサバ(富山)、マムロ(和歌山)、ウルメ(鹿児島)などがある。全長60 cmほど。重さは1.5㎏が最大。体型は前後に細長い円筒形で、尾鰭は灰色を帯びた黄色である。稜鱗は側線直線部の3/4にある。新鮮なものは体側に金色の細い縦帯がある。インド洋・太平洋の熱帯・温帯域と、大西洋のアフリカ南部沿岸に広く分布する。日本でも北海道南部以南で見られる。』)

アカアジ(赤鯵;『全長 30 cm。ムロアジより体高が高く』、『マアジに似るが、小離鰭があるので区別できる。和名は尾鰭が赤いことに由来するが、オアカムロほど赤くない。日本南岸から南シナ海までの太平洋西部沿岸に分布する。』)

オアカムロ(『日本での地方名はオアカ(東京・和歌山)、アカムロ(和歌山・高知)、アカアジ(鹿児島)、アカムツなどがある』。『全長 50 cm。体型はムロアジに似るが、和名通り尾鰭が全体的に赤い。アカアジよりも体高が低い。日本・オーストラリア・ハワイまでの西太平洋、インド洋のアフリカ南東部沿岸、ノースカロライナからベネズエラまでの大西洋西岸に分布する。』)

モロ(『全長 35 cm。尾鰭は褐色が強い以外はムロアジによく似ている。インド太平洋の熱帯・温帯域沿岸に広く分布する。大洋を群れを作って泳ぐ。

クサヤモロ (『日本での地方名としてシロムロ、アオムロ(伊豆大島)、アオサギ(和歌山)などがある。全長 40 cm。口先がやや前方に突き出ること、稜鱗は側線直線部の1/2に留まること、尾鰭は褐色が強いことでムロアジと区別する。また、体側に1本の青い縦線が走る。全世界の熱帯・温帯海域に広く分布する。水深40-200 m の海、特に岩礁の周辺などに群れを成して生息する。動物プランクトンを食べる。クサヤモロで作ったクサヤは高級品で、最も美味とされる。』とあるが、くどいが、私は絶対にトビウオである!

マルアジ(丸鯵)『地方名にはマル(東京)、アオアジ(高知・和歌山)などがある。全長 25 cm。マアジに似るが、小離鰭があることや』、『稜鱗が側線直線部のみにあることから区別できる。ムロアジと総称される中には含まない場合が多い。西太平洋とインド洋東部の熱帯・亜熱帯域に分布する。』)

インドマルアジ(『全長 45 cmほど。尾鰭は淡黄色-淡紅色。インド太平洋の熱帯域に分布し、南日本でも見られる。』)

「島鰺(しまあぢ)」アジ科シマアジ属シマアジ Pseudocaranx dentex 当該ウィキに拠れば(注記記号、及び、不用と判断した箇所はカットした)、『亜熱帯・温帯海域の沿岸部に生息する大型のアジである。食用にもなり、日本ではアジ類の中で最高級の食材として扱われる』。『標準和名「シマアジ」はもともと東京・和歌山・富山・高知など各地で呼ばれていた呼称で、体側に縦帯があることから「縞鯵」、もしくは伊豆諸島など島嶼での漁獲が多いことから「島鯵」の名がある。他に日本での地方名はオオカミ(伊豆諸島での大型個体の呼称)、ヌクモメ(小笠原諸島)、コセ(和歌山)、コセアジ(高知)、ヒラアジ(熊本)、カツオアジ(鹿児島)、カイワリなどがある。「カイワリ」「ヒラアジ」は本種のみならず大型・扁平な体をしたアジ類の混称で用いられる。カイワリは別のアジの一種 Carangoides equula の標準和名でもある』。『学名の種名"dentex"は「鯛」の意で、扁平な体型がタイ類に似ることに因る』。『成魚は最大で全長122cm・体重18.1kgの記録があるが、通常は全長1mほどまでである。体は長楕円形で体高が高く、側扁する。体色は背側が青緑色、腹側が銀白色をしている。幼魚は体側中央に幅広い黄色の縦線があるが、成長に従い不明瞭になる』。但し、『食餌がカニ、エビなど栄養価の高いものであった場合、成魚であっても体側の黄色の縦線が現れる。また』、『鰓蓋中央部・胸鰭のすぐ上に黒斑が一つある』。『目は頭部に比して』、『やや小さく、脂瞼』(しけん:当該ウィキに拠れば、一部の『魚類の眼に』見『られる半透明の膜で、まぶた状に眼の一部、あるいは』、殆んど『全部を覆っている』個体や種もある。『真骨魚類のうち、回遊性をもつ浮魚でよくみられる。脂瞼を持つ魚の例として、ボラや、ニシン』、『サバやアジの仲間などが挙げられる。その機能については』、『結論が出ていないが、いくつかの可能性が提唱されている』とある)『は』、『ない。吻は眼径よりも長く前に突き出る。唇は薄くあまり頑丈ではないが、筒のように前に突き出すことができる。各鰭の鰭条は、第一背鰭8棘・第二背鰭1棘23-26軟条・臀鰭2遊離棘1棘21-23軟条である。側線の前半部は上向きの弧を描き、第二背鰭第13軟条下から直走する。稜鱗は直走部の3/4程度に25-31枚が並ぶ』。『全世界の亜熱帯・温帯海域に広く分布するが、東部太平洋には分布しない。また』、『赤道付近の熱帯海域にもいない。日本沿岸の分布域は、日本海側が新潟県以南、太平洋側が岩手県南部以南である。沿岸から沖合いの水深200m付近までの浅い海に生息する』。『群れで海中を遊泳する。食性は肉食で、小魚や甲殻類などの小動物を捕食する。遊泳するものを追って捕食する他にも、海底の砂を口で掘り、砂中に潜む小動物を吸い込んで食べる。繁殖期は冬で、日本近海では12-3月に産卵する。卵は分離浮遊卵である』。『釣り、定置網などの沿岸漁業で漁獲される。大型魚で美味なため』、『釣りの対象としても人気が高いが、唇が薄いので釣り針が外れ易い。また定置網では大型個体が入ることは少ない』。『関東の釣り人の間では、体長80cmを超えるものは「オオカミ」と呼ぶ地域がある。餌は小魚、甲殻類等。ルアーでも釣れる』。『日本ではアジ類の中で最高級の食材として珍重され』、『高価である。刺身、寿司種、塩焼き、蒸し物、鍋、などの料理で食べられる。沿岸各地で漁獲される他に養殖も行われている』とある。「本朝食鑑」の最後では「味も佳ならず、最も下品なり。」と、のたもうているが、私は、毎週一回、連れ合いと寿司屋に行くが、シマアジがあれば、必ず、刺し身で注文する。]

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