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カテゴリー「音楽」の129件の記事

2021/11/29

エレーヌ・グリモー


最近、このフランス人ピアニストのエレーヌ・グリモー(Hélène-Rose-Paule Grimaud 一九六九年生まれ)のバッハの演奏に惹かれている。大学で動物学を専攻し、今はオオカミの生態を研究しながら、その養育を続けており、共感覚(音と色彩) の所有者としても知らている、私には魅力的な人物でもある。

2018/04/21

オースン・スコット・カード 無伴奏ソナタ

昨日、髪結いに行き、夕刻の妻のリハビリの帰りまでの時間潰しに、戸塚から大船まで歩いた。柏尾川には鴨や白鷺や青鷺や川鵜がいて、調整池では牛蛙が鳴いていた。皐月がすっかり満開だった。

歩きながら、アメリカのSF作家オースン・スコット・カードの「無伴奏ソナタ」Orson Scott CardUnaccompanied Sonata 1980)を読んだ(ハヤカワ文庫・冬川亘訳)。

……私は教師を辞めて以来、この6年の間、各種テクストの電子化作業以外の目的で、純粋に読書を楽しむために読んだ本は、十数冊しかない。教員時代は二日に一度は本屋に向かい、一ヶ月の本の購入総額も数万円を下らなかったが、今や、本屋には滅多に行くこともなく(今から以前に行ったのは実に一ヶ月半ほども前だ)、野人になって、ただ読むために買った本も、ただ、四、五冊しかない。書斎には、昔、買い溜めてしまった本が、あたら、紙魚の餌食となっているばかり。私は私の所持している書籍・雑誌の半分も読んでいないだろう。今日は不図、二十四年も前に買っていながら、ろくに読みもしなかったそれ(当該の原書及び訳書は十一篇の短編集)をポケットに入れて家を出たのであった……
 
この短篇、何か、ひどくしみじみしてしまった。

SFで、かく、しみじみしてしまったのことは、実に二十代の始めに読んだ、諸星大二郎の漫画で手塚賞入選した「生物都市」と、同じ彼の「感情のある風景」(これは漢文で「杜子春」をやった時に授業でも扱ったので覚えている教え子諸君も多かろう。私の小攷『立ち尽くす少年――諸星大二郎「感情のある風景」小論』もサイトにある。私は実を言うと、この「感情のある風景」を読み終わった時、図らずも落涙したことを告白しておく)ぐらいなものだのに……。しかし、まあ、ネタバレになるから、「無伴奏ソナタ」の梗概はここには書かない。一寸書いても、私の感じた「しみじみ」感は損なわれると思うからだ。

同文庫本の他の作品は、SFでも、かなり偏頗なグループに属するものであり、一冊まるごと買うのは、そうしたフリーキーでない方以外には、お薦め出来ないが、たった三十ページだし、立ち読み出来る。なされんことをお薦めする。

2017/02/02

武満徹「小さな空」

……母と最期に別れた……
 
……あの震災直後の真っ暗な聖テレジアを下る坂で……
 
……僕の心に聴こえていたのは……

……これが最も近い詠唱だった…………

2016/12/11

教え子のブラームス

このリサイタル(東京室内歌劇場リサイタルシリーズ 中川 郁太郎 バリトンリサイタル)の、現在、ライプツィヒ在住のピアニスト小野真紗子さんは僕の教え子。祖国へ戻っての、彼女の愛するブラームスの演奏の知らせに、心より祝福!

2016/09/12

「世情」というマカヤシの歌について

人をなめているのは、あの「世情」という歌だ。僕は若い頃、一時、惚れ込んだけれど、あの歌詞はしかし、今はブードゥの呪い以外の何ものでもない気がしている――
 
僕の意見に反論のある方は、是非、以下の彼女の歌詞を、高校生にも判るように注釈して戴きたいもんだ。
 
注釈の鬼である僕でさえ、これにはまっとうな注が出来ないからである。
 
でも批判的にやってみよう。
(以下、歌詞の概ねを引用するが、これは歌詞を「評論」するために必要であるからして、著作権侵害には当たらぬと存ずる。侵害請求をされた場合は、作詞者である本人に僕の疑義を総て答えて貰うことを要求するものである)
 
   *
 
世の中はいつも 変わっているから
頑固者だけが悲しい思いをする。
[やぶちゃん注:この命題は概ね正しいと言える。]
変わらないものを 何かにたとえて
その度 崩れちゃ そいつのせいにする
[やぶちゃん注:その具体例をテツテ的に提示してもらわないと、僕はこれを正しい命題と思うことは到底、出来ない。]
シュプレヒコールの波、通り過ぎてゆく
変わらない夢を、流れに求めて
[やぶちゃん注:「変わらない夢」とはそもそもが矛盾命題である。]
時の流れを止めて、変わらない夢を
見たがる者たちと、戦うため
[やぶちゃん注:矛盾命題に対する反措定を持つ集団を「正」として絶対目的を示す、これは使い古された、実におぞましい武力闘争的化石共産主義措定である。それが正しいかどうかは、まあ、留保しておこう。歌ってる、姐さんへの情動的好意として、であると同時に、僕の悪魔的部分的共感に於いて、である。]
世の中はとても臆病な猫だから
他愛のない嘘をいつもついている
[やぶちゃん注:「猫」は可愛いか? 俺はそうは思わないが、しかし、多くのこの歌を聴く者の耳には「心地よい」のであろう。だから罪のない「他愛のない嘘」「をいつもついている」のであって、許してやろう、っテカ!?]
包帯のような嘘を見破ることで
学者は世間を見たような気になる
[やぶちゃん注:前連の問題を解消せずに、より大きな嘘がある、それは許せぬ! というのか? では、僕は貴女の「猫」でいいわけだ、そうあれ、といさえあんたは強要するのだな?! 「包帯のような嘘を見破る」ことはそれなりに意味のあることだと思うが、それを貴女は馬鹿にし、そうして、そういうことは辛気臭い「学者」だけがやっていることであって、しかも「見たような気にな」ってるだけのことで、本当は全然分ってないんだと言いたいんだよな? しかして、繃帯(この字を使えよ!)のような嘘は連綿と繋がって、ほつれ、むすぼれ、結局は、一向にほどけやしない、というのであるなら、歌ってるお前は、繃帯で巻いている患部ごと、ばっさり抉り除け、というのか?!
お前は一体、何が分っていて、何をしたいんだ! と僕は反問したいのだ!
この詩は、かくも致命的の「破綻」していることは、この僕の愚劣な注からでさえも、明らかだと僕は、思う。
いや、ともかくも「学者」でない歌ってる君にだけは、その「真理」「実相」が判っているらしいじゃあないか!
では、その「教理」を是非とも拝聴したいもんだ!
納得できれば……♪ふふふ♪……是非とも
「中島みゆき教」の「広報部長」
になりたいもんだぜ!…………]

2016/09/11

まわるまわるよ 時代はまわる

私は「フォーク・ソング」なるものが、ずっと胡散臭いものだと思ってきた。今もそれは変わらない。その最たるものが、「まわるまわるよ 時代はまわる 別れと出会いを繰り返し 今日は倒れた旅人たちも 生まれ変わって歩き出すよ」という歌詞を、私はついこの間まで、時計の針が「まわるまわるよ 四時代はまわる」のであって、「別れと出会いを繰り返し」た連中もアフター・ファイブになれば「生まれ変わって歩き出すよ」(新しい恋が出来る)という軽薄な意味じゃねか! 何だ! こんなの! と思っていた人間であったのである。しかも、それをまた、「誤り」として認める気が、今以って全然ない「人種」でもあるのである――

2016/08/13

がんばりましょう!

……私は君らを別に好きでも嫌いでもないのであるが、一曲だけ好きでCDを持ってはをる。……東京タワーで昔 見かけたみやげ物にはりついてた言葉は 「努力」と「根性」! Hey Hey Hey! ……いい言上げではなかったか?! 君らも、そう、人々を元気づけたように、また、それぞれに、旅立つがよろしかろうぞ……(「宗祇諸國物語」の飯尾宗祇より)

2016/07/08

ギョーム・アポリネール詩 イヴェット・ジロー唄 「ミラボー橋」

……小さな頃から……このレコードを聴いた……忘れられぬ歌、忘れられぬイヴェット・ジローの歌声……

2016/02/05

悼――


2015/02/13

愛する人に――Adagio after Marcello BWV974 ( piano transcription by Bach ) - Alexandre Tharaud

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