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カテゴリー「畔田翠山「水族志」」の46件の記事

2023/12/30

畔田翠山「水族志」 ツルグヒ (サクラダイ)

(三二)

ツルグヒ【紀州若山】 一名アカヤハギ【阿州堂浦】エビスダヒ【土佐浦戶】イトヒキ【勢州阿曾浦】ヲヒロ【紀州田邊】

五六寸ノ者多シ形狀黃稽魚ニ似テ上唇决短ク下唇出身深紅色ニ乄

白斑アリテ縱ニ二道ニ相並ブ腹淡紅色白斑アリ頰淡紅色脇翅紅色

腹下翅深紅色ニ乄端黑色背鬣淡紅色ニ乄頭ヨリ第三ノ刺長ク出一

寸半許下鬣第一刺ノ末長ク出二寸許黃色ニ乄餘ハ淡紅色尾上下俱

ニ細長ニ乄上ハ三寸半許リ出黃色也下ハ三寸許出深紅色眼ノ邊腮

ノ上背ニ及テ黃色ヲ帶上ニ黑斑アリテ頭上ヨリ尾ノ上ニ至ル

○やぶちゃんの書き下し文

つるぐひ【紀州若山。】 一名「あかやはぎ」【阿州堂浦(だうのうら)。】・「えびすだひ」【土佐浦戶(うらど)。】・「いとひき」【勢州阿曾浦。】・「をひろ」【紀州田邊。】

五六寸の者、多し。形狀、「黃檣魚(わうしやうぎよ)」に似て、上唇、决(えぐれ)、短く、下唇、出づ。身、深紅色にして、白斑ありて、縱に二道に相(あひ)並ぶ。腹、淡紅色、白斑あり。頰、淡紅色。脇翅(わきひれ)、紅色。腹下翅(はらしたびれ)、深紅色にして、端(はし)、黑色。背鬣(せびれ)、淡紅色にして、頭(かしら)より第三の刺(とげ)、長く出づ。一寸半許(ばか)り。下鬣(したびれ)、第一刺(し)、末(すゑ)、長く出づ。二寸許(ばかり)。黃色にして、餘(よ)は淡紅色、尾、上下俱(とも)に細長(ほそなが)にして、上は三寸半許り、出づ。黃色なり。下は三寸許、出(いで)、深紅色。眼の邊(あたり)、腮(えら)の上、背に及(および)て、黃色を帶(おぶ)。上に黑斑ありて、頭上より、尾の上に至る。

[やぶちゃん注:底本のここから次のコマにかけて。さて、種同定であるが、国立国会図書館デジタルコレクションの宇井縫蔵氏の「紀州魚譜」(第三版・昭和七(一九三二)年刊)のこちらによって、

スズキ目スズキ亜目ハタ科ハナダイ亜科サクラダイ(桜鯛)属サクラダイ Sacura margaritacea

に同定されるが、畔田の記載は、「紅色」が有意に示されていることから、彼が扱った個体は同種のとなった個体であると考えられる。但し、当該ウィキによれば、『体長約』十五センチメートル。『雌雄で体の色や模様が異なる。雌性先熟で、生まれたときは全て』、『雌であるが、成長すると』、『雄に性転換する』。『雌はオレンジ色を基調とした体色で、背鰭の付け根に』一『対の黒色斑を持つ。雄は真紅の身体に白い斑紋が点在し、非常に美しい。また、婚姻色の雄は、顔の色が銀色に近い桜色となる』とある。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の同種のページの画像で雌雄(三枚の真ん中の写真が♀)の違いが視認出来る。

「つるぐひ」同前の宇井氏の同見開きの右ページに「ツルグエ」が載り、条鰭綱スズキ目ハタ科ハナスズキ属ツルグエ(鶴虞絵(宇井氏の表記を参考にした)) Liopropoma latifasciatum とある。そこで宇井氏は田辺で『之に近いものにも用ひる』とある(実は宇井氏は「サクラダイ」の方にも同じ注記を示しておられる)。「近い」と言われても、WEB魚図鑑」の同種の画像を見ると、凡そ見間違えたり、同じ仲間とは思われない様相である。ようするに、ハタ科 Epinephelidaeのド派手な赤系統の体色を持つ多くの類に、この異名が多く使われていたものらしい。

「阿州堂浦」現在の徳島県鳴門市瀬戸町(せとちょう)堂浦(どうのうら:グーグル・マップ・データ。以下無指示は同じ)。

「土佐浦戶」高知県高知市浦戸。坂本龍馬像があることで知られる。

「勢州阿曾浦」三重県度会郡南伊勢町(ちょう)阿曽浦(あそうら)

「をひろ」恐らく特徴的な分岐して先が延びた尾鰭の上下端からの「尾廣」であろう。

「黃檣魚」ワカサダヒ(キダイ)」で既注だが、再掲すると、『最近、この手の漢語の魚類名を検索してがっくりくるのは、検索結果に、本文も画像も、私のブログとサイトが掛かってきちゃうという鏡返し現象の現実である。一つは、ブログの『栗本丹洲自筆巻子本「魚譜」 ヒメ小鯛・黄檣魚 (キグチ?)』』(スズキ目スズキ亜目ニベ科キグチ属 Larimichthys (シノニム: Pseudosciaena )。同属の本邦産はキグチ  Larimichthys polyactis )『で、今一つは、サイトの「和漢三才圖會 卷第四十九 魚類 江海有鱗魚」の「黄穡魚 はなをれだい」だ。「黃檣魚」の「黃檣」(おうしょう)は、目から鼻孔の部分と上顎の吻部が黄色く、また、背鰭に沿った背部にも三対の黄斑があることが由来で、さらにマダイ Pagrus majorに比して』、キダイは『成魚では鼻孔の周辺部が凹んでおり、口吻が前方に突き出た形になり、その形状が和船の帆を立てた帆柱(檣)に似ているからであろう。両書の内容は、よくキダイに一致しているとは言えるし、キダイの生息域は東シナ海大陸棚からその縁辺域にと広いから、問題ない』としたものである。

「决」前の「カネヒラ」に出た。「抉(えぐ)れて切れていること」の意。]

2023/10/19

畔田翠山「水族志」 カゲキヨ (ホウセキキントキ・キントキダイ・チカメキントキ・クルマダイ・キンメダイ・イットウダイ・アカマツカサ)

(三一)

カゲキヨ【紀州若山】 一名ヘイケイヲ【紀州日高郡網代浦】サケナヒ【紀州在田郡湯淺浦】セウゼウ【同上】メジロダヒ【伊豫西條】メイチ【熊野】アカコ【讚州高松領津田浦】ジウイヲ【紀州田邊】ムマヌスト【筑前姪ノ浜】カ子ヒラ【土佐浦戶勢州阿曾浦熊野大島】ベンケイ【勢州慥柄浦】ウミゴ【尾州常滑】アカメバチ【熊野天口浦】メヒカリ【同上】 紅沙

形狀棘鬣ニ似タリ鱗細也下頗赤色ニ乄端尖テ口ヨリ出テ上ニ向フ

唇赤色頰ニ白刺一ツアリ眼大ニ乄赤色瞳黑脇翅淡黃色身ハ頭ヨリ

尾ニ至リ背色深紅色腹淡紅色背鬣紅色ニ乄黃色ノ星㸃相並ブ尾赤

色岐アサシ腹下翅淡紅色ニ乄黃星㸃アリ刺赤色腰下鰭赤色其大者

二尺許身濶ニ乄紅色淺ク眼大ニ乄光アリ臺灣縣志曰紅沙皮紅如塗

硃鱗細

○やぶちゃんの書き下し文

かげきよ【紀州若山。】 一名「へいけいを」【紀州日高郡網代浦。】・「さけなひ」【紀州在田(ありだ)郡湯淺浦。】・「せうぜう」【同上。】・「めじろだひ」【伊豫西條。】・「めいち」【熊野。】・「あかこ」【讚州高松領津田浦。】・「じういを」【紀州田邊。】・。「むまぬすと」【筑前姪ノ浜。】・「かねひら」【土佐浦戶。勢州阿曾浦。熊野大島。】・「べんけい」【勢州慥柄(たしから)浦。】・「うみご」【尾州常滑。】・「あかめばち」【熊野天口浦。】・「めひかり」【同上。】 「紅沙」

形狀、棘鬣(まだひ)に似たり。鱗、細なり。下頗、赤色にして、端、尖りて、口より出でて、上に向ふ。唇、赤色。頰に、白き刺(はり)、一つあり。眼(まなこ)、大にして、赤色。瞳、黑。脇翅(わきひれ)、淡黃色。身は、頭より、尾に至り、背の色、深紅色。腹、淡紅色。背鬣、紅色にして、黃色の星㸃、相(あひ)並ぶ。尾、赤色。岐(また)、あさし。腹の下翅(したびれ)、淡紅色にして、黃の星㸃あり。刺、赤色。腰の下鰭、赤色。其の大なる者、二尺許(ばかり)。身、濶(かつ)にして、紅色、淺く、眼、大にして、光、あり。「臺灣縣志」に曰はく、『紅沙。皮、紅なり。塗硃(としゆ)のごとく、鱗、細なり。』と。

[やぶちゃん注:底本のここ。さて、種同定であるが、国立国会図書館デジタルコレクションの宇井縫蔵氏の「紀州魚譜」(第三版・昭和七(一九三二)年刊)のこちらの記載に従って、各地で複数種が「カゲキヨ」の名で呼ばれるので、

顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ亜目キントキダイ科キントキダイ属ホウセキキントキ Priacanthus hamrur

キントキダイ属キントキダイ Priacanthus macracanthus

キントキダイ科チカメキントキ属チカメキントキ Cookeolus japonicus

キントキダイ科クルマダイ属クルマダイ Pristigenys niphonia

の四種を、まず、挙げることとする。さらに、前回の「カネヒラ」が、以上の異名に出現することから、

硬骨魚綱条鰭亜綱棘鰭上目キンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ亜科エビスダイ属エビスダイ Ostichthys japonicus

も入れる。これらは「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の異名「カゲキヨ」でも、総てが載る。同ページでは他に、

キンメダイ目イットウダイ科イットウダイ亜科イットウダイ属イットウダイ Sargocentron spinosissimum

キンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ亜科アカマツカサ属アカマツカサMyripristis berndti

の二種が挙げられているので、これも入れる。これで、「景清」の同定比定のオール・スター・キャストということになる。宇井氏は「紀州魚譜」をまず、「カゲキヨ」のホウセキキントキを最初とし、キントキダイとチカメキントキを次候補としているように読める。そして続くクルマダイを入れたのは、そこの『往々前種』(チカメキントキ)『と混同する』とあったことに拠る。但し、以上の六種は、見かけ上、よく似ているものもあるが、ちょっと一緒にするのはクエスチョンの種もあることはあり、私も宇井氏にならって、美麗なる同定第一候補は「ホウセキキントキ」としておく。畔田の観察が生魚のものであるとすると、「星」状の点も解消する。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の同種のページをリンクさせておくが、その二枚目の写真をクリックすると、『生きているときには宝石とまではいかないが』、『赤く輝いて見える』とぼうずコンニャク氏が言っておられる通り、きらびやかな星状の斑紋が見られる。

「かげきよ」頼朝の命を狙った平家に仕えた藤原悪七兵衛景清。平家の「赤」に因むのであろう。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」では、『藤原景清』『をモデルにした歌舞伎『景清』の衣装の色合いからではないかと思われる』とされる。しかし、漁師らが綽名するのにわざわざ歌舞伎の「景清」を由来とするのは、ちょっと留保したい気がする。

「紀州日高郡網代浦」現在の和歌山県由良町(ゆらちょう)網代(グーグル・マップ・データ。以下無指示は同じ)

「紀州在田郡湯淺浦」和歌山県有田郡湯浅町(ゆあさちょう)。

「さけなひ」赤いとこから「酒」か。「なひ」は不詳。「な」はしばしば「魚」の意で用いられるが。

「せうぜう」これはもう、「猩々」で「赤」絡みだ。

「めじろだひ」ホウセキキントキは黒目の周囲に勘定の色の薄い環がある。

「伊豫西條」愛媛県西条市

「めいち」大きな目が一番に目立つからか。

「讚州高松領津田浦」徳島県徳島市旧名東郡地区の津田浦。この附近か。

「じういを」不詳。

「むまぬすと」私の場合、「馬盗人」から連想する「赤」は「厩神」の猿の「赤」だった。

「筑前姪ノ浜」福岡県福岡市西区姪の浜

「土佐浦戶」高知県高知市浦戸。坂本龍馬像があることで知られる。

「勢州阿曾浦」三重県度会郡南伊勢町(ちょう)阿曽浦(あそうら)

「熊野大島」和歌山県東牟婁郡串本町にある紀伊大島

「べんけい」思うに、これは色ではなく、「弁慶の七つ道具」あるまいか? 但し、それはホウセキキントキには相応しくなく、別候補で挙げたクルマダイ辺りが、背鰭・腹鰭・尻鰭が、トッゲトゲ! でマッチする気がする。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の同種のページをご覧な!

「勢州慥柄浦」三重県度会(わたらい)郡南伊勢町(ちょう)慥柄浦(たしからうら)

「うみご」不詳。

「あかめばち」「めばち」はメバルのことであろう。

「熊野天口浦」不詳。

「臺灣縣志」清の陳文達撰になる台湾地誌。一七二〇年(康煕五十九年/本邦は享保五年)刊。

「塗硃」「硃」鉱石の一種である「辰砂」(しんしゃ)=「丹砂」のこと。赤色の顔料として用いられる。それを塗りつけたようなものの意。]

2023/10/15

畔田翠山「水族志」 カネヒラ (エビスダイ)

(三〇)

カ子ヒラ 一名メブト【紀州若山】ギンダヒ【紀州日高郡薗浦】グソクイヲ【紀州網代浦】ヨロヒ【土佐浦戶】ヱビスイヲ[やぶちゃん注:「ヱ」はママ。]【勢州阿曾浦】ヨロヒイヲ【熊野九木浦】子ブト【備中玉島】サケクラヒ【紀州湯淺】キントキ【紀州田邊】

此魚圓長ノ二種アリ圓ナル者棘鬣ニ似テ短濶長者棘鬣ヨリ細長ニ

乄厚シ全身深紅色鱗粗大ニ乄端ニ刺アリ腹色淺ク眼赤色ニ乄大ナ

リ圓者ハ背鬣紅色ニ乄端ニ少シ深紅色アリ尾本紅色ニ乄深紅色腰

下鬣本紅色ニ乄末深紅色腹下翅本深紅色ニ乄末紅色長者尾鬣深紅

色ニ乄脇翅紅色腹下深紅色二種俱ニ唇决タリ紀州日高郡網代浦漁

人云文化年間熊野ニテ金ダヒヲ捕全身タヒニ似テ圓ク頭ヨリ足ニ

至テ三尺餘其鱗紅色ニ乄金ノ如シ刺アリ鱗ヲ去肉亦赤色煑食乄味

甚美也脂少シ其重サ十四貫目也

○やぶちゃんの書き下し文

かねひら 一名「めぶと」【紀州若山。】・「ぎんだひ」【紀州日高郡薗浦(そのうら)。】・「ぐそくいを」【紀州網代浦(あじろうら)。】・「よろひ」【土佐浦戶(うらど)。】・「ゑびすいを」[やぶちゃん注:「ゑ」はママ。]【勢州阿曾浦。】・「よろひいを」【熊野九木浦。】・「ねぶと」【備中玉島。】・「さけくらひ」【紀州湯淺】・「きんとき」【紀州田邊。】

此の魚、圓(まどか)〔と〕、長(ながき)〔と〕、二種、あり。圓(まどか)なる者、棘鬣(まだひ)に似て、短く濶(ひろ)く長き者、棘鬣より細長にして、厚し。全身、深紅色。鱗、粗大にして、端に刺(とげ)あり。腹、色、淺く、眼(まなこ)、赤色にして、大なり。圓〔き〕者は、背鬣、紅色にして、端に、少し、深紅色あり。尾〔の〕本(もと)、紅色にして、深紅色。腰下〔の〕鬣、本(もと)、紅色にして、末、深紅色。腹下〔の〕翅(ひれ)、本(もと)、深紅色にして、末、紅色。長き者、尾鬣、深紅色にして、脇翅(わきびれ)、紅色。腹〔の〕下、深紅色。二種、俱(とも)に、唇、决(けつ)たり。紀州日高郡網代浦〔の〕漁人、云はく、「文化年間、熊野にて、『金だひ』を捕〔れり〕。全身、『たひ』に似て、圓く、頭(かしら)より足に至(いたり)て、三尺餘。其の鱗、紅色にして、金のごとし。刺(とげ)あり。鱗を去〔り〕、肉、亦、赤色。煑〔て〕食して、味、甚だ美なり。脂(あぶら)、少し。其の重さ、十四貫目なり。」と。

[やぶちゃん注:底本のここ。さて、種同定であるが、国立国会図書館デジタルコレクションの宇井縫蔵氏の「紀州魚譜」(第三版・昭和七(一九三二)年刊)のこちらによって、

硬骨魚綱条鰭亜綱棘鰭上目キンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ亜科エビスダイ属エビスダイ Ostichthys japonicus

であることが確定されており、私も問題ないと考える。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の同種のページによれば、棲息域は、本邦では、北海道函館市臼尻、青森県・新潟県糸魚川市親不知から九州西岸の日本海、及び、東シナ海、青森県から屋久島までの太平洋沿岸、瀬戸内海・小笠原諸島で(西太平洋の南日本が主か)、海外では、パラオ海嶺・済州島・上海・香港・小スンダ列島・オーストラリア北西岸・南東岸、アンダマン海で、一般に沿岸の百メートルよりも浅場に分布する。ぼうずコンニャク氏によれば、『北海道南部以南の浅場にいる魚だが、あまりまとまってとれない。たくさんとれず、珍魚とまではいかないが』、『珍しい部類の魚である』。『味はいいが、鱗などが硬く取り扱いにくいのが難点。だれでもが扱える魚ではない。硬すぎる鱗の内側には透明感のある白身があって、非常にうまい。知る人ぞ知る味のいい魚だ。種名が目出度いのもよい』とあり、和名については、『神奈川県三崎、志摩などでの呼び名。「夷(恵比寿)」は外国の人、もしくは奇異な姿をした人という意味もある。独特の姿からきた呼び名ではないかと考えている』。「日本西部及び南部魚類図譜(グラバー図譜)」にも載り、寺島良安の「和漢三才図会」の中『では』、『具足鯛(グソクダイ)、錦鯛が本種にあたると思う』とあり、一説に、『マダイと比べて頭部が大きく、尾鰭を持って逆さまにするとシルエットが恵比寿を思わせるため』か『?』とある。同種は三十センチメートル『前後になる。鯛型で体色が鮮やかに赤い。前鰓蓋骨には後方に向いた強い棘がない。鱗はザラザラして非常に硬く大きい。最終背鰭棘はひとつ前の棘よりも長い。両側の鼻骨間の溝は広いVの字状』を成すとあった。なお、私は「和漢三才圖會 卷第四十九 魚類 江海有鱗魚  寺島良安」では、「にしきだひ ぐそくうを 錦鯛 具足魚」をキンメダイ目キンメダイ亜目キンメダイ科キンメダイ Beryx splendens に同定しているが、確かに、エビスダイの可能性も高いように見えるので、今回の大改訂に合わせて、それも添えておいた。

「かねひら」同前の「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の「地方名・市場名」で、『金平』とあり、地方を『和歌山県田辺・白崎・和深、辰ヶ浜』とされる。

「めぶと」眼球部が目立つので「目太」か。

「ぎんだひ」「紀州魚譜」では『ギンダイ』を和歌山県『御坊』(ごぼう:現在の御坊市:グーグル・マップ・データ。以下、無指示は同じ)の採取とする。

「紀州日高郡薗浦」現在の田辺市扇ヶ浜附近の旧地名のようである。北西にまさに「戎漁港」があるぞ!

「ぐそくいを」同前の「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の「地方名・市場名」で、「グソイオ」「グゾイオ」「グソクイオ」(具足魚)とある。

「紀州網代浦」和歌山県由良町(ゆらちょう)網代

「よろひ」同前で「ヨロイ」(鹿児島)・「ヨロイデ」(鹿児島市志布志。「鎧鯛」の訛りとする)とある。

「土佐浦戶」高知県高知市浦戸

「勢州阿曾浦」三重県度会郡南伊勢町(みなみいせちょう)阿曽浦(あそうら)

「熊野九木浦」三重県尾鷲市九鬼町の湾。「ひなたGPSの戦前の地図を見ると、「北牟婁郡九鬼村」であるが、湾内の市街地名は「九木」であることが判る。所謂、旧「九鬼水軍」の本拠地である。

「ねぶと」先の「めぶと」の訛りか?

「備中玉島」岡山県倉敷市玉島地域。現在の玉島地区は江戸時代に干拓により築かれた玉島新田の大部分に相当する。

「さけくらひ」体色が赤いことから、「酒食らひ」であろうか。

「紀州湯淺」和歌山県有田郡湯浅町(ゆあさちょう)。

「きんとき」同前の「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の「地方名・市場名」で、『金時』とし、採取地を『和歌山県田辺、高知県高知市御畳瀬・浦戸』とする。これは赤くてでっぷりとしていることから金太郎(坂田金時)由来であろう。

「圓、長、二種、あり」これは、恐らく、でっぷりタイプと、ややスマートなタイプ(相対的に長いかのように見える)の個体差を言っているのであろう。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の同種の画像の左端の個体(ふっくら系)と、左から三枚目の個体(見かけ平板系)を見比べて比較されたい。

「唇、决(けつ)たり」この「决」は「抉(えぐ)れて切れていること」の意。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の同種の画像の右から二番目の画像を見られたい。納得されるはずである。

「文化年間」一八〇四年から一八一八年まで。本「水族志」は文政一〇(一八二七)年に掛かれたものであるから、文政期には既に、今のように、滅多に釣れない魚種となっていたことが判る。なお、以下を総て、紀州日高郡網代浦の猟師からの聴書とした。それは、明らかに内容が一貫して、漁師のリアルな言葉らしいからである。そもそも、畔田は実は魚を好んでは食わなかったことが弟子によって証言されてあるのである。されば、こうした語りは、今までの叙述の中には、まず、見られないものだからである。]

2023/08/07

フライング公開 畔田翠山「水族志」 ヤマベ (ヤマメ)

 

[やぶちゃん注:現在、作業中の南方熊楠の「南方閑話」中の「巨樹の翁の話」に必要になったので、フライングする。底本はここ。]

 

(二一二)

ヤマベ 一名アメノ魚【紀州】コサメ【熊野阿宅】ミヅグモ【本草啓蒙】アメゴ【同上伊州】イモコ【同上若州】ヒラツコ【同上和州白矢村】ヤマガハ【同上丹後】ヤマコ【同上】

啓蒙曰形香魚ノ如ク長サ七八寸身ニ黑斑及ヒ細朱㸃アリ鱗細ナリ

按此魚山溪ニ住シ下流ニナシ春月味美ニ乄秋ハ劣レリ其骨軟ナリ

俗覽曰石鱗魚生石澗中長四五寸許色似銀多脂而骨柔善驚匿釣者常

以暮夜又有赤黑色者ヤマベノ類也湖魚考日「アマゴ」湖ヨリ遠キ山中

溪川ノ岩クエノ甚タギル瀨ニアリテ湖水ヘハ入來ラズ形「アメノ魚」

ノ如クニ乄小ク大キナルモノ四五寸ニ過ズ川上ノ能クタギル所ノ

淵ニアリフルセノ物ハ大キシ六七寸モアリ狀脊ノ方薄靑ク薄黑キ

形有腹ノ方白ク銀ノ如クニシテ「アメノ魚」ノ如ク赤キ斑アリ鱗細ク

口大キク齒アリ眼形ヨリハ大キシ腹膓少シ蜘蛛蠅ナトモテ釣又蚊

頭ノ鉤ニテモウル也エノ葉 大和本草曰山中ニエノ葉ト云魚ア

リ形味ヨク鱒ニ似テ小也味ヨシ長サ六七寸春山川ニ上ル

○やぶちゃんの書き下し文

やまべ 一名「あめの魚」【紀州。】・「こさめ」【熊野阿宅(あたぎ)。】・「みづぐも」【「本草啓蒙」。】・「あめご」【同上。伊州。】・「いもこ」【同上。若州。】・「ひらつこ」【同上。和州白矢(しらや)村。】・「やまがは」【同上丹後】・「やまこ」【同上。】

「啓蒙」に曰はく、『形、香魚(あゆ)の如く、長さ、七、八寸。身に黑斑及び細(こま)かなる朱㸃あり。鱗、細(さい)なり。』と。按ずるに、此の魚、山溪に住(ぢゆう)し、下流に、なし。春月、味、美にして、秋は、劣れり。其の骨、軟かなり。「俗覽」曰はく、『石鱗魚。石澗中に生(しやう)じ、長さ、四、五寸許(ばかり)。色、銀に似る。脂(あぶら)、多くして、骨、柔か。善く釣る者を、常に暮夜(ぼや)を以つて、匿(かく)れいでて、驚かす。又、赤黑色(せきこくしよく)の有る者、「やまべ」の類(るゐ)なり。』と。「湖魚考」日はく、『「あまご」。湖より遠き山中溪川(たにがは)の岩くえの、甚(はなは)だ、たぎる瀨に、ありて、湖水へは、入り來らず。形、「あめの魚」の如くにして、小さく、大きなるもの、四、五寸に過ぎず。川上の、能(よ)くたぎる所の淵にあり。「ふるせ」の物は、大きし。六、七寸もあり。狀(かたち)、脊(せ)の方(かた)、薄靑く、薄黑き形(かたち)、有り。腹の方(かた)、白く、銀の如くにして、「あめの魚」の如く、赤き斑(まだら)あり。鱗、細く、口、大きく、齒、あり。眼、形よりは、大きし。腹膓(はらわた)、少し。蜘蛛・蠅など、もて、釣り、又、蚊(か)の頭(かしら)の鉤(はり)にても、うる也。「えの葉」 「大和本草」曰はく、『山中に「えの葉」と云ふ魚あり。形・味、よく鱒に似て、小(しやう)也。味、よし。長さ、六、七寸。春、山川に上(のぼ)る。』と。

[やぶちゃん注:「やまべ」は「やまめ(山女)」の異称である。条鰭綱サケ目サケ科サケ亜科タイヘイヨウサケ属サクラマス亜種ヤマメ(サクラマス)Oncorhynchus masou masou に比定してよい。本種は、サクラマスのうち、降海せず、一生を河川で過ごす陸封型個体を指す。北海道から九州までの河川の上流などの冷水域に棲息する。ここに出る「あめの魚」は、タイヘイヨウサケ属サクラマス(ヤマメ)亜種ビワマス(琵琶鱒)Oncorhynchus masou rhodurusビワマスの古くからの異名でもあるが、ビワマスは琵琶湖にのみ棲息する日本固有亜種であるから、違う。ビワマスは産卵期の間の、大雨の日に群れを成して、河川を遡上することから、「雨の魚」(鯇・鰀・江鮭)という異名を持つ。

「熊野阿宅」現在の和歌山県西牟婁郡白浜町安宅(グーグル・マップ・データ)。

「和州白矢村」現在の奈良県吉野郡川上村白屋(グーグル・マップ・データ)。

『「みづぐも」【「本草啓蒙」。】』国立国会図書館デジタルコレクションのこちらで調べたところ、小野蘭山の記述は、「葭魚」「イハナ」の項から引いてしまっていることが判った。次の丁に以上の引用が出る。従って、この引用部分は総て無効である。同書では、「アメノウヲ」は「鯇魚」のここに異名を記し、その解説は明らかにビワマスの記述であることが判る。そもそもヤマメはアユには似ていない。

「俗覽」未詳。底本頭の方にある「引用書目」にも載らない。

「石鱗魚」ネットで調べると、「赤鱗魚」とも書き、中国料理に「清炒赤魚」という料理があり、淡水魚であるが、この引用も原書が不明であるから、無効ととった方がよいような気がする。

「善く釣る者を、常に暮夜(ぼや)を以つて、匿(かく)れいでて、驚かす」かなり無理して訓読したのだが、この短いが、奇怪な内容は、ウィキの「コサメ小女郎」(コサメこじょろう)の内容と、強い親和性があるのである。『紀州日高郡龍神村(現・和歌山県田辺市)に伝わる妖怪。龍神村小又川の二不思議といわれる怪異の一つで、南方熊楠の著書』「南方閑話」に『記述がある』。『龍神村にあるオエガウラ淵という淵に住む妖怪であり、何百年という歳月を経たコサメ(魚)が妖怪と化したもの。人間の美女に化け、山に入って来たり淵に近づいたりする人間を誘惑し、水中に誘い込んで殺して食らっていたという』。『あるとき』、『小四郎という男に出会ったコサメ小女郎が、薪の灯りのもとで』七『年間飼い続けた鵜には敵』(かな)『わないと漏らしたため、小四郎がそのような鵜に淵を探らせたところ、目を抉られた大きなコサメの死体が浮かび上がった。その腹を割いたところ、中には木こりの鉈が』七『本あったため』、七『人の木こりがすでにコサメ小女郎に食べられ、すでに溶けてしまっていたことがわかったという』。『畔田伴存の著書』「水族志」には、『コサメとは紀州安宅(現・和歌山県西牟婁郡白浜町)でアメノウオ(ビワマス)を指す方言とあることから、熊楠はコサメ小女郎のコサメもアメノウオのことと推測しているが』(既に述べた通りビワマスは琵琶湖固有種で誤りである)、『近年の文献ではコサメ小女郎の正体をヤマメとしているものもある』。『類話として和歌山県熊野川町(現・新宮市)で、淵に住む大きなアメノウオが人間に化け、村人たちに毒入りの酒や食べ物をすすめて人々を困らせていたが、ある者が長年飼いならされた鵜に淵を探らせて退治したという話がある』とあるのである。

「湖魚考」国学者で博物学者でもあった小林義兄(よしえ 寛保三(一七四三)年~文政四(一八二一)年)の琵琶湖の魚類について考証した書。小林は近江彦根藩士で、国学者の藤井高尚や海量らと親しく、「万葉集」に詳しかった。また、藩主の命令で琵琶湖の魚介類を調査し、「湖魚考」・「湖魚図」を献上している。著作は他に「万葉集中禽獣虫魚草木考」がある(講談社「デジタル版日本人名大辞典+Plus」に拠った)。然らば、この引用もヤマメではなく、ビワマスの記載が混在している可能性がある。但し、『形、「あめの魚」の如くにして、小さく』(ビワマスは四年で四十~五十センチメートルにも成長する大型魚である)とあることから、小林の記載は、琵琶湖に流れ入る河川の上流から湖にかけているヤマメを指している可能性があるので、無効とは言えない。

「あまご」タイヘイヨウサケ属サクラマス亜種サツキマスOncorhynchus masou ishikawae 。日本の固有亜種でサクラマスの亜種とされる。当該ウィキによれば、『降海型や降湖型はサツキマス、河川残留型(陸封型)はアマゴと呼ばれる』。『サツキマスとアマゴを比べた場合、大きさや模様が大幅に異なることが多く、一見すると』、『別の種に見える』。『アマゴは』三十センチメートル『程度になると』、『パーマークが薄れる個体もある。降海型と見分けがつかなくなるため、この場合は塩類細胞(エラにある海と淡水を行き来するのに必要な細胞)の数で決定するしかない。雄の場合、成魚になると』、『雄のサケに見られる「両あごが伸びて曲がり込む」鼻曲がりのような状態になる個体もまれにある』。『奈良県では』二〇一二『年にキンギョ・アユと合わせて「県のさかな」に指定されている』。『「アマゴ」は、漢字で書くと、「雨子」、「雨魚」、「甘子」、「天魚」、「鯇」となり、由来は、漢字の通り、雨がちな梅雨や初夏によく釣れるためである。また、「甘い(美味しいの意)魚」という意味の呼び名が転じて呼ばれたとも言われる。日本特産のため、漢字はあとから当てられたようで、地域により使い分けられていたようである』。『地方名』に『アメゴ、アメノウオ(長野・近畿・四国)、コサメ(紀伊半島南部)、ヒラベ(山陰)、エノハ(九州)』があり、ヤマメとの混同が甚だしい。『天然での分布域は神奈川県西部以西本州太平洋岸、四国、九州の瀬戸内海側河川の一部。在来個体群は堰堤など河川構造物による流路の分断や森林伐採により』、『生息環境が悪化し、生息数が減少している』、『以前はヤマメと分布が分かれていたが、近年盛んになった遊漁目的の放流により分布が乱れ、混在するところがある(遺伝子汚染)』。『本来、日本海側や琵琶湖には生息していないが、無秩序な放流により』、『福井県』『や富山県の日本海側の河川にも生息する。ヤマメ域にアマゴ、アマゴ域にヤマメが放流され、両者は容易に交配してしまいヤマメとアマゴの中間的な魚も発見されており』、『分布域は曖昧になりつつある。近年、富山県の神通川ではサツキマス(アマゴ)との交雑によるサクラマスの魚体の小型化が報告されている』。『なお、琵琶湖に生息』『する個体は』、一九七〇『年以降に琵琶湖に流入する河川に人為放流されたサツキマスの子孫と考えられ、固有種のビワマスと誤認されている場合もある。また、琵琶湖ではビワマスとサツキマスの交雑個体が確認されている』。『アマゴ(サツキマスの陸封個体)』と『ヤマメとの外見上の大きな違いは、側線の上下から背部にかけて朱点が散在することであ』り、『体長は』三十五~五十センチメートル『程度で、サクラマスよりは小型』で、『鼻曲がりになって』おり、『パーマークは消失』せず、『銀毛化してい』て、『サケに似ている』とある。嘗つて、教え子と奈良の路地を入った偉そうな飲み屋の主人が、さも御大層にアマゴの鮨を出し、「東ではヤマメと呼んでおる魚やな。」と、にやついて得意げに言っていたが、あいつは、とんだ半可通だった(まあ、昔は、二種は同一種という誤認はまかり通ってはいたのだが)。

「岩くえ」「岩崩え」(「くえ」は動詞「崩(く)ゆ」の連用形)岩の崩れた所。

「たぎる」「滾る」水が逆巻いて激しく流れる。

「ふるせ」「古背・古脊」で、本来は、「旬を過ぎて大きくなったもの」・「季節はずれのもの」を指す。淡水魚の大型個体は、概して美味くないのは事実である。

「あめの魚」この場合、畔田がビワマスを限定していると、一応はとっておくが、実際に彼がビワマスをヤマメとの生体個体を対照比較した可能性は、私はかなり低いと考えている。

「蜘蛛・蠅など、もて、釣り、又、蚊(か)の頭(かしら)の鉤(はり)にても、うる也」これは事実である。NHKの番組で、カトンボの大型のものを針につけ、水面のやや上方で動かしてヤマメを釣るシークエンスを見たことがある。また、私の「堀内元鎧 信濃奇談 卷の上 いはな」の本文及び私の注も参照されたい。

「えの葉」『「大和本草」曰はく、『山中に「えの葉」と云ふ魚あり。……』「大和本草卷之十三 魚之上 鱒 (マス類)」の最後の一節。

   *

○山中に「榎(え)の葉」と云ふ魚あり。形、味、よく、鱒に似て小なり。味、よし。長さ、六、七寸。春、山川に上る。小なるゆへ〔→ゑ〕、性、輕し。凡そ諸物、大小あり。是れ、鱒の類〔ひ〕にて、小なるなり。

   *

そこで私は、「榎(え)の葉」に注して、『サケ亜科タイヘイヨウサケ属サクラマス亜種ヤマメ Oncorhynchus masou masou(サクラマスの内で一生を河川で過ごす「河川残留型(陸封型)」個体の和名)及び、サクラマス亜種サツキマス(アマゴ)Oncorhynchus masou ishikawae(同じくサツキマス陸封型個体。嘗つては両者を同一種とした)の両亜種を合わせて、九州の一部地域(福岡県・熊本県・大分県など)で現在も「エノハ」と呼んでいるという記載がウィキの「ヤマメ」にあった。また、個人サイトと思われる「渓流茶房エノハ亭」の』『「文献資料から見えるエノハ(榎葉魚)の姿 江戸中期以降」は当時の記載類を渉猟して考証されており、必見! そこではやはりサクラマス・サツキマス・ヤマメを「エノハ」に同定比定されておられる』とした。]

2023/06/02

畔田翠山「水族志」 チダヒ (仮比定:チダイ)

(二九)

チダヒ【同名アリ棘鬣ノ一種ワモチダヒト云】 セウゼウ【紀州在田郡湯淺】

形狀黃穡魚ニ似テ窄長ニ乄身薄シ頭亦窄ク口小也背紅色腹淡紅色

黃色ヲ帶背腹ノ間黃色深シ腹下翅黃色ニ乄上ノ方半赤シ背鬣上ハ

紅色黃ヲ帶下ハ黃色ニ乄本紅色腰下鰭本紅色ニ乄腰下鰭本紅色ニ

乄末淡紅色尾本赤色ニ乄端黃也鱗細也閩中海錯疏曰黃參鱗細黃赤

色黃閩書曰又有黃彡似鯧差長鱗細黃赤色

○やぶちゃんの書き下し文

ちだひ【同名あり。棘鬣(まだひ)の一種、「わもちだひ」と云ふ。】 「せうぜう」【紀州在田(ありだ)郡湯淺。】

形狀、「黃穡魚(わうしよくぎよ)」に似て、窄(すぼ)く、長(ちやう)にして、身、薄し。頭も亦、窄く、口、小なり。背、紅色。腹、淡紅色、黃色を帶ぶ。背と腹の間、黃色、深し。腹下翅(はらしたびれ)、黃色にして、上の方、半ば赤し。背鬣の上は紅色、黃を帶ぶ。下は黃色にして、本(もと)、紅色。腰下鰭(こししたびれ)、本、紅色にして、腰下鰭の本は紅色にして、末は淡紅色。尾、本、赤色にして、端(はし)、黃なり。鱗、細(こま)かなり。「閩中海錯疏」に曰はく、『黃參(わうさん)は、鱗、細かく、黃赤。色、黃なり。』「閩書」に曰はく、『又、「黃彡(わうさん)」、有り。「鯧(しやう)」に似て、差(やや)長し。鱗、細く、黃赤色。』と。

[やぶちゃん注:一応、スズキ目スズキ亜目タイ科マダイ亜科チダイ属チダイ Evynnis tumifrons に比定しておく。畔田がマダイの一種と言っている通り、マダイに似ているが、マダイのように大きくはならず、体長四十五センチメートルで重さ一キログラムがせいぜいである。腮蓋(えらぶた)の後端が有意に赤く、血が滲んだように見える濃赤色を呈することから「血鯛」だとする説がかなり知れ渡っている(これを定説とする記載もあるが、異説もある)。しかし、肝心の決定的な、その腮蓋後ろの「血色の筋」が記されていないのが不審である。或いは、畔田は現地で新鮮な個体を見たのではなく、持ち込まれたものを見て、その特有の血のような筋を、採られた際の出血と誤認し、記さなかった可能性を考えることは出来るように思われるが、ここは一応、「仮比定」ということにした。

『同名あり。棘鬣の一種、「わもちだひ」と云ふ』という割注は、よく意味がとれない。これは――「ちだひ」と呼ぶ同名異種が、また、別に存在し、それも、「ちだひ」と同じくマダイの一種であって、その同名異種の方は別に「わもちだひ」という――の意でとるしかないと私は思うのだが、如何せん、「わもちだひ」の名が現在に残っていないので、どうしようもない。

「せうぜう」体色が全体に赤いことから、「猩々(しやうじやう)」の訛ったもののように感じられる。

「在田郡」近代以降は「有田(ありだ)郡」であるが、江戸時代まではこうも表記した。

「湯淺」現在の和歌山県有田郡湯浅町(ゆあさちょう:グーグル・マップ・データ)。

「黃穡魚」現代仮名遣の音なら「オウショクギョ」であるが、どうも不審である。何故なら「穡」は「農作物を収穫する・農業」や「惜しむ・物惜しみする」「吝嗇(けち)」の謂いでどうも意味としてピンとこないからで(敢えてコジつけるなら、鼻っ柱のやけに高いのが、吝嗇な珍言の面(つら)に見えるという比喩的な謂いなのかも知れない)、私は実は、ずっと以前から、この「穡」は「檣」(ショク:ほばしら)の誤字で、幾つかの異なった魚種に見られる、鼻筋が唇の上から、すぐに鈍角となって屹立しているさまを喩えている漢語ではあるまいか? と疑ってきた経緯があるのである。確かに、本邦に出回っている国内の本草書では、畔田が記すように、「閩書南產志」からの引用としてだいたいが「黃穡魚」とあるのだ。和刻の「閩書南產志」でもそうである(一例を挙げると、早稲田大学図書館「古典総合データベース」にある, 寛延四(一七五一)年の訓点附き和刻本のここを見られたい)。例えば、寺島良安の「和漢三才圖會 卷第四十九 魚類 江海有鱗魚」の「黄穡魚(はなをれだひ)」が、やはりそれなのだ(リンク先は私の電子テクスト)。「閩書南產志」の中国の原本の画像を見ることが出来ないので、未だに私のこの疑問と疑惑を解くすべがないのである。しかし、今回、中文「維基文庫」の電子化された「閩中海錯疏」の当該部(「鏡魚 圓眼」の項の三行目)を見たところ、表記が出来ない旨の注があった。「檣」なら、使えないはずがない。ということは、少なくとも――「閩中海錯疏」の方の原本のそれは「穡」である可能性が高い――ようにも思われた。さて、「閩中海錯疏」は、明の屠本畯(とほんしゅん 一五四二年~一六二二年)が撰した福建省(「閩」(びん)は同省の略称)周辺の水産動物を記した博物書で、一五九六年成立である。さても、こちらは、本邦の「漢籍リポジトリ」でも分割で全文が電子化されており、当該の「中卷」こで視認出来るのだが、[002-8b]の箇所に「鏡魚  圓眼」とあって、「黄彡」の後に「黄□」で、やはり電子化が出来ていないのであった。そこで――その影印本画像を見たら(ガイド・ナンバーのリンクを押すと画像が出る)――

あった!――

★「黃𩼒」★――だった!

一つは不審が解けた!

なお、「ハナオレ」・「ハナオレダイ」の異名は、例えば、このチダイの異名でもあり、他に、キダイ(タイ科キダイ亜科キダイ属キダイ Dentex tumifrons)・アマダイ(スズキ亜目キツネアマダイ(アマダイ)科アマダイ属 Branchiostegus 。上に示した「古典総合データベース」版では、しっかり「アマタイ」とルビが振られている)等の異名でもあるのである。因みに、私の考証した『毛利梅園「梅園魚譜」 黃穡魚(ハナオレダイ)』では、図の魚に悩みに悩んだ結果、条鰭綱スズキ目ベラ亜目ベラ科タキベラ亜科イラ属イラ Choerodon azurio に比定している。]

2023/05/29

畔田翠山「水族志」 タマガシラ (タマガシラ)

(二八)

タマガシラ【紀州若山】 一名エビスダヒ【泉州小島浦】アカバナ【筑前福間浦】チダヒ【尾州常滑】マムダヒ【土佐浦戶】イチ【勢州慥柄浦】レンコ【紀州田邊】シマダイ

形狀棘鬣ニ似テ細ク厚シ鱗麁ク眼赤色瞳黑色下唇ノ裏白ク腹白色

遍身淡紅色ニ乄背ヨリ腹上ニ至リ紅色ナル橫斑條ヲナス脇翅腹下

翅俱ニ紅黃色腰下鰭及尾紅黃色背鬣上ハ黄色ニ乄淡紫紅斑アリ下

ハ淡赤色尾岐ヲナス味輕シ

○やぶちゃんの書き下し文

たまがしら【紀州若山。】 一名、「えびすだひ」【泉州小島浦。】・「あかばな」【筑前福間浦。】・「ちだひ」【尾州常滑。】・「まむだひ」【土佐浦戶。】・「いち」【勢州慥柄浦。】・「れんこ」【紀州田邊。】・「しまだい」

形狀、棘鬣(まだひ)に似て、細く、厚し。鱗、麁(あら)く、眼、赤色。瞳、黑色。下唇の裏、白く、腹、白色。遍身(へんしん)、淡紅色にして、背より腹上に至り、紅色なる橫斑(わうはん)、條をなす。脇翅(わきびれ)・腹下翅(はらしたびれ)、俱に紅黃色。腰下鰭(こししたびれ)及び尾、紅黃色。背鬣(せびれ)、上は黄色にして、淡紫紅、斑(まだら)あり、下は淡赤色。尾、岐をなす。味、輕し。

[やぶちゃん注:底本はここ。これは、ズバり、

スズキ目スズキ亜科イトヨリダイ科タマガシラ(玉頭)属タマガシラ Parascolopsis inermis

である。国立国会図書館デジタルコレクションの宇井縫蔵「紀州魚譜」(三版・昭和七(一九三二)年刊)の「タマガシラ」の項の「方言」で本書を挙げてある。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」のタマガシラのページをリンクさせておくが、その「方言」には以上で畔田が挙げている異名は載らない。]

2023/05/27

畔田翠山「水族志」 ハタジロ (マハタ)

 

(二七)

ハタジロ【紀州海士郡雜賀浦アクノ一種ハタジロト同名也】 一名シマイヲ【讃州高松領津田浦備中玉島】コリ

イヲ【備前岡山】タムリ【紀州田邊】マクチイヲ【筑前姪ノ濱】ダンダラ【筑前福間浦】シマヽス【尾州智多郡小野浦】ハタビラ【勢州土師】ハマヽス【紀州奥熊野矢口浦】アカマス【勢州阿曾浦】マス【紀州熊野九鬼浦勢州慥柄浦】シマダヒ【讃州八島】ナベヤキ【尾州常滑】

形狀「チヌ」ニ似テ扁ク細鱗アリ口眼「アク」ニ似タリ尾ニ岐ナシ眼黃褐

色瞳藍色全身淡褐身半白色ニ乄頭褐色喉下色淺シ頭ヨリ尾上ニ至

ルマテ褐色ノ橫斑條ヲナシ尾上黑色ノ大斑一ツアリ尾淡褐色黃ヲ

帶鰭本褐色末淡褐色上鬣端微黑色脇翅本淡褐色端淡赤色腹下翅藍

色腰下鰭藍色也本朝食鑑ニ旗代魚漁家所謂魚紋黑白相疊如旗之黑

白分染細鱗長鰭尾無岐色以黑爲上白者味劣略雖似藻魚而形扁首端

鬣亦細脆肉美白味淡而佳ト云此也此魚「アク」ニ似テ短扁キヿ「チヌ」ノ

如シ其三寸許者尾及脇翅淡紅色喉下ニ黑斑アリ餘ハ大者ニ同

○やぶちゃんの書き下し文

[やぶちゃん注:人見必大(ひとみひつだい 寛永一九(一六四二)年頃?~元禄一四(一七〇一)年)の著になる本邦最初の本格的食物本草書「本朝食鑑」は所持する訳本(東洋文庫版)及び、国立国会図書館デジタルコレクションのこちらの板本(元禄一〇(一九六七)年刊)の当該部を視認して、訓読の参考にした。]

はたじろ【紀州海士(あま)郡雜賀(さいか)浦。「あく」の一種。「はたじろ」と同名なり。】 一名、「しまいを」【讃州高松領、津田浦。備中、玉島。】・「こりいを」【備前岡山。】・「たむり」【紀州田邊。】・「まくちいを」【筑前姪の濱。】・「だんだら」【筑前福間浦。】・「しまゝす」【尾州智多郡小野浦。】・「はたびら」【勢州土師(はぜ)。】・「はまゝす」【紀州奥熊野、矢口浦。】・「あかます」【勢州阿曾浦。】・「ます」【紀州熊野、九鬼浦。勢州慥柄(たしから)浦。】・「しまだひ」【讃州八島。】・「なべやき」【尾州常滑。】。

形狀、「ちぬ」に似て、扁(ひらた)く、細き鱗(うろこ)あり。口・眼、「あく」に似たり。尾に、岐(き)、なし。眼、黃褐色。瞳、藍色。全身、淡褐。身、半(なか)ばは白色にして、頭、褐色。喉下、色、淺し。頭より尾の上に至るまで、褐色の橫斑、條をなし、尾の上、黑色の大斑、一つあり。尾、淡褐色、黃を帶ぶ。鰭(ひれ)の本(もと)、褐色、末(すゑ)は淡褐色。上鬣(うはびれ)の端(はし)、微黑色。脇翅(わきびれ)の本、淡褐色。端、淡赤色。腹の下翅(したびれ)、藍色。腰下の鰭、藍色なり。「本朝食鑑」に、『旗代魚(はたしろうを) 漁家、所謂(いはゆる)、「魚紋(ぎよもん)は、黑と白とを相ひ疊み、之れ、黑と白と分け染めたる旗のごとし。」と。細き鱗、長き鰭、尾に岐、無く、色、黑きを以つて、上(じやう)と爲(な)す。白き者は、味、劣れり。略(ほぼ)、藻魚(もうを)に似ると雖も、形は扁く、首の端鬣(はしひれ)も亦、細く、脆(ぜい)なり。肉、美白、味、淡くして佳(か)なり。』と云ふは、此れなり。此魚、「あく」に似て、短く扁きこと、「ちぬ」のごとし。其の三寸許りの者、尾及び脇翅(わきびれ)、淡紅色。喉の下に黑斑あり。餘(よ)は大者(おほもの)に同じ。

[やぶちゃん注:後に示すが、多くの異名の一致と、美しい白身が美味である点から、これは、

スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科マハタ属マハタ Epinephelus septemfasciatus

と比定して間違いないという確信を持った。それは、

①「本草食鑑」の「旗代魚」の異名がマハタのものであること。

及び、

②本冒頭に配された「ハタジロ」の名が、「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」のマハタのページの地方名の項に「ハタジロ」とあり、採取地を『三重県志摩市和具』とし、「ハタジロマス」もあり、これも同じ和具町の採取であったこと。

さらに、

③国立国会図書館デジタルコレクションの宇井縫蔵「紀州魚譜」(三版・昭和七(一九三二)年刊)の「マハタ」の項でも、「方言」欄で冒頭に『マス(白崎・盬屋・田邊・周參見・和深・太地・二木島)』(「マス」の太字は底本では傍点「﹅」)を掲げていること。

による。

「紀州海士郡雜賀浦」和歌山県和歌山市雑賀崎(さいかざき:グーグル・マップ・データ。以下、無指示は同じ)。和歌山市街の西南端。南東直近に歌枕として知られる「和歌の浦」がある。但し、正確には、紀ノ川の河口から雑賀崎に至る砂浜海岸で和歌浦に連なる景勝地であった旧「雜賀の浦」は、現在は埋め立てられて、和歌山南港となってしまっている。

「讃州高松領、津田浦」現在の香川県さぬき市津田町津田であろう。

「備中、玉島」岡山県倉敷市の旧玉島町。ここも江戸時代からの干拓で変容してしまったので、「ひなたGPS」の戦前の地図を示す。

「筑前姪の濱」福岡県福岡市西区姪の浜

「筑前福間浦」福岡県福津市西福間附近の海浜。

「尾州智多郡小野浦」愛知県知多郡美浜町(みはまちょう)小野浦

「勢州土師」三重県鈴鹿市土師町(はぜちょう)。

「紀州奥熊野、矢口浦」三重県北牟婁郡紀北町(きほくちょう)矢口浦(やぐちうら)。

「勢州阿曾浦」三重県度会郡南伊勢町阿曽浦

「紀州熊野、九鬼浦」三重県尾鷲市九鬼町(くきちょう)。

「勢州慥柄浦」三重県度会郡南伊勢町慥柄浦(たしからうら)。

「ちぬ」クロダイの異名。

「あく」複数の種の異名であるが、ここは同じハタ類のハタ亜科アカハタ属キジハタ Epinephelus akaara ととっておく「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」のキジハタのページに、「方言」として「アク」を『和歌山県和歌浦』(出典は前掲の宇井氏の「紀州魚譜」)として載せる。]

畔田翠山「水族志」 クチビダヒ (フエフキダイ・ハマフエフキ)

 

(二六)

クチビダヒ 龍尖

續修臺灣府志曰龍尖口尖而身豐味甘而脆美出澎多湖多多曬作乾按ニ

龍尖ハ「クチビダヒ」也日用襍字母ニ龍鮎「クチビダヒ」ト云「クチビ」ハ口

中赤色ニ乄火ノ如キヲ云大和本草曰「クチビダヒ」口尖色淡黑味與タ

ヒ相似較少按「クチビ」ハ形狀棘鬣ニ似テ嘴細長ニ乄尖リ口中赤背淡

紫褐色ニ乄如鱗褐斑アリ斑白色靑ヲ帶淡褐色ノ斑鱗ノ本ゴトニア

リ頰鱗ナリ淡褐色上唇上薄ク出扁ニ乄尖レリ下唇ノ下白唇淡紅色

ヲ帶背淡鬣褐色ニ乄刺ニ紅色アリ脇翅淡紅褐色腹下翅刺淡白ニ

乄翅ノ本淡黃末微紅色腰下鬣本淡褐色末黃色尾岐アリテ本黃褐色

末淡褐色㋑ロク井【紀州若山田邊】一名メイチ【熊野新宮】タルミ【勢州慥柄】タバメ【泉州堺】コロダヒ【防州岩國】クチビダヒノ五六寸ノ者也形狀「クチビ」ニ同乄小也全身

縱條アリテ條淡紅色或ハ條淡黃色腹靑白色背ヨリ淡黑色ノ斑八

九條ノ淡紅ノ條ヲ除テ腹上ニ至ル頭黃斑色ノ背鬣淡紅色ニ乄淡黑

斑アリ尾紅色ニ乄深赤色ノ斑橫ニアルト淡紅黃色ニ乄黑斑橫ニア

ルトアリ脇翅斑紅或ハ黃ヲ帶腹下ノ翅黃色或ハ黑斑アリ腰下鬣淡

黃色ニ乄赤斑アルト黑斑アルトアリ

○やぶちゃんの書き下し文

[やぶちゃん注:冒頭の引用には衍字と思われるものがある。中文サイトのこちらと校合し、以下の訓読文では、そこに『龍尖(口尖而身豐,味甘而脆美。出澎湖,多曬作乾)』とあるのに従った。]

くちびだひ 「龍尖」

「續修臺灣府志」に曰はく、『龍尖(りうせん)、口、尖(とが)りて、身、豐か。味、甘くして脆く、美(よ)し。澎湖(ほうこ)に多く出づ。多く曬(さら)して、乾(ひもの)に作る。』と。按ずるに、龍尖は「くちびだひ」なり。「日用襍字母」に「龍鮎(りゆうねん)」は「くちびだひ」と云ひ、「くちび」は、口の中、赤色にして火のごときを云ふ。」と。「大和本草」に曰はく、『「クチビダヒ」 口、尖り、色、淡黑。味、「たひ」と相ひ似て、較(やや)、少(をと)る。』と。按ずるに、「クチビ」は、形狀、棘鬣(たひ)に似て、嘴(はし)、細長にして、尖り、口中、赤く、背、淡紫褐色にして、鱗のごとく、褐(かついろ)の斑(まだら)あり。斑は白色に靑を帶べる淡褐色の斑、鱗の本(もと)ごとにあり。頰(ほほ)、鱗(うろこ)なり。淡褐色。上唇(うはくちびる)の上、薄く出(い)で、扁(たひら)にして、尖れり。下唇の下、白く、唇、淡紅色を帶ぶ。背、淡く、鬣(ひれ)、褐色にして、刺(とげ)に紅色あり。脇翅(わきびれ)、淡紅褐色。腹下翅(はらしたびれ)の刺、淡白にして翅(ひれ)の本(もと)は淡黃、末は微紅色。腰下鬣(こししたびれ)、本は淡褐色、末は黃色、尾、岐(また)ありて、本は黃褐色、末は淡褐色。

㋑「ろくゐ」【紀州、若山・田邊。】 一名、「めいち」【熊野、新宮。】・「たるみ」【勢州、慥柄(たしから)。】・「たばめ」【泉州、堺。】・「ころだひ」【防州、岩國。】。「くちびだひ」の、五、六寸の者なり。形狀、「くちび」に同(おな)じくして、小なり。全身、縱條ありて、條、淡紅色、或いは、條、淡黃色。腹、靑白色。背より淡黑色の斑(まだら)、八、九條の淡紅の條を除(よ)けて腹の上に至る。頭、黃斑色。背鬣(せびれ)、淡紅色にして、淡黑の斑ある。尾、紅色にして深赤色の斑の、橫にあると、淡紅黃色にして黑き斑(まだら)の橫にあると、あり。脇翅(わきびれ)の斑、紅或いは黃を帶ぶ。腹下の翅(ひれ)、黃色、或いは、黑斑あり。腰下鬣(こししたびれ)、淡黃色にして、赤斑あると、黑斑あると、あり。

[やぶちゃん注:今回の底本はここ「大和本草」の引用は、「大和本草諸品圖下 クチミ鯛・ナキリ・オフセ・クサビ (フエフキダイ・ギンポ・オオセ・キュウセン)」の最初に出る「クチミ鯛」である(一部、表記が異なるが、問題はない)。そこで私はその「クチミ鯛」について、「大和本草附錄巻之二 魚類 クチミ鯛 (フエフキダイ)」で考証した通り、スズキ目スズキ亜目フエフキダイ科フエフキダイ亜科フエフキダイ属フエフキダイ Lethrinus haematopterus でよい、としてある。国立国会図書館デジタルコレクションの宇井縫蔵「紀州魚譜」(三版・昭和七(一九三二)年刊)の「フエフキダイ」の項でも、「クチビ」「クチビダイ」を『紀州各地』の方言として冒頭に掲げている。但し、次のページに載る「ハマフエフキ」フエフキダイ属ハマフエフキ Lethrinus erythracanthus (縫蔵氏の種小名はシノニムを調べたが、見当たらない。不審)の項で『體形色等フエフキダイに酷似する』とされ、「方言」の欄には『フエフキダイと混同してゐる』とあるので、同種もここに入れておくべきであろう。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」のフエフキダイと、ハマフエフキのページもリンクさせておく。自然界では、確かに、これ、一緒くたにしそうだな。

「龍尖」「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」のフエフキダイ属アマクチビ Lethrinus erythracanthus のページを見ると、「外国名」の項にズバリ、「龍尖」とあり、しかも、その採取地を『台湾(澎湖)』(ここ:グーグル・マップ・データ。以下、同じ)とするので、フエフキダイの近縁種であるが、遙かに派手なことが判る。

「慥柄」現在の三重県度会(わたらい)郡南伊勢町(みなみいせちょう)慥柄浦(たしからうら)。]

2023/04/19

畔田翠山「水族志」 アブラダヒ (スズメダイ(✕)→フエダイ(○))

(二五)

アブラダヒ 一名アブラ魚【紀州田邊】

形狀棘鬣ニ似テ濶厚鱗淡褐色ニシテ淺黒色ヲ帶背紅紫褐色腹白色腹上淡褐色ニ乄淡紅ヲ帶脇翅ノ前後底ニ藍色ヲ帶眼淡黑色ニ乄紅斑アリ瞳藍黑色腹下翅刺白色ヲ帶餘ハ紅黃色脇翅長ク紅黃色背鬣本淡黑斑アリテ端淡紅黃色尾棘鬣ノ如ク岐少シ淺ク本淡黑條縱ニアリテ端紅黃色其少ナル者二三寸腰ニ白星㸃一ツアリ腮ヨリ尾ニ至リ淡紅色ノ條アリテ條ノ邊藍色ヲ帶背灰褐色腹白色

○やぶちゃんの書き下し文

あぶらだひ 一名「あぶら魚」【紀州田邊。】。

形狀、棘鬣(まだひ)に似て、濶(ひろ)く厚し。鱗(うろこ)、淡褐色にして、淺黒色を帶ぶ。背、紅紫褐色。腹、白色。腹の上、淡褐色にして、淡紅を帶ぶ。脇翅(わきびれ)の前後の底に藍色を帶ぶ。眼、淡黑色にして紅斑あり。瞳(ひとみ)、藍黑色。腹の下、翅(ひれ)・刺(とげ)、白色を帶ぶ。餘(よ)は紅黃色。脇翅(わきびれ)、長く、紅黃色。背鬣(せびれ)、本(もと)は淡黑、斑(まだら)ありて、端(はし)、淡紅黃色、尾、棘鬣(まだい)のごとく、岐(き)、少し淺く、本(もと)は淡黑。條(じやう)、縱(たて)にありて、端(はし)、紅黃色。其の少(ちひさ)なる者、二、三寸。腰に白星(しろぼし)の㸃、一つあり。腮(あぎと)より、尾に至り、淡紅色の條ありて、條の邊(あたり)、藍色を帶ぶ。背、灰褐色。腹、白色。

[やぶちゃん注:宇井縫蔵氏は「紀州魚譜」で三箇所に、この方言異名である「アブラウヲ」を出している(分類と学名は現行のものを示す。丸括弧は宇井氏の「方言」の「アブラウヲ」の場所)。まずはここで、

スズキ目スズキ亜目カワビシャ科テングダイ属テングダイ属テングダイ Evistias acutirostris (田辺)

次に、ここで、

スズキ亜目ハタ科キハッソク亜科ルリハタ属ルリハタ Aulacocephalus temmincki(田辺・周参見)

最後はここで、

スズキ亜目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属シラコダイ Chaetodon nippon(田辺)

である。しかし、以上の叙述と一致する種は、私には認められない。されば、これらの種の孰れかではないと私は退ける

 しかし、現行の「アブラウオ」の方言名の魚類を調べたが、やはり形状の一致する種を私は見出せなかった。そもそも畔田の叙述は、今までの各魚の叙述をご覧になって判る通り、一見、どの項でも色や形状を細かく記しているのだが、何となく、皆、似たような感じを与えてしまう点で、甚だ悩ましいものなのである。特に彼の悪い癖は、すぐに、「棘鬣(まだひ)に似て」という表現を連発する点で、これは寧ろ、無視した方が無難である。では、この場合、絞り込み可能な特異点はどこかと言えば、お判りの通り、「腰に白星(しろぼし)の、一つあり。腮(あぎと)より、尾に至り、淡紅色の條ありて、條の邊(あたり)、藍色を帶ぶ」という特徴である。まず、この「腰の白星」で探してみた。すると、目がとまったのは、

スズキ目ベラ亜目スズメダイ科スズメダイ亜科スズメダイ属スズメダイChromis notatus notatus

であった。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の同種のページを見られたいが、体長は十センチメートル『前後』で『側扁する(左右に平たい)。くすんだ色合いで黒っぽく見える。鱗が大きい。生きているときや』、『鮮度のいいときには』、『背鰭の後ろの白い小さな斑紋が光って見える』とある。これはまさに「白星」である。しかし、「体色が地味過ぎて、叙述に合わない。」とされる御仁もあろう。だが、例えば、ブログ「美しい海が永遠でありますように」の「スズメダイ Chromis notatus」を見られたいが、本種の生体個体は、かなり色彩的には美しいのである。しかも畔田が盛んに「紅黃色」と指示するのと、本種のこの画像はよく一致するのである。さらに言えば、畔田が、わざわざ、「其の少(ちひさ)なる者、二、三寸」と述べているのは、大型成体が、それほど大きくないことを意味している点で、やはり合うように思うのである。比定に疑義のある方は、是非、相応しい別種を指示されたい。【二〇二四年五月二十六日追記】四日前、Xの「DECO」氏より、以下の投稿を頂戴した。

   《引用開始》

突然の無礼申し訳ありません
魚の語源を調べる事を趣味としている者です
イソダヒ・アブラダヒについてですが、釣りではフエダイの事をシブダイとかシロテンとか言いますが、「アブラダイ」という人もいます
アブラダヒはフエダイではないでしょうか
またイソダヒはゴマフエダイだと推察してます

   《引用終了》

「イソダヒ」の方は、先ほど、比定後候補を「DECO」氏の指摘に従い、アカマンボウからゴマフエダイへ修正したが、こちらの「アブラダヒ」は元より、以上の迂遠な私の自信のない注で暴露されているように、スズメダイ比定にはもともと自信がなかった。而して、「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」のフエダイを見るに、畔田の解説は九割方(何より腰の「白星」だ!)、一致すると言ってよいことが判った。私の見当違いの注は、戒めとして残しておく。なお、孤独な私の記事に指摘を下さった「DECO」氏に心から御礼申し上げるものである。

2022/12/26

畔田翠山「水族志」 イソダヒ (アカマンボウ(✕)→ゴマフエダイ(○))

 

(二四)

イソダヒ

大者二三尺形狀棘鬣ニ似テ濶厚鱗胭脂紅色ニ乄淡黃ヲ帶腹色淺シ尾鬣倶ニ紅色也㋑マン子ンダヒ【萬年鯛ノ義】一名イソダヒ【熊野九木浦】カナカブト【紀州若山】形狀棘鬣ニ似テ潤厚アブラ魚ニ似タリ背紅色黑ヲ帶腹色淺シ尾鬣黃褐色大者三四尺冬月出

○やぶちゃんの書き下し文

いそだひ

大なるは、二、三尺。形狀、棘鬣(たひ)に似て、濶(ひろ)く厚く、鱗、胭脂(えんじ)・紅色にして淡黃を帶ぶ。腹の色、淺し。尾鬣(おびれ)倶(とも)に紅色なり。

まんねんだひ【「萬年鯛」の義。】。一名「いそだひ」【熊野、九木浦。】・「かなかぶと」【紀州、若山。】。形狀、棘鬣(たひ)に似て、潤く厚く、「あぶら魚(うを)」に似たり。背、紅色、黑を帶び、腹色、淺し。尾鬣、黃褐色、大なるは、三、四尺、冬月、出づ。

[やぶちゃん注:底本のここ。この「イソダイ」という異名は現在、所謂、「マンボウ」型の(見た目が似ているだけで、分類学上はマンボウの仲間では全くない。マンボウは条鰭綱フグ目マンボウ科マンボウ属 Mola に属する。但し、食性はクラゲを食べているらしい点では似ている)、側扁して体高が高く円形に近く、鰭が鮮やかに赤く伸び(特に背鰭・腹鰭・胸鰭が長い)る(私の、驚異的な栗本丹洲自筆巻子本(国立国会図書館所蔵・第1軸)「魚譜」の「マンダイ (アカマンボウ)」の図群を、是非、参照されたい)、

顎口上綱硬骨魚綱綱条鰭亜綱アカマンボウ上目アカマンボウ目アカマンボウ科アカマンボウ属アカマンボウ Lampris megalopsis

の異名として、宇井縫蔵の「紀州魚譜」ではここ(「マンダイ」を筆頭標題和名としてある)に、まず、載り(但し、採取出典は本書である)、宇井氏はまた、別に、

棘鰭上目スズキ目ベラ亜目ブダイ科ブダイ属ブダイ Calotomus japonicus

の異名としても、こちらに載せている(採集地を和歌山県『湯淺』とする)。しかし、本文の記載とこの二種を比較するに、色彩は二種ともに似ているように見えるものの、ブダイは全体にブダイの♀は赤みが強いが、これは全体に及び、「腹の色」は「淺」くはない。個体変異があっても、こう記すほどの通性はない。さらに広義の「棘鬣(たひ)」=現行の我々が勝手に「~タイ」と呼んでいる、タイとは縁の遠い魚類も多数含むそれと同じ)に比べて、有意に「濶(ひろ)く厚く」というのはブダイに当たるかというと、私は、全く当たらないと思う。体幹の「厚さ」は「厚い」と言えるが、体高は寧ろ低く、それを「潤い」とは決して言わない。されば私は、今、畔田が目の前に置いて観察している前者「イソダヒ」は、絶対にブダイではなく、アカマンボウであると断言するものである。【二〇二三年四月十八日★重要追記★】本種について、その後に調べているうちに、以上の記載に誤りではないが、不備があることに気づいたので追記する。宇井縫蔵氏は「紀州魚譜」のここで、「方言」で本書のこの部分の記載を『水族志にはイソダヒ(九木浦)、カナカブト(和歌山)とある』(太字下線は底本では傍点「●」、太字は傍点「﹅」)と示されて、学名を Lampris regius に比定してある。これは現在の条鰭綱アカマンボウ目アカマンボウ科アカマンボウ属アカマンボウ Lampris megalopsis のことである。但し、シノニムではなく、別種である。これは、宇井氏の誤りではなく、ごく最近に種が改められた結果である。ウィキの「アカマンボウ」によれば、『従来』、『アカマンボウ科』Lampridae『にはアカマンボウ Lampris guttatus(宇井氏の示した学名は、この Lampris guttatus のsynonymである)『南半球に分布する全長』一メートル『程度の Lampris immaculatus(英名:southern opa)の』一属二種のみが『属するとされていた』が、二〇一八年に、『アカマンボウLampris guttatus』の方は、五『種に分類され、アカマンボウ科は』六『種と』変更された。『その結果』、『従来』、『アカマンボウとされていたLampris guttatusは北西太平洋のみに分布することが判明し』、本邦の和名種である『アカマンボウの学名はLampris megalopsisに変更された』のである。

「まんねんだひ」「萬年鯛」は現在、アカマンボウの他に、スズキ目スズキ亜目キントキダイ科クルマダイ属クルマダイ Pristigenys niphonia や、棘鰭上目キンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ亜科アカマツカサ属アカマツカサ Myripristis berndti の異名でもある。二種ともに全体が有意な赤みを帯び、前者は側扁性がやや強く、側面から見ると、アカマツカサと異なり、有意に丸く見える。

「熊野、九木浦」現在の三重県尾鷲市九鬼町(くきちょう)であろう。

「かなかぶと」宇井氏と同じく、「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」のアカマンボウのページでは、本記載をもとに同種の異名とする。

「あぶら魚(うを)」「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の異名一覧の「アブラウオ」には、実に十三種が載るが、以上に掲げた種は含まれない。この内、強く側扁するもので、和歌山の異名とする(宇井氏の前掲書による)のは、スズキ目スズキ亜目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属シラコダイ Chaetodon nippon であるが、体色は大部分が黄色である。実は次の項が「アブラダヒ」であるので、そちらで考証する。【二〇二四年五月二十六日追記】四日前、Xの「DECO」氏より、以下の投稿を頂戴した。

   《引用開始》

突然の無礼申し訳ありません
魚の語源を調べる事を趣味としている者です
イソダヒ・アブラダヒについてですが、釣りではフエダイの事をシブダイとかシロテンとか言いますが、「アブラダイ」という人もいます
アブラダヒはフエダイではないでしょうか
またイソダヒはゴマフエダイだと推察してます

   《引用終了》

今、畔田の記載を虚心に読んでみると、一つの大きな違和感があることに気づいた。もし本種が確かにアカマンボウであるとすれば、畔田が通常のタイ類、或いは、体型が似ていて「~ダイ」の名を持つものと異なり、有意に体型が強い円形を示すことを、絶対に「厚」というレベルではなく、「圓」とするに違いないという確信であった。而して、「DECO」氏の指示されるゴマフエダイを「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の同種のページの画像を見るに、アカマンボウより遙かに、こちらの方が候補足り得ると感じた。されば、同定を「ゴマフエダイ」に変更した。「DECO」氏に心から御礼申し上げるものである。

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